相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km
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相棒 劇場版 絶体絶命!42.195kmの総合評価:
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この作品ではイラク日本人人質事件が題材となった。人質事件での日本政府の対応、マスメディアの過剰報道、それに乗じた国民的なバッシングに対する問題提起がなされていた。大ヒットが当然視されている人気ドラマの劇場版で、世論を二分した社会的事件を題材にしたことは純粋に評価できる。 この作品の社会派としての特徴は、単に現実に起きた事件をなぞっている点にあるのではない。日本人・日本社会の底流にあるものを鋭く批判している点にある。本作品が痛烈に批判しているのは日本人・日本社会の非歴史性である。それは過ぎたことにこだわらないことを是とする体質である。過去を水に流す性質を美徳と捉える向きもあるが、暗い過ちを記憶にとどめることなしには学習も進歩もあり得ない。 批判の矛先は政府や行政にとどまらない。過熱報道を行うマスメディアや、それに乗せられた国民も同罪である。作品中では報道被害の経験者が「マスメディアも国民も散々バッシングしておきながら、時が過ぎるとパタッと報道しなくなった。まるで事件が存在しなかったかのように」と憤る。 非歴史的な日本人的発想では「いつまでもネチネチと批判を続けないことが美徳」と勘違いした理屈で正当化するかもしれない。しかし本来、他者を強く批判をするからには、それなりの理由と信念が存在すべきである。時の経過によって簡単に薄まるようなものではない筈である。逆に、確固とした理由も信念もなく、いい加減な気持ちで流行のようにバッシングされたならば相手は浮かばれない。ところが、それが日本の実態である。 大した理由も信念もなく、一過性の流行に乗ってバッシングする。内心では行き過ぎであると分かっているが、自分達の行為を直視する勇気はない。だからバッシングはやめるが、過去を反省することなく、事件が存在しなかったかのごとく振舞うしかない。まるで報道被害者も報道被害のことは忘れて明るく明日へ向かって歩むことが幸せであるかのように。 記憶にとどめることも反省もしない非歴史的な日本社会に対する絶望的なまでの怒りが強く感じられた。残念なことに非歴史性は日本社会の根幹をなしているといってよいほど巨大なものである。そもそも戦後日本社会自体が戦争責任をウヤムヤにし、焼け野原から経済大国にしてしまうような前に進むような発想だけで成り立ってきたと言える。もっと遡れば本気で攘夷を叫んでいた筈の維新志士達が文明開化を主導することで明治日本が生まれた。 それだけに日本社会の非歴史性を語るならば絶望も怒りも大きくなる。それに正面から取り組んだ劇場版1作目が見終わってスッキリするような誰もが満足するハッピーエンドとなり得ないことは、ある意味当然である。人気ドラマ『相棒』の映画化である以上、娯楽性の制約はある。日本社会を全否定できない娯楽作品でありながら、日本社会の抱える根本的な問題に向き合った制作者のチャレンジ精神に心から敬意を表したい。 | ||||
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相棒にはまって、DVDまでは待てないので本を購入してしまいました。 結局DVDもみちゃいましたが・・・・ 時事問題というかそういうのも織り交ぜてるドラマなのでとても刺激を個人的には受けます。。。 | ||||
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5月1日により全国公開され、3ヶ月に及ぶロングラン大ヒットとなった映画『相棒‐劇場版‐』(監督:和泉聖治、主演:水谷豊)のノベライズである。 都内で謎の連続殺人事件が発生、その現場には不可解な記号が残されており、さらに犯人のターゲットとなった3万人のランナーと15万人の大観衆でひしめき合っている大規模なマラソン大会会場の現場に向かう右京と薫! 今回は、処刑リスト、Sファイル、東京ビッグシティマラソンといった多くの要素が含まれており、まさに劇場版に値する壮大なスケールでの大事件を展開する物語になっている。その基となっている挿話として、実際に起こったイラク日本人人質事件(2004)をモチーフにしたストーリー設定を用いており、本作の中でもその挿話を巧みに織り交ぜている。 また映画化にあたり、オタクで内向的な鑑識人・米沢、「暇か?」の角田課長、常に特命係を邪魔者扱いにするトリオ・ザ・捜一といった警視庁面々のレギュラー陣は元より、実直であるがゆえに常に失態を犯す警部補・陣川公平、人の心を失わない敏腕女弁護士・武藤かおり、宗教的な見地から死刑を断じて執行しない元法務大臣・瀬戸内米蔵、スキャンダルを飯の種に政治家周辺を嗅ぎまわる院内紙記者・鹿手袋啓介、若手のホープであり裏ではダークな一面を持つ二世議員・片山雛子、といったドラマで強烈な印象を残したゲストキャラの登場などまさにオールキャストにふさわしい作品となっており、私も『劇場版』を拝見したが、『相棒』らしい物語の展開となっており、大変面白かった。 本書は、その劇場版のノベライズ化であり、物語も映画に沿った内容となっているものの劇場版との差をつけるためにラストを改変しており、劇場版をご覧になった読者が読んでも楽しめる内容となっている。 できれば、私が『相棒』に嵌まったきっかけとなった『バベルの塔』の挿話も是非、完全ノベライズ化してほしい。 | ||||
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面白くないことはありません。映画を観てから読んだ感想としては、映画では説明が 足りなかった部分を補うような描写もあり、補完的な役割もありました。 ただ、背景描写が安っぽいというか…。チキンラーメンと牛丼が好きな犯人とか。 著者は読者をつかんだつもりなんでしょうけど、陳腐だなぁと。 あと、ウィキペディアを引き合いに出す右京さんとか、普通あり得ない。 最初の被害者が見つかるまでの、やけに詳細な情景・心理描写も、あのあとその人物が 物語で生きてくるのかと思ったら、別に登場するわけでもなく、 あそこまで全く無関係の家族の状況を書く必要があるのか、非常に疑問。 著者は、必死に現実味を持たせる努力をしたのでしょうが、どうも実力的に 今ひとつという印象がぬぐえませんでした。 | ||||
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小説を読んでから,映画を見ました。正直,犯人や動機の意外性は小説の方が面白いと感じました。西田・水谷二人の接見の迫力や,亀・伊丹コンビの水上アクションは動画ならではですが,心情面が映画では大分カットされているので残念。「お前ほど強くない」という官房長の台詞にはどきっとしました。単なる正義感ではない,「真実」の重みを語る異なる立場の二人をよく書けていると思いました。賛否両論ある過去話も,杉下さんの徹底した言動・思考を裏付け,台詞に重みを増したと思います。しかも,あっさりばれないところが謎を呼んで味深い・・・単なる映画の焼き直しではない,型にはまらぬ「相棒」らしいノベライズで買って良かったと思いました。 | ||||
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