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(短編集)
たたり
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たたりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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本レビューは物語の結末部分まで触れています。 惜しい作品だ。 夫婦が生活を始め、異変が起きる前後の描写は全て妻からの目線によって描かれている。ここまでの生活感はリアリティ溢れるものでぐいっと引き込まれる。屋敷の「わけあり感」も得体の知れない雰囲気を醸し出す事に成功している。何かあるのかもしれない。でも、それって単なる気のせいなのかもしれない。 事実、一人で夜(できれば一軒家の個室で)本作を読んでいると闇の中に何かがいるかもしれない、と考えてしまいそうになる。本作の妻はまさにその不安に囚われてしまったのだ。自分がイカれてしまったのか、それともイカれた世界に足を踏み入れたのか。その辺の描き方は巧みの域と言えよう。 惜しいのはここからだ。後半部から急に増える登場人物、そして彼らの急な退場はあまりに唐突だし、理由がはっきりとしていない。何よりも、屋敷が呪われた原因がはっきりしないのが痛い。ぼかして見せているので、後は読者の中で補完して、というのが作者の狙いなのだろうが、もう少しパズルのピースを与えてほしい、というのが正直なところだ。物語の本筋を雰囲気や怪奇現象に絞って怖がらせるのは良いが、隅に謎解きの要素があってもいい。 だが「日本版『シャイニング』」と評された本作、不気味な雰囲気はたっぷりだし、お化け屋敷ホラーと言えばどうしても『山荘奇譚』や『シャイニング』に評価を持っていかれたジャパニーズホラー内では海外ホラーに挑んだ異色の出来、と言えるのではないか。 | ||||
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文章が大変巧みで読むのが止められなくなるような面白さがあります。一人一人の登場人物が鮮やかに描き分けられていて読んでいて飽きない。古い屋敷に引っ越してきたことがきっかけで少しずつ狂い始める作家夫婦と、それを取り巻く人々の視点から物語は描かれます。謎の屋敷とそれにまつわる過去。ありきたりな題材ながら、とにかく読ませる。 ただこの結末はどうなのか。いくらなんでも、これはないのではないだろうか。どうにか無理矢理にでも自分を納得させる以外にどうしようもない。こういう「最後にぶち壊し」的な終わり方が、ある種の完成度をこの作品に与えていると取るべきか・・・ 余談ですがこの作者、好んで「Q」というアルファベット使っているようですが、何か不思議で良いです。 | ||||
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元中学教師で現在は作家の哲哉と妻の佐知子は、友人の紹介で都心のマンションから那須の古い洋館へ越してくる。その洋館は2階に寝室が7つもあるお屋敷だ。哲哉は愛妻家で夫婦仲もよい。しかし、引っ越した途端に、哲哉に異変がおき始める。大変な食欲と性欲をあらわし始め、佐知子は不安をおぼえ始めるが、実は彼女にも変化が・・・。「和製シャイニング」とも評されたらしい。意外に幽霊屋敷話が日本には少ないので、結構楽しめた。ただ、途中まで丁寧に丁寧に恐怖が積み重ねられていくのに、クライマックスが少し弱いのがとても残念。肝心な幽霊屋敷たる「由縁」に少し失望した。ホラーには好き嫌いがつきものですが、「幽霊屋敷もの」に少しでも興味がある人にはお勧めの1作です。 | ||||
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