廃墟ホテル
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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バングラデシュの密林など世界の自然を舞台に冒険・スパイ小説を繰り広げていたマレルが21世紀に選んだ冒険の舞台はなんと廃墟。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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真夏の夜には、やはりホラー小説が一番! 怖いホラー小説でも読んで背筋をゾクゾクさせ、 少しは涼しくなるかと本書を選んだ。 作者デイビィッド・マレルは最近はホラー作家へ シフト・チェンジしてきたのかな? 「ランボー」の小説三部作を過去に読んだ経験有り。 バリバリのアクション作家だったマレル。 久しぶりに読むマレルの作品。 果たしてどのようなホラー作品を書き上げたのか 興味シンシン。 出だしはなかなかのゾクゾク感。 きっと何か恐ろしいものが出てくるぞ。 ええっ!? やっぱりアクション小説だったの? | ||||
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「真夜中に捨てられる靴」がおもしろかったので、この作家の長編を読んでみたいと思い、読みました。 でも、なかなかおもしろくならない。 主人公がタフガイなので、ちょっとぐらいの悪が出てきても、危機感がイマイチ高まらない。 やっと本物の敵が出てきてスリリングになるけど、そこまでが少々長いです。 それと、舞台になるホテルの構造がよくわからなくて、主人公がいまどこにいて、どういう状況にあるのかが把握できませんでした。 「階段」はどれも「階段」、「タンク」はどれも「タンク」と書いてあって、それは原文どおりなのかもしれませんが、「どこそこの秘密通路の階段」とか、「何々のタンク」とか書いてもらえると、もう少し混乱せずにすんだと思います。 「バルコニー」とか「廊下」も、どこを指すのかよくわからなかった。 「真夜中に……」を読んだ限り、この作家の真の実力はこんなもんじゃないと感じます。 「あとがき」にあったミステリ三部作を読んでみたい気がします。 | ||||
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ヒット映画『ランボー』の原作者デイヴィッド・マレルによる、ホラー・サスペンス。 ’06年、「このミステリーがすごい!」海外編第18位にランクインしている。 かつての繁栄の名残として、地方都市アズベリーパークに佇むパラゴン・ホテル。オーナーだった大富豪カーライルは、海運会社の御曹司で血友病患者だった。彼はこのホテルを古代マヤ文明のピラミッドを模倣して設計し、自らその頂上のペントハウスに住んだ。 ストーリーは、打ち捨てられた廃墟を専門に、違法に探検する、“クリーパー”と呼ばれる、大学教授とその元教え子たち一行と一緒に、表向きは新聞記者として、取材の名目でこのホテルの探検に同行した主人公の一夜の冒険物語である。 はじめのうち、読者は、登場人物たちと一緒にこの不気味な廃墟ホテルの探検行に、‘怖いもの見たさ’で参加することになる。やがて、大富豪カーライルが、とんでもない事実を封印したままこのホテルを閉鎖して亡くなっており、また、別の一団がホテルに潜入していることが分かるに及んで、事態は急展開を見せ、単なる探検物語ではなくなってしまう。 ただ本書は、閉鎖されて久しいホテルから、いきなりブロンドの女性が現れたり、謎の男が住んでいたり、やや荒唐無稽な感は否めないが、単にグロテスクで暴力的な不気味さを強調する“劇画的”なホラーものに堕すことなく、前半を純粋な探検もの、中盤を宝探しと別の窃盗グループの登場、そして主人公の正体と真の目的が明らかになり、後半がアクション映画ばりのサバイバル調となる、という具合に、最初から最後までを一気読みさせるエンターテインメントにしているあたりに、デイヴィッド・マレルの実力がうかがえる。 | ||||
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ゴーストタウンに聳え立つ7階建てのマヤ文明に残るピラミッドを模したホテル。最上階に住んでいた創業者はエキセントリックな人物で、いろいろ怪しい趣向をホテル内に張り巡らせていた。新聞記者と都市探検隊の一行はヘッドライトと懐中電灯を頼りに建物内を探索する。表紙のおどろおどろしいタッチを見るにつけ、行く手には何かとんでもないことが起こるに違いないと期待してしまう。登場人物たちには申し訳ないが期待は裏切られなかった。スピーディに展開していくのでサクサク読める。序盤に奇形のネズミが登場するので「そっち方面」に話を持っていくのかなあと思っていたら、サスペンス色がどんどん濃くなっていく。終盤の畳み掛ける展開はアクション要素満載でスリリングだ。そういえばビデオゲームでも「零」とか「弟切草」とか「バイオハザード」など廃墟を巡るものは面白かったことを思い出す。 | ||||
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昨年あたりから日本で再評価されはじめた、デビッド・マレルの新作。都市探検者と自称する、廃墟好きの一行が遭遇する恐怖の一夜を描いた意欲作である。2006年という現在において「モダン」なホラーであると同時に、極A級のAFでもあるのであったよ。 舞台となるホテルは唯の廃墟ではない。血友病の故、生涯引き篭もって暮らした大富豪が、夢見ながら実現できなかった海外への憧れと歪なエキゾチズムをアステカのピラミッドを模した超高級ホテルへと結実させた。20世紀初頭の出来事だ。 そして彼は、自分のホテルのペントハウスに引き篭もりつつ、ホテル内に設えた全客室に通じる秘密通路から宿泊客の生活を覗き見る。そして、60〜70年代の動乱の時代を経て、近代アメリカ社会を看取るかのように、オーナーは自殺していたのだった。 営業を停止してもなお、管財法人によって取り潰されるでもなく手を入れられるでもなく、野ざらしにされたまま今日に至る「廃墟ホテル」。その中には、ホテル内に取り残されたまま、三十年に及ぶ近親交配の末奇形化した猫や鼠が巣食っている。 物語前半で語られる廃墟ホテルの描写は、21世紀の幽霊屋敷を連想させるおぞましさに満ちている。そして、廃墟の闇を闊歩する恐怖の正体とは。。。。 いやもう、この「恐怖の正体」というのがね、アイデア、構成ともに「やられた!」という嬉しい裏切りがザクザクと心地よい。いや、ホラーだから心地悪いと言うべきだな。 主人公のキャラクター造詣は、悪く言えば「ランボー」から一歩も出ていないとも言える。だが、フィクションにおけるヒーローの資質は、過去を乗り越え現在と対峙する克己の強さにこそあるわけで、そういう意味では、マレルの手法もテーマ性もなんら間違っているわけではない。 恐怖に曝される一瞬一秒の刹那を「今」と呼び、「今」を生きる事に全力を傾ける主人公の姿は、ビターだけれども熱い感動を呼ぶのだ。 | ||||
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