たたり
評判
たたりの評価:
3.25/5点 レビュー 8件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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惜しい作品だ。
夫婦が生活を始め、異変が起きる前後の描写は全て妻からの目線によって描かれている。ここまでの生活感はリアリティ溢れるものでぐいっと引き込まれる。屋敷の「わけあり感」も得体の知れない雰囲気を醸し出す事に成功している。何かあるのかもしれない。でも、それって単なる気のせいなのかもしれない。
事実、一人で夜(できれば一軒家の個室で)本作を読んでいると闇の中に何かがいるかもしれない、と考えてしまいそうになる。本作の妻はまさにその不安に囚われてしまったのだ。自分がイカれてしまったのか、それともイカれた世界に足を踏み入れたのか。その辺の描き方は巧みの域と言えよう。
惜しいのはここからだ。後半部から急に増える登場人物、そして彼らの急な退場はあまりに唐突だし、理由がはっきりとしていない。何よりも、屋敷が呪われた原因がはっきりしないのが痛い。ぼかして見せているので、後は読者の中で補完して、というのが作者の狙いなのだろうが、もう少しパズルのピースを与えてほしい、というのが正直なところだ。物語の本筋を雰囲気や怪奇現象に絞って怖がらせるのは良いが、隅に謎解きの要素があってもいい。
だが「日本版『シャイニング』」と評された本作、不気味な雰囲気はたっぷりだし、お化け屋敷ホラーと言えばどうしても『山荘奇譚』や『シャイニング』に評価を持っていかれたジャパニーズホラー内では海外ホラーに挑んだ異色の出来、と言えるのではないか。