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花と火の帝
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花と火の帝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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実に面白く引き込まれる小説、実際の人物があるかと思うくらい。京都が舞台ですが、主役が本当に実在してたのではと、思うくらい想像を膨らませる物語です。残念ながら、下巻がなく、違うサイズでならありました。購入はこれで、3度目何回も読み直してボロボロになるくらい、引き込まれます。絶対にお勧めの小説です。本好きにはたまらないかも? | ||||
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表現、言い回し、時代背景・・。 読み始めからどんどん引き込められて行ってしまいました。 文庫を何度か読みましたが全集を集め大切にしていきたくて購入しました。 なぜもっと早く読まなかったのかと後悔しましたが、まだ読んだことのない人は是非お薦めします! | ||||
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近頃認知障害なのかないないと思って買う傾向があり反省しています これもありました 読みました同じモチーフでうーうんですがやはりたのしいです 若いときと受けが違います昔気ずいていたら今幸せだろうと思います | ||||
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最近になってこの作家を知りました。よく本は読むし、本屋さんにもよく行くのになぜこの方の本が目に入らなかったのか不思議です。この本に限らず、全て面白いです。 | ||||
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織豊政権から徳川政権へと歴史が大きく動いた関ヶ原前後。幕末ものと同じように、このころの歴史時代小説は数が多く、読ませる作品も少なくはない。しかし、幕府を開いた徳川政権に翻弄され、しかも抵抗を続けた「後水尾天皇」を中軸に据えた長編となると相当に異色だ。評者は当初それとは知らずに読み始め、天皇を支える八瀬童士の岩介、さらに猿飛佐助や霧隠才蔵などが絡んでテンポよく話が進む、この大型の伝奇ロマンに一気に引き込まれてしまった。 上巻は、皇室狙撃を命じられた徳川配下の柳生一族を岩介らがとりあえず「撃退」するまで。映像化すると恐らく荒唐無稽になるだろう忍びや呪術の描写が、隆慶一郎の筆にかかると不思議なほど真に迫って腑に落ちてくる。虚実ないまぜになった(あるいは全部ホントに残っている?)史料の引用も鮮やかだ。 | ||||
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関西弁ファンには堪らない世界。後水尾天皇(1596年〜1680年)がちゃきちゃきの京弁でまくし立てている。御所言葉は?などと突っ込む気も失せるほど、天皇の京弁自体が力強い表現になっている(関西弁ファンの欲目?)。関東の強大な権力に抗する血気。軍事強権に対峙する無形文化の主張。江戸幕府の御所支配に対して、我こそは本朝の文化なりと徒手空拳で立とうとする若き天皇の健気。そんな天皇を護持する「八瀬の童子」の忠義。江戸の階級体制に於いては共に「化外」に追いやられた両者が、古代からの絆で結び付く。共に世俗権力を持たない「対抗者」として。 熱血で聡明な少年が天皇家に生まれてしまったらどうなるのだろう、とは日本史を読んでいるとつい妄想してしまうものだ。ある時点からの日本史は、「天皇の気持ち」などあたかも存在しないかのように、武人中心で進んでいく。天皇はただ静かにおわしますればよろしいのです、と。しかし静かな人ばかりである訳がない。後醍醐天皇などは世俗権力を求めて失敗するが、本書の後水尾天皇は文化の領域を掴もうとする。戦国末期に生まれ、江戸初期に生きた天皇である。当時の武士となると江戸末期のお行儀の良いお武家様とは別の生き物だったはずで、天皇視点からすれば「蛮族」だったろう。蛮族に対抗するにはこれくらい激しい人でなければならないのだろうなあ、と思う。しかし生気溢れる元気者の天皇にしても試練が多かった。 なんといっても読者にとっての最大の「試練」は、作者が本作を未完にして亡くなってしまったことだ。一読すると伝奇アクションのエンタメ物なので気軽に読めるが、根底には作者の天皇観、歴史文化に対する洞察が息づいている。未完だからと敬遠するのは勿体ない。皆はん、読みなはれ。 | ||||
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どうなる事かとはらはらさせられる、次を次をと待ちに待ったのに下巻は絶筆 | ||||
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長い時間がかかったが隆 慶一郎の絶筆となった「花と火の帝」を読了した。それこそ、20ページ読んでは栞を移し、栞の5ページ前辺りから読み継ぐような越年読みだった。 「ペルシャ人のテントが僅かに開いたように見えた。顔は何も見えない。動きもない。だが明かになのかの気の流れるのを岩介は感ずるともなく感じた。しかもテントの中の生き物も素早くその感じを、掴んだようだ。」 後水尾院の弟、近衛信尋の略殺を狙う徳川とその警護にあたる『天皇の隠密(八瀬の童子)』との息も詰まる戦闘シーンは壮絶を極め、場面は賀茂川原の見せ物小屋に移り、しばしの静寂の中、上記の事切れをする。 コーダに向う幾重のうねりが整理され、原初のテーマがどこからともなく鳴り出したか…と思う途端の事切れ。 ジョバンニとカンパネルラの不意の別れのように。 徳川期は賤民や被差別民が構造的に生まれてきた。農業定住民国家を基礎とした幕藩体制の強化は天皇を支えてきた非農業民(芸能民、職人、山伏、宗教者…)の生活を追い込み、同時に社会的賤視の風が徹底され、支配の道具にされた。そうした中、天皇さえもその自由を獲得するためには徳川の強大な権力と闘い続ける必要があったのだ。 後水尾天皇を通して、この物語は網野善彦が解明した「日本中世の非農業民と天皇」を翻案したものだ。 改めて隆 慶一郎と網野善彦の冥福を祈りたい。2人は暖かな春の陽射しの賀茂川原縁で愉快な話を今日もしているのだろう。 | ||||
