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ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所



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【この小説が収録されている参考書籍】
ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 (河出文庫 ア 4-6)

ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所の評価: 4.20/5点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

タイトル買いしたが

しばしば諸外国のユーモアというのがわからない。
言葉のニュアンスや裏の意味、その国だからまかり通る笑いを解説されても置いてけぼりをくらい、笑うに笑えない。

「全体論的探偵事務所」といういかにもキテレツなタイトルに惹かれて購入した。作中に起きる出来事は確かにキテレツで繋がりが見えない。
それが一つ一つ意味を持っていてやがて全体論的に数珠つなぎになって。。というわけでもなく尻つぼみ。「ディスコ探偵水曜日」の様なイメージを持ってしまったのも悪いが、言葉のユーモアにいちいち突っかかってしまった。
ただ映像化したら面白いのは確かだ。
ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 (河出文庫 ア 4-6)Amazon書評・レビュー:ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 (河出文庫 ア 4-6)より
4309464564
No.1:
(3pt)

結末の「全体論的」強引さは、恐らく作者の本領発揮だが、評価が難しい面妖な小説

英国では伝統的に、ケンブリッジを舞台にした小説はどんな突拍子もない作品でも許容されるという鉄則(?)があるが、本作も評価が難しい面妖な小説である。一応、世評では英国流のユーモア・ミステリという事になっており、確かに殺人事件も起きるが、決してミステリではない。

私もP.G.ウッドハウス「ジーヴス」シリーズ風の英国流の上品なユーモア・ミステリを期待した(私は作者の偏屈振りを知らなかった)のだが、冒頭でいきなり、「馬に乗った"電動"修道士」が登場する所から、既に物語の進行を訝しんだ。「コ-ルリッジ」の詩をベースに、ソフトウェア開発者のリチャードとそのカレッジ時代からの友人(変人)で全体論(訳注がないが、多分、原語は<holistic>。訳者については再述)的探偵を標榜する通称ダークを主人公とした物語なのだが、次々と出て来るエピソ-ドに(一見)脈絡がないのである。それでも、一見何の関係もないエピソ-ドを巧みに繋げ合わせて、読者を驚かせる結末を導く伊坂幸太郎氏の作品風のものを期待したのだが、そういう訳でもない。また、作者は自身の知識が該博である事を自覚しており、作者がユーモアと思って書いている部分は高尚過ぎるか卑俗過ぎるかのいずれかであって、私には笑えなかった。そして、結末の強引さは、恐らく作者の本領発揮であり、確かに「全体論的」ではあるが、納得が行くか否かは読者によって別れる所であろう。

余談だが、訳者の話に戻ろう。訳注を付ける必要がない自明な単語に訳注を付けたり、訳注を付けても日本人にとっては意味不明な訳注を付けたりして、本作を読み難くしている。逆に、本作においては最も重要な「全体論」に関しては(せめて、原語を明記するとかの)訳注を付けて欲しかった所。また、リチャードがソフトウェア開発者なのにも関わらず、プログラミング言語「Prolog」を「プロログ」と訳してしまっている辺りは勉強不足の誹りを免れまい。量子力学の話も出て来るが、<quantum>と<particle>との区別が付いているのかも怪しい。訳者を変えて、もっとスッキリとした形で本作を読んで見たかった。
ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 (河出文庫 ア 4-6)Amazon書評・レビュー:ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 (河出文庫 ア 4-6)より
4309464564

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