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書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.58pt

レビュー数350

全350件 1〜20 1/18ページ

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No.350
(10pt)

晴れの日の木馬たちの感想

工女の成長物語に留まらず、日本文学と西洋美術を愛する者に大きな感動をもたらす作品といえる。実在の人物がところどころに登場するのは著者の得意とするところ。また主人公は著者自身をモデルにしたと思わせるストーリーも微笑ましく、どこを取っても胸を打つシーンが読んでいく楽しさをもたらしてくれた。
著者らしく西洋絵画の描写がその絵をまさしく見ているかのようにわかりやすく、これは著者でしか描けない作品だとまで思わせてくれた。テーマ的にも今年最高の感動作といって過言ではない。
原田マハ:晴れの日の木馬たち
原田マハ晴れの日の木馬たち についてのレビュー
No.349
(9pt)

重力ピエロの感想

家族、兄弟をテーマにシリアスながらもユーモラスな表現もところどころに出てきて読みやすい作品。著者の作品は長編は初めてだが、著者らしい世界観が網羅されているのだろう。

'26競馬のオークス効果で爆売れしてるとのこと。(優勝馬名ジューリョクピエロ、今村聖奈騎手が日本人女性騎手として、初騎乗初制覇を達成!)

競馬とは直接関係ないが(親子で競馬場へ行くシーンは出てくるし、馬主はこの辺を意識して愛馬に命名したか?)、思わぬきっかけで読んでもらえるのは素晴らしい体験。こういう私もそれがきっかけだし、よい読書体験をさせていただいた。
伊坂幸太郎:重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂幸太郎重力ピエロ についてのレビュー
No.348
(9pt)

誓いの証言の感想

蕃永石をめぐる人間模様がみごとに胸を打ってくる。それぞれが自分の信じた方向へ進もうとするのだが……特に終盤の法廷場面は読み応え充分。結末まであっという間に読ませていただきました。柚月さんの作品にはいつも感動させられますね。
久しぶりの佐方貞人だが、これまでの作品と比べると、彼も年をとったんだなぁと思わせるシーン・言動が見受けられる。それもリアリティをもたらす要因か。
柚月裕子:誓いの証言
柚月裕子誓いの証言 についてのレビュー
No.347
(8pt)

やっぱり犬は知っているの感想

ファシリティドッグのピーボが、事件の真相を理解しているかのように、捜査にいき詰まりそうになると、彼の動作が解決のヒントを与えてくれる。「事件」だから仕方がないのだろうが、警察内部の闇の部分が本当にありそうで、全編胸くそ悪い雰囲気が流れているが、ピーボがそれを和らげてくれている。
その辺を読み取ってもらう狙いとしてあるのかな?
大倉崇裕:やっぱり犬は知っている
大倉崇裕やっぱり犬は知っている についてのレビュー
No.346
(9pt)

英雄の条件の感想

テーマがドーピング疑惑だけに、シビアなストーリー。野球界にはびこるシリアスな問題にここまで突っ込んで描かれた小説は著者ならでは。現実には起きてもらいたくない問題ではある。
本城雅人:英雄の条件 (新潮文庫)
本城雅人英雄の条件 についてのレビュー
No.345
(8pt)

犬は知っているの感想

セラピードッグとは少し異なるファシリティドッグのピーボ。その任務は初めて知った。犬にその任務をさせることには賛否あるだろうが、犯罪捜査における彼の活躍は目を見張るものがある。ハンドラーの笠門の少々居丈高な物言いは少し気になったが、犬好きには納得の5篇ではないかな。続編も出てるから読んでみよう。
大倉崇裕:犬は知っている
大倉崇裕犬は知っている についてのレビュー
No.344
(8pt)

ハイ・フィデリティの感想

レコードショップを営む主人公・ロブの女性遍歴、仕事仲間との不和……。彼の情けなさを見てると、自分に重なる部分が少なからずあり、共感を覚えることしきり。でも年代的にもよく知る音楽やアーティスト、映画のタイトルが多数登場。音楽の脳内再生を繰り返しながら読むと、なんともいえない快適さを感じた。洋楽をさらに聴いてみたくなる欲をかき立てる後押しもしてくれた。また、訳者によるあとがきは実に秀逸。
ニック・ホーンビィ:ハイ・フィデリティ (ハヤカワepi文庫)
ニック・ホーンビィハイ・フィデリティ についてのレビュー
No.343
(8pt)

ぼぎわんが、来るの感想

さすがホラー小説大賞受賞作品だけあって、これぞザ・ホラー小説。こういった作品は現実感は必要なく、いかにホラー色を文面で表現するかにかかってくるのだろう。日本古来の伝承も巧みに絡め、この世界観を小説という文字だけで表現したのは賞賛に値する。(しかしホラー小説を映像化すると途端に安っぽく感じてしまうのはなぜだろう。)
澤村伊智:ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
澤村伊智ぼぎわんが、来る についてのレビュー
No.342
(8pt)

とどけチャイコフスキーの感想

約2年半ぶりの岬洋介シリーズ。
ロシア・ウクライナ情勢と音楽ミステリをうまく融合。前半はミステリ部分が大半で、岬洋介もあまり顔を出さなかったが、後半で本シリーズ特有の演奏シーンが登場しひと安心。著者お得意のどんでん返し(?)もまずまず。
ミステリ部分もさることながら、演奏シーンは本シリーズの特徴でもあるから、次回作でも期待しています。
中山七里:とどけチャイコフスキー
中山七里とどけチャイコフスキー についてのレビュー
No.341
(9pt)

