海の底

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評判

海の底の評価:

4.27/5点 レビュー 158件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.27pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全259件 161〜180 9/13ページ
No.99
(4pt)

海洋生物SFとしては、若干物足りないが

海洋生物の異常な襲来、というプロットは深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)に通じる部分がある。それに比べると、かなり科学的裏付けが(全然ないわけではないけど)弱い。
ただ、Yrrに比べ、ドーンといきなり事件を持ってくる点はサビをいきなり出す着メロのような戦略かしら。
何だろ何だろ、ということで気を引くというか、のばすというわけではないので、勝負が早い。
あれよあれよといううちに物語に引き込まれる。多分の多くの人にとって確実にこちらの方がエンターテインメント性が高いだろう。

自衛隊と米軍の関係、あるいは団地の中という小さな、でもありがちな社会での人間関係、親子関係と内容は多岐にわたる。その意味で、若干散漫であり、ちょっと視点がぼける気がしないではない。
その意味では、いったいどうするんですか、この怪物たちを、というところは、なんのことはない、という感じで、ちょっと肩透かしかもしれない。
ここまでは、かなり引っ張るのにね。結局は我が国の政治のせいですわなぁ。

空の中 (角川文庫)に比べると、まだるっこさが少なく、テンポよく進んでいってよかったな。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.98
(5pt)

映像が目に浮かぶ良作

第1作「塩の街」を読んだ後、速攻で揃えて一気に読み終えてしまった。
もったいない。。。

自衛隊三部作の3作目にあたる「海の底」は、作中でも登場人物が語る通り、
一見すると怪獣映画的なB級臭が漂うものの、実際は大変良質なエンタテイメント小説だ。

真保裕一のホワイトアウトや、ダン・ブラウンのダ・ヴィンチ・コードを
読んだ時と同様、読むにつけて場面が頭の中に再生されていく。
「映像化しやすい」「映像化されて映える」小説だと感じた。
(映画のホワイトアウトはいろんな意味で失敗作だと思うが…)

最初の10分は「前夜祭」を緊迫したブレブレのカメラワークで。
「両名出頭!」の怒声と共に一転、のほほんとした腕立て伏せの風景から
クレジットと本編がスタートしていく…みたいな妄想が次々に浮かんでくる。

著作で出世作の図書館戦争はなんとなく食わず嫌いで読んでなかったが、
これを機に読んでみたいと思う。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.97
(5pt)

映像が目に浮かぶ良作

第1作「塩の街」を読んだ後、速攻で揃えて一気に読み終えてしまった。
もったいない。。。

自衛隊三部作の3作目にあたる「海の底」は、作中でも登場人物が語る通り、
一見すると怪獣映画的なB級臭が漂うものの、実際は大変良質なエンタテイメント小説だ。

真保裕一のホワイトアウトや、ダン・ブラウンのダ・ヴィンチ・コードを
読んだ時と同様、読むにつけて場面が頭の中に再生されていく。
「映像化しやすい」「映像化されて映える」小説だと感じた。
(映画のホワイトアウトはいろんな意味で失敗作だと思うが…)

最初の10分は「前夜祭」を緊迫したブレブレのカメラワークで。
「両名出頭!」の怒声と共に一転、のほほんとした腕立て伏せの風景から
クレジットと本編がスタートしていく…みたいな妄想が次々に浮かんでくる。

著作で出世作の図書館戦争はなんとなく食わず嫌いで読んでなかったが、
これを機に読んでみたいと思う。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.96
(5pt)

狭い世界の中で

狭い世界の中で良く表現出来てると思います。
子どもはかわいい。無垢だなんて言ってる方。
それ・・・まぼろし。
子どもは観察力が鋭く思い切り残酷でガキ。
弱いものには強く、強いものには卑屈に。
しかし、自分のやったことは自分に帰ってくる。
ガキだからこそそこを学べると大人になれるという話。

