レビュー一覧
ニコラス刑事 さんのレビュー一覧
ニコラス刑事さんのページへ 全324件 101〜120 6/17ページ
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主人公になっているような形式のミステリでは完全にアウトなトリックです。しかし、この本は1924年の作品です。あの当時これを読んだ人はどれほどの衝撃を受けたことでしょう。物語構成の巧みさ、人物造形と心理を語る丁寧な文章。
すっかり物語の世界に入り込んでしまいます。恋に落ちた二人の心情は読んでいるものには何の違和感もなく納得させられます。熱々の恋愛関係から結婚となって二人で暮らす実生活からの些細な亀裂の種。二人の生活と周りの人物たちとの
係わりや距離と影響を及ぼす人たち。しっかりと丁寧に描かれていますのでこの部分だけでも読んでいて楽しめます。ニコル・ハートは私立探偵で主人公の親友でもある。親友の窮地を救うために事件を調べ始めるが、途中で奇想天外な
仮説を思いつく。まさにあり得ない仮説であるが、それ以外には説明がつかないともいえるのが告発の手紙の存在である。告発の手紙はどのような意味があるのか、それがこのミステリの芯になるところで良く考えられたところでもあると思います。いろんな本でこのトリックのバリエーションを読んだものですが1924年であればさぞ驚いたことでしょう。読みやすい新訳で出ているので古典好きの人にはお勧めしたい作品です。だれがコマドリを殺したのか?さて、真相は・・・。