食刻
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ふだん読後感のいいポジティブな小説を読むことが多い。その反動か、そうでないものを読みたくなり、チャレンジする気持ちでこの本を手にした。期待を裏切らないおぞましくて苦しくてやりきれない物語。なのに、とても美しかった。文もストーリーも主人公も、なんて美しく清廉なんだろう。ラスト、ミステリーじゃないのにこの衝撃。しばし呆然。私の日常とは対局の、これぞ究極の読書体験だった。 | ||||
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いわゆる二度読み必須のタイプの話で、描いていた絵が全く違う絵に変貌するラストにはとても驚かされました。でもそこだけで語られるのはもったいない作品のように思います。重苦しい展開の中で連ねられる過激で繊細な数々の言葉は、いつのまにか心に入ってきてまとわりつくような魅力があり、二度とは言わず何度も読み返したくなります。読み返すと伏線がたくさん隠されていたことにも気付きます。読後は食刻というタイトルが重く響いてくると同時に、カバーデザインの秀逸さにも気付かされます。 | ||||
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「他のお客様が知っておくべきことは何ですか?」 上記はAmazonのレビュー書き込み中に表示される一文だが、この作品について、未読の読み手が知っておくべきことはそう多くない。というか、むしろあまり知らない状態のまま本書を読み初めて見てほしい。 読書とは時に旅に例えられるが、今作を読み始めたとき、私は仄暗いトンネルを想起した。片田舎にある車通りの少ないトンネルだ。山をくりぬいたような場所にあり、つたは生い茂って灯は乏しい。 だがその暗闇を分け入って進んでいる途中、不思議な熱を私は感じる。白熱電球の熱にじりじりと肌を焼かれているような熱を。そして現れる湿度、底知れぬ怯え、恐怖にハッと気づく事になる。トンネルだと思っていたそれは、巨大な蛇の口腔だったのだ。 しかし気付いたときには既に遅い。物語に呑み込まれた今、引き返すことなど出来るはずもなく、その物語を読み進めざるを得なくなる。その暗闇に満ちた胃液に徐々に全身を腐蝕されながら。 そしてこの本を閉じるとき、どろどろに溶けきった身で今一度道を振り返ると、今しがた読み終えた作品の異常なまでの熱と暗闇、そしてそれに溶かされてしまうことの心地良さに気付くことだろう。 本書はジャンルの垣根を、もっと言えば娯楽の垣根を遥かに超えた名作である。 本書が多くの人の目に触れ、語り継がれることを強く望む。 | ||||
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