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No.12
飢餓海峡
水上勉
読まずに死ねるか!
No.11
生か、死か
マイケル・ロボサム
運命の皮肉
No.10
そしてミランダを殺す
ピーター・スワンソン
そしてミランダを殺すの感想
No.9
スロウハイツの神様
辻村深月
スロウハイツの神様の感想
No.8
絶叫
葉真中顕
絶叫の感想
No.7
失踪当時の服装は
ヒラリー・ウォー
失踪当時の服装はの感想
No.6
リップステイン
長沢樹
リップステインの感想
No.5
儚い羊たちの祝宴
米澤穂信
儚い羊たちの祝宴の感想
No.4
冷血
高村薫
冷血の感想
No.3
クロイドン発12時30分
F.W.クロフツ
クロイドン発12時30分の感想
No.2
百万ドルをとり返せ!
ジェフリー・アーチャー
百万ドルをとり返せ!の感想
No.1
僧正殺人事件
ヴァン・ダイン
僧正殺人事件の感想
札幌、函館の刑事たちの追跡から消えた男が10年の歳月を置いて再び事件を起こす。そのきっかけとなったのは一人の女。大罪を犯した男が10年前に人間らしい行いをその女に施したばかりに
自身に疑惑の目が向けられる結果となる皮肉。実際にあった海難事故。台風により転覆した青函連絡船。wikipediaによると死者・行方不明者1155人となっている日本の海難史上最大の惨事である。
浜に打ち上げられた何百という死体。乗船名簿と遺体を引き取りに来た遺族の照合のあとに残った遺体が二つ。誰も引き取りに来ない遺体が二つ残った。頭に傷のある二つの死体。
ひとりの刑事が不審を覚える。しかし、大惨事の中で体に傷を負った死体はおかしくはない。それが大方の意見であった。出航間際に乗り込む人間もいてそんな場合は名簿に記載しないこともあったという事実。
大勢に押し切られる形で一人の刑事の思惑は消えていく。そして函館から130キロほど離れた町で火災が起きる。台風の風に煽られた炎は町の三分の二が焼失する大火事となった。
火元の質店では一家四人が殺害されていた。地道な聞き込みだけで調べを進める刑事たち。昭和22年という時代では今の科学捜査など夢物語だ。
丹念に世相を切り取りながらそれぞれの人生が描かれる物語。敗戦国の貧しさが生んだともいえる事件。単行本上下巻に収められたこの物語は読まずには死ねない。