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花と火の帝は、一番感動した小説です。慟哭させられた場面があって、ひとつひとつ書きたい思いもあります。 若き後水尾天皇と岩介とのやりとりがあります。 「帝はお幾つでんねん。まだまだこれからやおまへんか。相手は棺桶に片足つっこんどるおいぼれや。焦ってまんねん。帝はのんびり待ってはったら宜し」 老いて焦っているからこそ、今の大御所家康は危険なのである。岩介はそのことを強く感じていた。だが天皇にそれを告げるわけにはゆかなかった。 帝のお顔が僅かに明るくなられた。 「そやな。わしは若いんやな」 「そうどすがな」 「これから何でも出来るんやな」 「そうどすがな」 「家康をあっという目に会わせることも出来るんやな」 「そうどすがな」 いつの間にか岩介は泣いていた。何故だか、岩介にも判らなかった。わけもなく、ただ涙が流れた。 「岩よ」 「へえ」 「泣いたらあかん」 「泣いとりまへん。目えから水が出とるだけや」 「岩よ」 「へえ」 「ありがとう」 ******** 他にも、京都所司代に仕え、帝の隠密になった朝比奈兵左衛門。キリシタンの忍者、霧隠才蔵。これらの男たちに慟哭します。 隆慶一郎の小説はいずれも素晴らしい生き方に満ち満ちています。 本を二つ紹介します。 般若心経物語 隆慶一郎の作品に感動した方には、ぜひ読んでほしい本です。大きな感動があります。 もう一つはにあんちゃん 十歳の少女の日記です。 「にあんちゃん」は、小学生が書いた日記です。隆慶一郎(池田一朗)はこの本を元に映画のシナリオを書きました。 私は「にあんちゃん」は子々孫々まで世界中の人に読み継がれてほしいと思っています。 隆慶一郎を動かしたほどの本だと思っています。 本来のレビューから外れてしまったでしょうか・・・・ | ||||
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●以下全巻の感想です。●天皇家とお公家さんの話ですからいつもと違って雅な話なのかなあっと思ってましたがいやあすごい躍動感でした。●主人公もはじめからかなり完成された強さなんですが物語りの中でさらに成長するし。どこまで強くなるんだ。●一夢庵〜のお連れと同じ出身ですよ、主人公は。●普通あいいう異形な敵って「初めて人間の優しさに触れられておでうれしい、フゴー」見たいなせりふとともに主人公に敗れて死ぬんですけど、こんな展開ですか、作者はつくづく異形の者が好きで彼らを活躍させたいみたいですね。●あそこから面白くなるのになあ、本当いい感じにストーリーが動き出すんですよ。若干の閉塞感を抜け出て展望や明るさがや敵の姿も見えかけたのに。●今回の主人公はいつにも増して異色です。すごい強靭な肉体を誇るのにあまり荒事に頼らずトリッキーな技と精神力で戦います、強いて喩えるならばプロ野球選手なのに天才ハッカーでもある、そんな感じです。 | ||||
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題名に魅了されてしまう方もあるかもしれません。 主人公の花と火、読み進めていくと非常によく分かります。 影武者やかくれさとなど読んでからこちらを読むと非常に面白いです。 | ||||
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隆慶一郎と言えば『影武者徳川家康』や『一夢庵風流記』が有名ですが、この作品は上記の作品とは違った意味で面白いです。物語の中に呪術が当然のように登場するというのは伝奇的ではありますが、昨今の陰陽師やハリーポッターに親しんだ人々には入り込みやすいのではないでしょうか。天皇を題材にしている小説というのはあまり読んだ経験がなかったのですが、天皇が長い間存在してきた理由のひとつが、この作品の中に描かれているように感じました。 | ||||
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あまりに見事な右翼の思想的根拠(笑)。天皇制というとどうしても何か後ろ暗いイメージがあったのですが、隆氏の自由を求めて戦う無力な天皇像を読んでしまうと、ぶっ飛んでしまいますね。平百な左翼的観点から書いた物語が影をなくす、と稲葉振一郎氏が書いていたが、ごもっとも。網野善彦氏『異形の王権』に、中沢新一氏の『悪党的思考』を読むと、さらに背景を、理解できて面白いです。16歳で即位した後水尾天皇が、徳川幕府という自由に生きる人々を押さえ込む強大な政治権力へ、徒手空拳で挑む壮大な伝記ロマン。日本中世の自由な人々のネットワークの棟梁であり魔術王であったとされる天皇の存在が、徳川幕府権力によって押さえ込まれる「まさにその時」を描いた未完の対策。 山田風太郎を読んでいるような呪術やアクションも、なかなかです。 | ||||
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隆慶一郎ファンなら最初は戸惑う。この人は山田風太郎に似てはいるけど違うかった筈だと。が、読み進むと、やっぱり巧い。出てくる呪術の幾つかは戦国時代頃の伝承に出てきたりして、まるっきり隆慶一郎の作り事であるわけではないし、無茶に見えて案外いいバランス。水面に人の影を映して斬る、という呪術は草深甚四郎という剣豪の伝承に出てくるもので、読んでて「おお!」と思った。 | ||||
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氏の新境地ともいえる作品。 呪術使いによる戦闘は、切った張ったとはひと味違う緊迫感があります。 また、天皇について文化を統べる者として定義した着眼点はさすが。 未完であることが残念。 | ||||
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