著者は最強ペアを登場させて話の中でがんばらせるのが好きなのかな?
この物語の最強ペアは別の作品の中でも見てとれます。
どちらの最強ペアにも「男気」ありき。
いいかも。男の友情。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.95
(5pt)

狭い世界の中で

狭い世界の中で良く表現出来てると思います。
子どもはかわいい。無垢だなんて言ってる方。
それ・・・まぼろし。
子どもは観察力が鋭く思い切り残酷でガキ。
弱いものには強く、強いものには卑屈に。
しかし、自分のやったことは自分に帰ってくる。
ガキだからこそそこを学べると大人になれるという話。

著者は最強ペアを登場させて話の中でがんばらせるのが好きなのかな?
この物語の最強ペアは別の作品の中でも見てとれます。
どちらの最強ペアにも「男気」ありき。
いいかも。男の友情。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.94
(4pt)

映像化希望(笑)

某登場人物の母親が「素敵」なキャラ。ああいう人、実際に知ってるもので…。大人と子供、それぞれの人間関係が読んでいて面白い。
ゼヒ映像化を!
大量のどでかい●●●ちゃんたちが3Dでわらわらわら…。想像すると楽しくなりませんか?
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.93
(4pt)

映像化希望(笑)

某登場人物の母親が「素敵」なキャラ。ああいう人、実際に知ってるもので…。大人と子供、それぞれの人間関係が読んでいて面白い。
ゼヒ映像化を!
大量のどでかい●●●ちゃんたちが3Dでわらわらわら…。想像すると楽しくなりませんか?
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.92
(4pt)

引き込まれました

本書の番外編を読んでいたのでSFも自衛官話も苦手なのですが
手に取りました。
ライトノベル出身ということで登場人物の設定が思春期だな、とか
甲殻類が襲ってくるというのにちょっと??と思いながら読み始めたのですが
そんな思いを一掃してしまう文章の巧さでした。

魅力あふれる登場人物たちとディティールの細かさで
フィクションでありながらも現実味あふれるストーリーです。
悲しいこともありながら、でもハッピーエンドに終わるので
読了後の気持ちがとても爽やかです。

他の二作品も読んでみたいと思いました。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.91
(4pt)

引き込まれました

本書の番外編を読んでいたのでSFも自衛官話も苦手なのですが
手に取りました。
ライトノベル出身ということで登場人物の設定が思春期だな、とか
甲殻類が襲ってくるというのにちょっと??と思いながら読み始めたのですが
そんな思いを一掃してしまう文章の巧さでした。

魅力あふれる登場人物たちとディティールの細かさで
フィクションでありながらも現実味あふれるストーリーです。
悲しいこともありながら、でもハッピーエンドに終わるので
読了後の気持ちがとても爽やかです。

他の二作品も読んでみたいと思いました。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.90
(4pt)

突拍子もない話だけどおもしろい

飛行機の中で退屈しのぎに読み始めた本でしたが、
はじめのうちは突拍子もない設定でヒキ気味だったのに、
どんどん引き込まれて読みすすめていってしまいました。

後で作家が女性だと知り、なるほどと納得。
女性だからこそ書けるような描写や、胸キュンエピソードも
かなりあって、一時期の「コバルト文庫」を読んでいるような気分になれます。

一部文章や冬原の台詞がクドいなと感じるところがありましたが、
全体的にテンポ良く読み進められました。

3-4時間で読み終えられる本なので、移動中のお供などにオススメです。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.89
(4pt)

突拍子もない話だけどおもしろい

飛行機の中で退屈しのぎに読み始めた本でしたが、
はじめのうちは突拍子もない設定でヒキ気味だったのに、
どんどん引き込まれて読みすすめていってしまいました。

後で作家が女性だと知り、なるほどと納得。
女性だからこそ書けるような描写や、胸キュンエピソードも
かなりあって、一時期の「コバルト文庫」を読んでいるような気分になれます。

一部文章や冬原の台詞がクドいなと感じるところがありましたが、
全体的にテンポ良く読み進められました。

3-4時間で読み終えられる本なので、移動中のお供などにオススメです。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.88
(5pt)

