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忍者丹波大介
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忍者丹波大介の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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時代は太閤亡きあとの勢力争いの中、石田三成か、徳川家康か、 どちらに就くか思案渦巻く世の中で、腹の探り合いがつづく。 忍者が活躍するに絶好のシチュエーションと言えるだろう。 したたかな女忍者たち、老練の笹江、お波奈、お万喜が見せる 背筋が寒くなるような熟練の技の前では、丹波大介の想い人、 於志津のような女は、普通の女に見えてしまう。 もちろん、於志津とて、只者ではないのだが、、、。 昔、猿飛佐助や霧隠才蔵が活躍した、一見、講談本のような 痛快忍者物ではあるが、状況に左右される人の生き方を描きながら、 同時に変わらぬ物をも描こうという伏線が重低音のように響く、 重厚な640頁だ。 | ||||
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昭和40年の作品ですか。「真田太平記」よりだいぶ前の作品です。後講釈になりますが、おそらく著者の模索中の実験作といったほうがいいのかもしれません。後の「真田太平記」とだぶる時間(一年から2年)を凝縮して取り扱っているのですが、作品は全体としては不思議なことに緊張感に欠けています。様々な登場人物が出てきますが、個々の人物の造型はどれもいまいち印象に欠けます。 一つには丹波大介の設定に問題があったようです。甲賀という組織から外れてしまった設定にしたため、存在感と動機付けに欠けてしまったまま、この関ヶ原という天下分け目の戦いにのぞんてしまうという羽目に陥ってしまいました。大介のあいまいな一匹狼という忍びの設定はあまりにも現代人の価値観を投影したものであり、現代とは違う戦国の時代設定の中では必然的にそのリアリティを失ってしまったようです。 またある主人公を中心として時代を描くという試みもどういうわけか空回りしているようです。忍びのものを中心として時代を描くというのは、やはり無理があったようです。どうしても、どうでもいい理由付けが忍びによって持ち出されることになります。 そして連載小説の性なのでしょうか、悲しいかな結末はあっという間に早送りされ、大介とのかかわりのある「ある女性忍び」もあっという間に登場しては処理され消えてしまいます。最期のシーンはそれなりの謎の解決を呈示しているのですが、あまりにも話題が拡散した後では、その重大さもすぐには理解できないほどです。 ただ後の「真田太平記」にも使われるディテールはかなりの部分本書で出尽くしています。これらの実験と失敗を通じて、あの骨太の「narrative」の型とモティーフが生み出されたと考えれば、著者にとっても必要不可欠なステップだったのかもしれません。 | ||||
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