ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所
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「銀河ヒッチハイクガイド」からの大ファンですが、とはいえ氏の小説自体が「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズしか 日本では出版されていなかったし、さらに氏は早世されてしまったため、もう読むことが出来ないのだろうなと思っていました。ああそれなのに!英国ロマン派詩人コールリッジの詩を下敷きにですって! ダーク・ジェントリーってどうしてその名前?ダーク・レディとなにか関わりがあるの?全体論的にってアダムスが超好きそう!おまけにドクター・フーの第一話とも云々・・・・ ちょっと興奮しながら一気に読み終えたので再読します! | ||||
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しばしば諸外国のユーモアというのがわからない。 言葉のニュアンスや裏の意味、その国だからまかり通る笑いを解説されても置いてけぼりをくらい、笑うに笑えない。 「全体論的探偵事務所」といういかにもキテレツなタイトルに惹かれて購入した。作中に起きる出来事は確かにキテレツで繋がりが見えない。 それが一つ一つ意味を持っていてやがて全体論的に数珠つなぎになって。。というわけでもなく尻つぼみ。「ディスコ探偵水曜日」の様なイメージを持ってしまったのも悪いが、言葉のユーモアにいちいち突っかかってしまった。 ただ映像化したら面白いのは確かだ。 | ||||
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「全体論的」探偵事務所というよくわからないタイトル...でも近年日本でも「ホリスティック・セラピー」などという看板を掲げたマッサージだか民間療法だかの施設は見かけます。これは英語のニュアンスでも同じように胡散臭いイメージなんだろうと考えていいのか...まあ、少なくともそう考えたほうがすんなり内容に入り込めることは確かです。 「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの著者として名高い作家ですが、私としては銀河ヒッチハイク・ガイドを読んだ時に、本来のラジオドラマとして知ったほうが面白かったかもしれない、と思ったものです。イギリスらしいアナーキックでニヒリスティックなユーモアが、文字を追いかけると理屈っぽさが出てしまうような気がして。 本書もユーモアの質としては同様なのですが、文章として読む作品としては、個人的にはこちらのほうが好みにあっていました。 分類すると一応(笑)ミステリであるわけですが、ミステリとしての伏線や手がかりは、LEDを内蔵しているかというくらい非常に目立つように配置されています。ただ、それがどこへ向かう伏線で、何の手がかりなのかが一向に見えてこないのです。 この作家を知らなければ、そもそも手がかりではなかったのではと思うところですが、ダグラス・アダムスという人がきちんと回収するタイプの作家だということは「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの読者ならば承知のはずのことではあります。 で、実際に伏線や手がかりが回収されると、いや、上手い!一見こじつけなようでいて、実に筋が通っている(「全体論的」な筋の通し方ではあるけれど)。アナーキーさもニヒリズムも全部ひっくるめて、面白く、しかも手際が良い。誰にでも勧められる作品ではないけれど、「銀河ヒッチハイク・ガイド」よりこちらが好きという人もきっと多いと思います。 物故してしまった作家にこんなことを要望しても無意味ですが、これをシリーズにして欲しかったなぁ。「ダーク・ジェントリー」という名が本名でない点からも、複数の名を使い分けて活躍するシリーズ・キャラクターを作家自身も想定していたのではないかと想像できるのですが... --と書いてから河出書房のサイトで確認したら、なんだ、やっぱりシリーズなんじゃないですか!これは続刊が楽しみです。 | ||||
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英国では伝統的に、ケンブリッジを舞台にした小説はどんな突拍子もない作品でも許容されるという鉄則(?)があるが、本作も評価が難しい面妖な小説である。一応、世評では英国流のユーモア・ミステリという事になっており、確かに殺人事件も起きるが、決してミステリではない。 私もP.G.ウッドハウス「ジーヴス」シリーズ風の英国流の上品なユーモア・ミステリを期待した(私は作者の偏屈振りを知らなかった)のだが、冒頭でいきなり、「馬に乗った"電動"修道士」が登場する所から、既に物語の進行を訝しんだ。「コ-ルリッジ」の詩をベースに、ソフトウェア開発者のリチャードとそのカレッジ時代からの友人(変人)で全体論(訳注がないが、多分、原語は<holistic>。訳者については再述)的探偵を標榜する通称ダークを主人公とした物語なのだが、次々と出て来るエピソ-ドに(一見)脈絡がないのである。それでも、一見何の関係もないエピソ-ドを巧みに繋げ合わせて、読者を驚かせる結末を導く伊坂幸太郎氏の作品風のものを期待したのだが、そういう訳でもない。また、作者は自身の知識が該博である事を自覚しており、作者がユーモアと思って書いている部分は高尚過ぎるか卑俗過ぎるかのいずれかであって、私には笑えなかった。そして、結末の強引さは、恐らく作者の本領発揮であり、確かに「全体論的」ではあるが、納得が行くか否かは読者によって別れる所であろう。 余談だが、訳者の話に戻ろう。訳注を付ける必要がない自明な単語に訳注を付けたり、訳注を付けても日本人にとっては意味不明な訳注を付けたりして、本作を読み難くしている。逆に、本作においては最も重要な「全体論」に関しては(せめて、原語を明記するとかの)訳注を付けて欲しかった所。また、リチャードがソフトウェア開発者なのにも関わらず、プログラミング言語「Prolog」を「プロログ」と訳してしまっている辺りは勉強不足の誹りを免れまい。量子力学の話も出て来るが、<quantum>と<particle>との区別が付いているのかも怪しい。訳者を変えて、もっとスッキリとした形で本作を読んで見たかった。 | ||||
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あのSFコメディの傑作、銀河ヒッチハイク・ガイド・シリーズのアダムスが探偵ミステリも書いていたのかと読んでみれば、これも紛うことなき傑作「SFコメディ・ミステリ」。 最初はいかにも英国風?な皮肉や屁理屈っぽいユーモアにくすくす笑わされながらも、ストーリーはよくわからず関連のないいくつものコメディ・スケッチを読んでいるように感じられますが、 中盤でようやくダーク・ジェントリーが本格的に登場してからは、それぞれのエピソードがつながり始め、終盤には見事にすべてが収束――最初はナンセンスなコメディ部分だと思っていた要素さえすっきり論理的に解明――して、ミステリとしても唸らされます。 全編通して細かい伏線が散りばめられているので、訳者さんのすすめに従って再読してみると、一度目に読み終わった時には忘れていたり、気づかなかったりしたところも見つかり、「なるほど、ここがあそこにつながっていたのか」と二度楽しめました。 続編も引き続き刊行が予定されているとのことなので、楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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