閉鎖空間の中で

横須賀を突如襲った巨大甲殻類。
急な事態に人々は成す術もなく襲われ、食われていく。

日常ではありえない出来事に自衛隊・警察は戸惑い、必死に逃げた海自の青年2人と子どもたちは潜水艦に立てこもりいつ終わるともしれない極限状況の中に身を置いていく。

自衛隊・警察の軋轢。
横須賀基地のある関係でじわじわと圧力をかけてくる米国。
閉鎖空間の中で浮かび上がる子どもたちの関係。

そして、芽生えるひとつの感情。

序盤から生きをつかせぬ圧倒的な展開で読者を取り込む有川浩さんのハードカバー作品を文庫化。
持ち歩きやすくなり、読みやすくなった。

この物語のの御割は非常に気になる形で終わっているが、続きが読みたい方は「クジラの彼」という作品を読んでみることをおすすめする。
春臣、夏木両名の外伝が収録されているのでファンならば必見の一冊だ。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.87
(5pt)

閉鎖空間の中で

横須賀を突如襲った巨大甲殻類。
急な事態に人々は成す術もなく襲われ、食われていく。

日常ではありえない出来事に自衛隊・警察は戸惑い、必死に逃げた海自の青年2人と子どもたちは潜水艦に立てこもりいつ終わるともしれない極限状況の中に身を置いていく。

自衛隊・警察の軋轢。
横須賀基地のある関係でじわじわと圧力をかけてくる米国。
閉鎖空間の中で浮かび上がる子どもたちの関係。

そして、芽生えるひとつの感情。

序盤から生きをつかせぬ圧倒的な展開で読者を取り込む有川浩さんのハードカバー作品を文庫化。
持ち歩きやすくなり、読みやすくなった。

この物語のの御割は非常に気になる形で終わっているが、続きが読みたい方は「クジラの彼」という作品を読んでみることをおすすめする。
春臣、夏木両名の外伝が収録されているのでファンならば必見の一冊だ。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.86
(5pt)

敵はニンゲン・味方もニンゲン

エンタテイメントとして間違いなく面白い。

しかも「敵」は、素手ならいざしらず機械力をもった人間にかなうわけがない・・・にもかかわらず事態は捻じ曲がっていく。そう、敵はニンゲンなのである。

一方で事態に立ち向かっていこうとする人々の素晴らしさもこの作品は描ききっている。そう、それでもニンゲンの味方はニンゲンなのである。

この著者の作品を読むのは初めてだったが、ぜひ他の作品も読みたくなった。

海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.85
(5pt)

敵はニンゲン・味方もニンゲン

エンタテイメントとして間違いなく面白い。

しかも「敵」は、素手ならいざしらず機械力をもった人間にかなうわけがない・・・にもかかわらず事態は捻じ曲がっていく。そう、敵はニンゲンなのである。

一方で事態に立ち向かっていこうとする人々の素晴らしさもこの作品は描ききっている。そう、それでもニンゲンの味方はニンゲンなのである。

この著者の作品を読むのは初めてだったが、ぜひ他の作品も読みたくなった。

海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.84
(5pt)

にんげんっていいな、てかんじ?

