(短編集)
ガレキノシタ
- 災害小説 (33)
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突然、高校の校舎が崩壊した。数多くの命が一瞬で奪われた一方で、瓦礫の下で生き残った生徒と教師たちがいた。ガレキノシタで生き残った人たちの、極限状態に置かれた七通りの短編型ストーリーだ。帯には「極限状態型青春小説」と謳っている。作者の着眼点がいいし、面白そうな感じがする。 しかし、残念な点が一つある。七つの短編型ストーリーうち、最後の七話だけは完結されて終わっているが、一話~六話の話しは中途半端な形で終わっている。本当はその先を知りたいのだが、まさに強制終了されたような感じだ。どうしても不満が残る。評価を下げたい。 | ||||
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これまでの作者の経歴を振り返ると、良作、ヒット作と呼べるものはまだなく、 「シャンプーが目に沁みる」などは本当に駄作で驚いた物だし、 そんな前例もあり、正直この小説にも期待していなかったんだが… 結果としては、余りにも面白くて驚いた。 山下、覚醒した? 今までの作品とは完成度が違い過ぎる… 【オリジナリティ】 飛びぬけている。瓦礫の下の青春をテーマに、エピローグ以外全シナリオを瓦礫の下で描写するという画期的な物語。 当然一歩も動けず寝そべったままなので、ストーリーを動かすことが困難なのに、実に上手いストーリー展開で、見事に書き切っている。 ストーリーのいくらかは、会話と回想によって織り成される。 私もこの題材の本は多分初めて読んだ。映像作品でなら、ドキュメンタリー番組などで結構あったが。 ちなみに、巻末の書評にもあるが、この小説の着想は3.11ではなく、韓国で実際に起こった事件、事故。 【評価点】 オリジナリティに加え、高い構成力。各章が密接にリンクしており、全てのシナリオが最終章~エピローグにも登場する直人へと直結していること。 文章力やセンスも突出して素晴らしい。 登場人物も面白い。直人はいかにも型破りな天才主人公という感じ。 【イラスト】 表紙はトマル。このキャラは則子?と思ったが、そもそもこの高校の制服はブレザーだし、 制服も破れていないし、特徴が一致しないので、単なるイメージイラストなのだろう。トマルは、この小説を読んでもいないのだろうな。 HPにそっくりなキャラの絵もあったしね。正直絵や画風は商業にも関わらず、作者が個人的に描いた絵ほど魅力を感じない。 【問題点、欠点】 ・作中で時間が経過する要素がほとんど物語に関係ない。 ・リアルか?といえばそうでもない。数日間1度も用を足さなかったりね(瓦礫の下でやらかすと地獄だろう) ・そしてこれが一番の欠点だが…正直最終章とエピローグでは萎えてしまった。親友キャラが実は生きていたというご都合主義は、これまで感情移入してきた中で、非常に萎える要素だった。ここは素直に死んでおかせたほうが高いテンションで読了できた。最後の最後で萎えてしまったので、★5こそつけているが、実際には大満足とはいえない。最終章とエピローグは落第点だが、それ以外は満点。 ・どうせならエピローグには助かった主人公全員を出して欲しかった。若菜は病院にいなかったが、直人が障害者になり、気持ちが冷めたのだろうか? | ||||
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個人的に昨年度No.1の作品。 突然の学校の崩壊。瓦礫の下という絶対絶命の状況で、最後まで希望を持ち続けている各章の主人公たち。 全章が傑作だ。 いつまでも読み継がれてほしい。 文句なしの満点。本屋で埋もれていくのが残念だ。 | ||||
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私立高校の校舎が倒壊し、そこに生き埋めにされた生徒や教師たちの物語。 といっても、みんなで力を合わせて生き抜くというような話ではなく、 それぞれが独りか二人で閉じ込められて、お互いに語り合ったり、 中にはケンカに近いようなことがあったりしながら救助を待つというストーリー。 短編集だが、どれもそれなりのクオリティに達しているので読んで損した気分にはならない。 ただ、なんというか……。 伊坂幸太郎が好きな人なら面白いと思うだろうなぁ、という感想を抱き、 つまりは、伊坂幸太郎にすごく似ていることなのだが、ネットで調べると確かにそういう評価も多い。 著者にこだわることなく、伊坂風の小説が読みたいと思う人にはお勧め。 | ||||
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とある私立高校の校舎が、3時間目が終わった直後の休み時間に、突然崩壊。多くの生徒と教師が瓦礫の下に閉じ込められる。閉じ込められた生徒と先生がこれまでの現実と向き合い、自分を見つめ直す物語である。七話とエピローグから成り立っており、それぞれの話の主人公は別人なので、つながりのある短編集でもある。 母の死以来、ほぼ一年、口をきいていなかった双子の兄弟が一緒に閉じ込められ、色々話すことによって、和解する話。親の浮気で親友と別れてしまった少女が、偶然元親友と一緒に閉じ込められたことによって、わだかまりがとれ、寄りを戻す話。いじめられっ子が苛めた相手に復讐する話。一人で閉じ込められたサッカー部のマネージャーがこれまでを回想する話。これまで誰にも心を打ち明けなかった不良少年が、偶然一緒に閉じ込められた先生と話すうちに、自分が現実から逃げていたことに気付き、本気を出すことを決意する話。末期癌の父親を力づけるために、母と妹と「いつも笑顔でいよう」と約束した少年の話。嘘つきの小学生とどの話にも登場する北野君(第一話から第六話までは回想だが)の話。意外なオチがあって、ドキッとさせられる話もあった。 北野君の存在がよい。毎年、三年生が新入部員をしごくサッカー部の悪しき伝統を廃止したり、生徒が自殺したのに他人事のような校長を皆の前で殴ったり、地球の平和のためには宇宙人の襲来が必要だから、宇宙人を探そう、と真顔で級友達に提案したり、嘘つき少年に「嘘を本当にするよう、努力すればよい」「優しい嘘もある」「最低の嘘をついたときは、頭を下げて謝ればいい」と励ましたりする。 現実を見つめるストーリーだが、宇宙人の存在を感じさせたり、ファンタジーの要素もあるところが良い。 | ||||
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