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風
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風の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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芥川作家の作品なので、読む前の期待値が高すぎたのでしょう。読み終えた今、失望しています。 4編収められていますが、一番短いのが「予感」です。最後の父と母とおばあちゃんの一言が珠玉の名言です。小説に落ちは必要ありませんが、これは見事な落ちでした。 「ダンス」ですが、この作品はもしかして義務教育でダンスが必須になったことへの抗議の表れなのでしょうか?高校時代にかなづちなのに水泳の授業に参加させられた辛い経験を思い出しました。 「二人の場合」が一番面白くない。途中で何度も読むのをやめようと思いました。作者はなんのためにこんなつまらない話を書いているのか?意味不明です。 「風」ですが、ラストが素晴らしい。ようやく、芥川賞作家の片鱗が見られます。 全体的な感想としては、こんな程度なら二度とこの作家の小説は読まないだろう、と言うのが私の結論です。 | ||||
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短編4つで構成されています。 その中でも、特に「二人の場合」が一番のめりこんで読みました。 とても仲が良くても、たとえばどちらかが結婚して境遇が変わってきた。 そうすると、「以前とは変わってしまったな」とか、 「既婚の私のことをどう思っているだろう?」と恐怖を感じるとか。 そういった、誰かに話しずらい悩みを持つ人は、この本を読むことで救われるかもしれません。 | ||||
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文体の読みやすさには好感が持てるが、幼稚さが目立つ。比喩が文章から浮いているのも気になった。 「ちゅるんと生卵を飲みこむくらいの間があった」 「実加は膝にエアガンを撃ち込まれたかのように椅子から崩れ落ち」 見方によってはユーモアがあるとか、際立っていて良いと評価されるだろうが、読んでいて恥ずかしくなった。意図的にやっているならいやらしいし、そうでないなら子どもじみている。 文章にあわせてか、内容も小児的な印象だ。人物をデフォルメしすぎているので、どれもサラッと読み流すだけの作品に収まっている。一読の価値があるかと言われれば、無いと思う。小説を読みたい気分なので現役作家でなにか手頃なものを、と言われたら薦める程度だ。青山七恵にはお茶目なところがあるが、そこに媚びや甘えを感じる人は苛々するにちがいない。 | ||||
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4編が収載されています。なかでも、3つ目の作品「二人の場合」が一番印象に残りました。 2人の女性が大学卒業後就職した肌着メーカーで出会い、友情をはぐくんでいきます。肌着メーカーという設定ならではの会話、2人の一般的には(なにが一般かむずかしいにせよ)少し残念な性格に由来すると思われる少し残念な会話はユニークで、作者の表現のうまさに感心します。 年月が経つにつれて、1人は結婚し子どもをもうけますが、もう1人は独身のままです。この分岐点を経たのち、これまではぐくんできた友情はどのようにかわっていくのか、かわっていかないのか。そのあたりが話の展開としては山場になっていて、既婚or未婚、子ども有or無である程度やむをえずかわりうる友人関係がとてもよく描かれています。とくに結婚ラッシュ・出産ラッシュを経験する30代前後では本当によくある話だと思います。ただ、あくまで「二人の場合」なので、あんまりあるあると共感してもいけないのかもしれないですが。 そんなよくある話(話の展開)なのに、この作者しか書けない表現に溢れていて、その表現の世界に浸れてよかったです。 よくありそうな話として楽しむもよし、作者の素敵な表現や世界観を楽しむもよし、いろいろな読み方ができ、楽しみ方があります。 装丁は4つ目の作品であり本書全体のタイトルである「風」をイメージしたもので、「カ」「ゼ」と読めそうなフォントがしゃれています。 | ||||
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表紙のデザインがなかなかいい。 緑地に風が吹いている。 いかにもさわやか。 でも表題作「風」に吹き渡る風はタイヤ工場のゴムの臭いのする暑苦しい風だ。 「緑地」に住むのはアラシックス(六十歳)のヤセとデブの姉妹。 この姉妹が暴力的な風となって突っ走る最後が凄まじい。 読後感は「爽快」ではないかもしれないが、暑苦しくもない。 何かふしぎにも充たされる感じ。 それはおそらくここに収められた作品がどれも「人生」を描いているからだろう。 最初の「ダンス」で「踊らない優子」は成長し、やがて結婚して「踊る子」の母になる。 「二人の場合」では、新入社員だった女の子二人が三十七歳になるまでの、人生の軌跡が、まるで長編のように、語られていく。 「風」の姉妹の痩身と肥満の対照は、ここに至るまでに蓄積された人生の時間の処理の仕方の違いから生まれたのだろう。 いずれにしても、真っ正面から「人生」を、そこに流れる「時間」を描いた作品ばかりだ。 表紙の裏に著者直筆で書かれているオマケの掌編「予感」の最後に、次々に災難に見舞われる「わたし」に、父と母とおばあちゃんが一体となった「声」が、啓示の如く、告げる。 「贅沢なこと言うんじゃないよ、それはおまえがおまえの人生を生きている証拠じゃないの。」 「充たされる感じ」が残るのは、読者の人生にこの作品が充たされた時間を与えてくれたからなのだ。 現代日本文学にこんなものが他にもあるのだろうか。 評者の乏しい読書体験では思いつかない。 一つ気になるのは、青山七恵という作家が「ダブル」にとりつかれていることだ。 『ひとり日和』の二十歳の女と七十のおばあさんもダブルだった。 ここでも「二人の場合」の実加(みか)と未紀(みき)、「風」の姉妹は明白なダブル。 「ダンス」では、優子は最後にもう一人の自分に出逢う。 文学史に残る数々の傑作に相通じる「ダブル」のモチーフを、この作家は今後どのように発展させていくのだろうか、あるいは消していくのだろうか。 | ||||
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寓話的な作風に読めたが、以前著者の本で「花嫁」を読んだときはそうは思わなかった。ミステリーっぽい作品だと思った程度であった。 そうなるとやや作風が変わった?2冊しか読んでいないから、そうなのかなと思っているだけであるが。 本書は4編の短編集である(1篇は本の見返し部分に著者直筆のショートショートの感じ)。 表題作の「風」は意地悪なメルヘン風。「ダンス」はダンスを踊らない(踊れない)主人公優子の物語。ダンスが優子の中で何を意味しているんだろうと思った。 一番長い「二人の場合」実加と未紀の女性同士の友情?物語。いつも一緒にいた二人が、時の移り変わりと共にそれぞれに(性格も人生も)変わっていき、愛想を尽かすまでの物語。そしてそんなことは一般によくあることだと著者は書いている。そう、こういうことってたくさんあると、読み終えて思った。心に残る作品だと思った。 | ||||
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スジらしいスジがない「文学的」なお話は苦手です。 「単に個人的嗜好と違う」ってだけの評価です。 | ||||
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人生という名の風がぴゅーと吹いて転がる女たち。 3つの短編が収録。(表紙裏含めると4つ?) ダンス 踊れない女の話。 二人の場合 友人同士の女性二人の半生が同時視点で進行していく。 風 50代の姉妹二人が保険外交員のすすめでマーチングバンドに挑戦するが・・・・・・ それぞれ話の最後がしっかりしていて、読み終わったあとのモヤモヤ感が少なく、さくっと読めた。 特に風のラストは思わず声を出して笑ってしまった。 著者の作風が好きな人は後悔しないと思う。 | ||||
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