とうへんぼくで、ばかったれ
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23歳と42歳の交際は、お互いのエネルギーの差がズレとなったのを滑稽に描いていて笑ってしまった。 吉田のエノマタさんと付き合えた時点で「あがり」を連想する性格と、常に受身のエノマタさんの交際は、気力の差が作品に溢れているから面白いのかもしれない。 | ||||
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二十三歳、道産子、生娘の語り手が一目惚れしたのは見かけはパッとしないが彼女には仙人のようにも見える四十代の独身男。地元でストーカー(もどき)を繰り返し、彼の会社が潰れて伝手を頼って上京すると、すかさず彼女も親を口説いて上京した。そして己の存在さえもまったく知られていないところから追っかけの恋路が始まった。 「金瓜」四十代独身男の章。生活時空が語られる。 「寝よだれ」最愛のゴールデンハムスターと別離し、独り東京へ向かう彼女。最初のバイト先でいきなり彼に遭遇し…… 「あからさま」彼の勤める教育文化センターに図書を借りに行く彼女の日々。そして…… 「じゃばら」十日に一度の彼との居酒屋デート(食事?)を彼女は手に入れて…… 「ばかたれ」彼の友だちと彼女の成り行きの同居人4人で行ったダブルデートのその後に…… 「けだし君かと」『馬の音のとどともすれば松蔭に出でてぞ見つるけだし君かと』の心境を噛み締める彼女…… 「すごろく」現実と理想のギャップ。そんなことわかっているさ。『あがり』は何処(いずこ)? 「はしばしの」弟が出来婚をして親が二世帯住宅を作るも、そこに彼女の居場所はないのであった。 「麝香」四十代の独身男の章。彼の側からの彼女の感慨が描かれる。 総じて金瓜の匂いをさせていた若い生娘がいつしか男に麝香の匂いを感じさせるようになるまでの物語。が、それを好まない男もいるのだ、一意専心過ぎて…… 読み終わるのが惜しくなるような、それでいて色々と残念な(でも悪い意味じゃない)佳作。朝倉さんの諺趣味が生きている。 | ||||
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性別不明の語り口に「ん?」と思いながら読み進めていくと、どこかにいそうな人たちが次々登場してきます。 吉田の恋を応援しつつ、でも、実際こんなに行動的なら怖いよなと心配もし。 人物設定に現実味が感じられるので、話にすぽっと入っていけます。(吉田は現実にいたら、どうだろう…) 特に、吉田の脳内独り言は共感できることばかりで、作者はうまいこと表現するもんだなあ、やっぱり作家だなあと 感心します。 男と女の温度差というか、恋する者と対象者の温度差というか、私は「そうそう!」と、膝を打ちたくなるような 内容でした。 吉田、エノマタ、りえぽん、など誰に肩入れするかで評価は変わるかもしれませんが、人との関わりに興味が あるならば読んで思うところはあると思います。 「とうへんぼくで ばかったれ」タイトルもそうそう、そのとおり! 朝倉かすみさん、これからも楽しみです。 | ||||
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さえない独身中年男エノマタさんに一目惚れし、一心に愛し続ける吉田。愛にすべてを捧げ、職場も辞めて友や家族と別れ、東京にいったエノマタさんの跡を追う――唯一の問題はエノマタさんが吉田の存在を認識していないこと。愛に焦がれた純真ストーカーの、どこかおかしな物語。 エノマタさんを一方的に愛する吉田も、女心に疎く翻弄されるままのエノマタさんも、吉田の友人である前田もりえぽんも、みなどこかしら“残念”な人たち。作者さんは得意のユーモアとペーソスで優しく包みながら、残念な登場人物たちの上手くいかないことが多い日々を丁寧に描いている。些細な表現もおもしろく、終始どこかでクスリと笑わされてしまう。 読み終えたとき、登場人物の誰も彼もが残念で愛おしい存在になっていた。残念さんたちに幸あれと思う。 | ||||
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