プラスティックの感想

約10年ぶりに読んだ井上夢人。30年程度前の作品ということで時代感はあるものの、その構成、54からなるファイルの意味、半分程度読み進めたところで判明してくる真相etc…
さすがは井上夢人!と感銘をうける。氏の最高傑作といっても過言ではないだろな。最近になって再評価されているのも充分うなづける。
本文に出てくるとある海外の作品もぜひ読んでみたい。

井上夢人:プラスティック (講談社文庫)
井上夢人プラスティック についてのレビュー
No.340
(9pt)

百年の時効の感想

昭和、平成、令和と連綿と続く複雑な事件を追う奥の深い、骨太な小説。それぞれの時代の誰の記憶にも残る象徴的な出来事や事件を絡めて、リアリティ溢れる作品だった。「百年」の長さ・重さを思い知ることができた。
登場人物では、鎌田と藤森の両刑事が特に印象的。藤森菜摘にはどこかで再登場してもらいたいな。
伏尾美紀:百年の時効
伏尾美紀百年の時効 についてのレビュー
No.339
(9pt)

ロスト・トレインの感想

コアな鉄オタは、こういった鉄道をテーマにしたファンタジーミステリを素直に受け入れるかな?現実感は皆無だが、幻想的な世界に誘ってくれる鉄道小説として、読み心地よく、各場面が丁寧に描かれていて好感がもてた。代表的な鉄道小説として心に残るであろう作品でした。
中村弦:ロスト・トレイン
中村弦ロスト・トレイン についてのレビュー
No.338
(8pt)

源家物語の感想

歴史好きは源義家をどう見るか。数々の戦で功績を残した武士か、極悪人か。本作を読めば義家の生涯に感銘を受けるのではないか。教科書にはまず出てこない義家とその近親たちを描くのが巧みな著者により、その魅力を堪能できた。
真保裕一:源家物語
真保裕一源家物語 についてのレビュー
No.337
(9pt)

乱れからくりの感想

評価の高い著者の代表作だけあって、ストーリー仕立てには感銘を受けた。
時代感はあるものの、完成度は高いと思われる、
洞窟の場面はどこか横溝正史の世界を感じさせられたのは私だけ?
泡坂妻夫:乱れからくり【新装版】 (創元推理文庫)
泡坂妻夫乱れからくり についてのレビュー
No.336
(8pt)

読むと死ぬ本の感想

言ってみれば、「ザ・モキュメンタリー」あるいは「ザ・ホラー小説」。タイトルからして興味を持たせはするが、現実感はなく、怖がらせ感をこういう形で表現したのだな、と。モキュメンタリーとしての完成度は高いが、結局はごく当たり前のこと(人は必ず死ぬということ)を回りくどく言ってるだけ、とも取れる。
彩藤アザミ:読むと死ぬ本
彩藤アザミ読むと死ぬ本 についてのレビュー
No.335
(10pt)

虚池空白の自由律な事件簿の感想

〈自由律俳句の伝道師〉虚池空白が「野良句」と呼ぶ自由律俳句に秘められた謎を解明していく連作短編。句に秘められた謎解きは、暗号解読ミステリとの融合ともいえる。いつも自由律俳句を投稿している自分としては、楽しみながら参考にさせてもらった。少なからず句創りに役に立つ作品だった。
森晶麿:虚池空白の自由律な事件簿
森晶麿虚池空白の自由律な事件簿 についてのレビュー
No.334
(10pt)

殺し屋の営業術の感想

乱歩賞史上最高といってもいいほどの完成度。通常殺し屋は敵役で最期はやられるものだが、これはいわば敵役vs敵役、正義の味方が出てこないダークな世界でのダークな展開。リアリティ云々は言いっこなし、プロの営業マンと殺し屋稼業をミックスさせた完全なフィクションだからこそ最後まで楽しくハラハラできた痛快作なのである。鳥井と鴎木の対決が実に痛快!
勧善懲悪ならぬ勧悪懲悪!?
野宮有:殺し屋の営業術
野宮有殺し屋の営業術 についてのレビュー
No.333
(9pt)

走らなあかん、夜明けまでの感想

大阪を舞台にした面白い作品を検索して行きついた。心の故郷・大阪の地名がふんだんに出てくるし、弱虫ヒーロー・坂田がヤクザ相手に活躍するし、たった一晩でそこまでできるか?とも思うくらい、いろいろ起こるけど、理屈抜きで楽しい作品でした。
「坂田勇吉シリーズ」、次も読んでみよう。
大沢在昌:新装版 走らなあかん、夜明けまで (講談社文庫)
大沢在昌走らなあかん、夜明けまで についてのレビュー
No.332
(8pt)

砂の女の感想

現代人たちは、今の状況、どこか閉塞感を感じながら現状に甘んじ、諦念を持って生きているのだろうと思う気持ちが強くなった。何とか現状から逃れたいと思うが、簡単ではないので今の状況に甘え、諦めているのである。(諦めきれずに逃れたいがその方法を間違う輩は犯罪を犯すのである)そんな現代人の心理を比喩的に描いた本作、名作といわれる理由がよくわかる気がした。
安部公房:砂の女 (新潮文庫)
安部公房砂の女 についてのレビュー
No.331
(9pt)

飛越の感想

あまり注目されることの少ない障害レースに命を賭ける2人の障害騎手と2頭の絶対王者。どちらが真の王者か、人間と馬の壮絶なドラマが胸を打つ。
平地以上に危険と隣り合わせのレースシーンもさることながら、レースにかける騎手の心情、クセ強の馬の癖馬っプリがしっかりと伝わる。
最後の2頭と2人の死闘は圧巻。(2人の女性のキャラは可愛げがないのが草(>_<)
あの障害王者・オジュウチョウサンを思わせるところもあってリアリティ十分。
馳星周:飛越(ジャンプ)
馳星周飛越 についてのレビュー