なんだかんだといっても、基本純愛に弱いっ!!
子供でも、大人でも、「PURE」に人を好きになるっつーのにめちゃ弱い。
と書くと、これは恋愛ものか?と思われちゃうかな。
ぜんぜん違うんです。
どちらかというとパニックサスペンス+サバイバル的なジュブナイル?←「?」は必ず要る。
なぜかというと、まじめで素敵なおぢさんたち(しかも熱血からシニカルまで取り揃え)と子供たち(それも小学生から高校生まで)と大人の中ではひよっこ扱いの男前(きっとそうに違いないと個人的に思ってます)青年とが入り乱れて「3Mのザリガニ(状のカイブツ以下略)」の大群に対抗するわけですよ。
しかも、それぞれがそれぞれ対抗する相手が違う。おぢさんたちは日本という国の体制と、青年は扱ったこともない子供たちの命の安全と、子供たちは自分の心と。
本当の敵は「ザリガニ」ではない、ところにこの本の面白さがある、と思う。
作者は人の心の動きの描写が上手で、「図書館戦争」シリーズでも、登場人物の描写がリアルで面白かった。
「海の底」でもそうで、大人の事情とそれに忸怩たるおもいを持ちながら、できることを死に物狂いでやる心情とか、子供にとっての死ぬほどつらいこと(大人になったら恥ずかしくなっちゃうような)をどうやって越えていくのかとか、「やさしさ」って本当はどういうこと、とか。
そんな中で私の中で光っているのが「純愛」。まだきっとこの本では「愛」までいかない。「恋」かも知れないけど、最後の数ページが、さいっこーにいい!!
この数ページで、もういちど気持ち悪い甲殻類のとこから見ようかな、と思ってしまいました。
こんな彼ほしい・・・。てか。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.83
(5pt)

にんげんっていいな、てかんじ?

なんだかんだといっても、基本純愛に弱いっ!!
子供でも、大人でも、「PURE」に人を好きになるっつーのにめちゃ弱い。
と書くと、これは恋愛ものか?と思われちゃうかな。
ぜんぜん違うんです。
どちらかというとパニックサスペンス+サバイバル的なジュブナイル?←「?」は必ず要る。
なぜかというと、まじめで素敵なおぢさんたち(しかも熱血からシニカルまで取り揃え)と子供たち(それも小学生から高校生まで)と大人の中ではひよっこ扱いの男前(きっとそうに違いないと個人的に思ってます)青年とが入り乱れて「3Mのザリガニ(状のカイブツ以下略)」の大群に対抗するわけですよ。
しかも、それぞれがそれぞれ対抗する相手が違う。おぢさんたちは日本という国の体制と、青年は扱ったこともない子供たちの命の安全と、子供たちは自分の心と。
本当の敵は「ザリガニ」ではない、ところにこの本の面白さがある、と思う。
作者は人の心の動きの描写が上手で、「図書館戦争」シリーズでも、登場人物の描写がリアルで面白かった。
「海の底」でもそうで、大人の事情とそれに忸怩たるおもいを持ちながら、できることを死に物狂いでやる心情とか、子供にとっての死ぬほどつらいこと(大人になったら恥ずかしくなっちゃうような)をどうやって越えていくのかとか、「やさしさ」って本当はどういうこと、とか。
そんな中で私の中で光っているのが「純愛」。まだきっとこの本では「愛」までいかない。「恋」かも知れないけど、最後の数ページが、さいっこーにいい!!
この数ページで、もういちど気持ち悪い甲殻類のとこから見ようかな、と思ってしまいました。
こんな彼ほしい・・・。てか。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.82
(4pt)

エンターテインメントに溢れた快作

著者の作品を読むのは本書が初めてだが、スピーディかつスリリングな展開、魅力的な登場人物に、自衛隊や警察のあり方やいじめの問題といった社会批評の観点も加わり、面白くて読み応えのある快作であった。

横須賀に停泊する潜水艦に巨大ザリガニの集団がいきなり押し寄せてくるところから始まる。この巨大ザリガニの集団は横須賀に上陸して人間を襲撃し始めたため、主人公の二人の自衛官、夏木と冬原は民間人を救おうと上陸するが、最終的には救出した子供達と潜水艦に閉じ込められる。

ここから物語は、潜水艦という密閉された狭い空間における二人の自衛官と小・中学生との集団生活と、巨大ザリガニの駆除に取り組む警察の2つにわかれて展開される。

潜水艦内ではサバイバル生活が始まるが、小・中学生とその中に一人だけ加わった女子高生の望の中で鋭い対立が生じる。その対立の背景には子供達の家庭事情や過去のいきさつがあり、それが潜水艦という密閉空間の中で微妙に変化していく過程は面白いし、その中で成長していく姿にはエールを送りたくなる。

