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椰子の血
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椰子の血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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ただのフィクションの小説です。 なので、当時のダバオかどういったものかを知りたい人には、オススメできません。 妙に反日思想の入った小説です。 真珠湾攻撃の前に、ダバオに日本兵がいた記述があり、しかもその日本兵が少女をレイプします。 真珠湾攻撃前にダバオに日本兵がいたはずもありません。そこはアメリカ領なので。 その割に、真珠湾攻撃の後に米軍がダバオにいた日本人の民間人を殺したりレイプした話は、とくに載っていません。 他の人も言っていましたが、ノンフィクションのドキュメンタリーの方がよっぽどよかったですね。 フィクションなので、結局、何が本当で何が創作かわからないです。 お金の無駄なので、この本は買わない方がいいですよ。 ガッカリしました。 あと、著者は日系アメリカ人です。 日本人が書いた本ではありません。 | ||||
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作者はミステリ作家の司凍季です。作家生活30周年の集大成ともいうべき長編小説です。元々は先に他社から出版された『椰子の血』を改題し、フィクション性が強めになっています。装丁がフィクションに偏り過ぎているので、中身とのちぐはぐ感が否めませんが。 彼女のお婆さんの実体験をベースにした半フィクションで、ダパオでの生活はほぼノンフィクションだそうです。手探りだらけの南方での生活と戦時下での凄惨な体験が、戦争を知らない我々に訥々と語り掛けてきます。二度とこんな悲劇を起してはならないと深く考えさせられる作品です。フィクション部分にあたる柳原貞元と月島蓮子のギリギリの攻防も見ものです。老若男女問わず是非、広く読んでほしいです。 | ||||
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小説として書いてしまうと、日本軍の残虐行為が嘘っぽいというか、プロパガンダのように見えてしまう。 ダバオに居座った日本軍が、ロクな事をしなかったのは良く知っているが、ダバオに居座っている時よりも、ジャングルに逃げ込んだ後の方を、狂暴に描いた方が、日本軍らしいと思うがねえ。 ジャングルに転がってる日本兵の死体は、太股の肉が抉り取られてないとダメでしょ。 ミンダナオ島なんだから。 ジャングル内の道で、栄養失調の日本兵達が、力無く地面に座り込んでるシーンがあるが、ここはやっぱり、何かの肉を飯盒でグツグツ煮てないと、敗残日本兵ではないね。 アイツら、飯盒で煮れば何でも食えると思ってやがる。 飯盒でグツグツ煮てないと気が済まないというか、落ち着かない連中だからね(笑)。 何の肉かは想像に任せるが。 恐らく、黄色い脂の肉だろうね。 まあ、南方春菊やタンコンでもいいけどさ。 でも、飯盒で煮てないとダメだね。そうでないと敗残日本兵ではない。 ダバオの戦記って、元日本兵の戦記は一つか二つしか無いけれど、民間人の戦記は結構あるねえ。 大体、本書と似たような内容で、旧日本軍への恨み辛みを吐露している内容だ。 父親を日本兵に殺された、という戦記もあるねえ。 日系移民の立場から、日本兵の、食べ物の略奪の凄まじさを告発しているものが多く、なかなか勉強になる。 元日本兵の戦記が少ないのって、やはり後ろめたいからかねえ? ロクな事してないし、真面目に戦いもしなかったからねえ。 富士川の平家、と揶揄される腰抜けぶりだったからねえ。 そのくせ、民間人への弱いものイジメだけは容赦ない。 カッコ悪ぅ。 じんにく食ってないで、真面目に戦え、バカ野郎。 強姦ばっかしやがって。 ちなみに、本書のメインの人達がじんにく食ってたね。 ジャングルでの飢餓は酷かった、というからねえ。 小説なんだから、日本兵に食わせればいいのに。 何も、著者の親が食った事にしなくても・・・ でも、書かずにはいられなかったのだろう。 民間人で、じんにく食を告白した戦記って、これが初めて読むかな。 兵隊さんは食いまくってるがね。 兵隊さんは、クーニャンとじんにくは大好物だからね。 | ||||
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本作はフィリピン移民一世の祖母や伯父からの聞き取りと祖母から提供を受けた資料と 参考文献を元に小説の型を取った一つの家族の移民の顛末を描きます。 只残念なことに17歳でフィリピンへ嫁いだ主人公をはじめ、登場人物がその視点では語らず 全て現在の作者の年齢と視点、価値観で語られていることです。 植生や地形の描写が現地を見ずに描かれているような弱さがあります。 非常に価値のある素材なのだから、無理に小説の形式を取らず、 アンダーグランドのようにノンフィクションでまとめてほしかった。 食料を得るために行った行為や全員が帰国できた事への罪の意識が 今ひとつ伝わってきませんでした。 ノンフィクションとして再度の挑戦を望みます。 | ||||
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ミステリ作家司凍季氏の家族のお話。フィクションとノンフィクションが融合することで密度の濃いストーリーに仕上がっている。日本からフィリピンへの移民。戦前のその事実すら知らないかもしれない。恥ずかしながら私も知らなかった。移民、開拓という夢にかけた清吉、そしてその妻蕗恵。まさに幸福と絶望の物語だが、家族で日本に戻ることができただけでも幸せだったのだろう、実際には何千、何万という人が死んでいるのだから。最近やたら賛美される日本人の国民性だが、立場、状況により誰でも野獣へと変貌する。そのことを忘れてはならないし、戦争のいろいろな意味での怖さは語り継がれていかなくてはならない。読み終わった時、読書でひさびさに涙した。この本が出版されたことに感謝したい。 | ||||
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ある日突然その日はやってくる。何もかもがその日を境に激変してしまうのだ。戦争とはそういうものなのだ。 その戦争という悪魔がある日突然人々を襲う。 隣人との友情、信頼、家族の絆、人間の精神も肉体でさえも戦争という国策はいともたやすくズタズタに切り刻む。 戦争は地獄でしかないのだ。 3.11以降、非国民という言葉をよく耳にする。その度に背筋が氷る思いがする。まさかこの日本で。 いったい日本人は太平洋戦争で何を学んだのだろうか。 主人公とその家族、彼らを取り巻く人々の地獄と狂気を通じ、物語は読者に【平和】ということについて執拗に問いかけてくる。 まさにこの物語は混沌とする今の日本人に必要な物語だ。 | ||||
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数少ない女流本格ミステリ作家として知られる司凍季氏だが、この作品はミステリーではない(ミステリー要素は少しあるが) フィリピン・ミンダナオ島ダバオを舞台に、第1部はたくましく生きるヒロイン一家をはじめ日本人移民たちの姿を、第2部では太平洋戦争勃発による伴うジャングルでの過酷な逃避行が描かれている。 あとがきによると、これは著者の家族をモデルにした物語だという。当時の移民たちの生活ぶりが生き生きと描かれ、その姿が目に浮かぶようである。不勉強のため、異国での開拓に命を懸けた日本人移民の方たちの生活などは全く知らなかった。 戦争勃発後の終盤はまさに地獄絵図で、史実だけに人の死がたんたんと描かれ圧倒される。そんな中、ヒロインは非情な選択を迫られる。 過酷な運命を乗り越えた人々の姿に心を打たれる傑作。 | ||||
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