一方船外では、自衛隊出勤に踏み切れない政府に苛立ちを感じながら、必死に防衛に当たる警察官達の活躍が描かれる。警察組織の枠にはまらない魅力的な人物がこちらも登場し、巨大ザリガニの生態が解明や防衛に取り組む姿は、こちらも読み応えは十分。

登場人物各々に決着をつける終盤部分も見事。結構分厚い作品だがそれだけの内容は詰まっている。高校生の望の初恋の行方もきちんと締めくくられ、気持ちよく読み終わることができた。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029
No.81
(4pt)

エンターテインメントに溢れた快作

著者の作品を読むのは本書が初めてだが、スピーディかつスリリングな展開、魅力的な登場人物に、自衛隊や警察のあり方やいじめの問題といった社会批評の観点も加わり、面白くて読み応えのある快作であった。

横須賀に停泊する潜水艦に巨大ザリガニの集団がいきなり押し寄せてくるところから始まる。この巨大ザリガニの集団は横須賀に上陸して人間を襲撃し始めたため、主人公の二人の自衛官、夏木と冬原は民間人を救おうと上陸するが、最終的には救出した子供達と潜水艦に閉じ込められる。

ここから物語は、潜水艦という密閉された狭い空間における二人の自衛官と小・中学生との集団生活と、巨大ザリガニの駆除に取り組む警察の2つにわかれて展開される。

潜水艦内ではサバイバル生活が始まるが、小・中学生とその中に一人だけ加わった女子高生の望の中で鋭い対立が生じる。その対立の背景には子供達の家庭事情や過去のいきさつがあり、それが潜水艦という密閉空間の中で微妙に変化していく過程は面白いし、その中で成長していく姿にはエールを送りたくなる。

一方船外では、自衛隊出勤に踏み切れない政府に苛立ちを感じながら、必死に防衛に当たる警察官達の活躍が描かれる。警察組織の枠にはまらない魅力的な人物がこちらも登場し、巨大ザリガニの生態が解明や防衛に取り組む姿は、こちらも読み応えは十分。

登場人物各々に決着をつける終盤部分も見事。結構分厚い作品だがそれだけの内容は詰まっている。高校生の望の初恋の行方もきちんと締めくくられ、気持ちよく読み終わることができた。
海の底 Amazon書評・レビュー: 海の底より
4840230927
No.80
(4pt)

心理描写がすごい

前作「空の中」同様に、SF的な要素は「未確認生物」のみであり、あとの世界観はひたすらにリアルに徹している。
ただ今回は非知的生物であって、その辺のやりとりはない。
自衛官が救出した子供たちはみな、家庭の事情なんなりがあって、今回のメインは極限状態での彼らの心理描写となっている。

圧倒的な筆力で描かれるリアルな極限状態。そんな中で交わされる汚い会話。
正直ここまで書かなくでも、と思ってしまうくらい。

特に、生理の件はすごすぎです。
私が男だから、あまりよくわからない領域だからこそ、よりそう感じてしまうのかもしれない。
しかしそれを抜きにしても、かなりの描写力だと思う。
リアルというか生々しい。
ここまで書ける作家さんはあまりいないのではないか。
個人的にはかなり衝撃でした。

そして口のきけない子。その設定の明かされ方。
そしてその後の予想通りの、というよりもそうなって欲しい展開。
べたでもきちんと描写されると感動できるんだな、と思いました。

極限状態の中でも少しづつ誤解が解かれ、さまざまな問題が少しづつ解けていく様子には、ほっとさせられました。
今回はいろいろなテーマというかメッセージが込められていると思う。
メッセージが一つではない。

そして前作よりも、有川さんの作品のいいところ(だと私は思っている)心理描写がいっぱい入っていて、個人的には大満足。
海の底 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 海の底 (角川文庫)より
4043898029