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ジャージの二人
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ジャージの二人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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淡々と、淡々と、ただ過ぎていく、そんな雰囲気。 いいのではないか、と思う。 何にも得るものがないような一日を過ごしてみたいときに読むような 空気のような読書が味わえる作品であろう。 しかし、丁寧に書かれていると思う。 | ||||
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佐野洋子さんのエッセイ「神も仏もありませぬ」に、長嶋有さんがでてきて、思いがけないところで、思いがけない人と人が交流しているのだなぁと興味をひかれて読みました。 長嶋作品は、芥川賞の「猛スピードで母は」を読んで、小難しい難解な文章だけが、文学じゃないって評価されたようで、とても素敵だなと思っていましたが、この「ジャージの二人」にも同じ感想を持ちました。 あまり売れていないカメラマンの父と、売れない小説を書いているらしい息子がふたり、胸に小学校の名前の入った古着のジャージを着て、群馬の別荘とは名ばかりの小屋で、夏休みの終わりのような一週間を過ごす。 なにがおこるわけでもなく、二人でそれぞれの鬱屈した思いを抱えながら、淡々と日を過ごしている様子が描かれていますが、とりたてて面白いわけでもないのに、思わず笑ってしまうユーモアが、とてもいいです。 だいたい「だいの大人」がふたり、胸に刺繍の入った古着のジャージを着ているところを想像しただけで、なんか思わずニヤッとしてしまいますよね。 人に何かを伝えるのに、やさしい言葉で判りやすく、平明に書くというのは、実は一番難しいことではないかと常々考えていますが、この作者は、推敲に推敲を重ねたであろう文章を、ちっともそんな風に感じさせないよう、するっと差し出してくれます。 読みやすくて、ほんわりしているのに、胸にじわっと残ります。 | ||||
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この作品を読んだきっかけは作者がクウネルに書いていた「褒め負ける俺」というエッセーがあまりにもおもしろかったので。本屋で芥川賞作品にするか迷ったが、ジャージの2人というゆるいタイトルに負け購入。 エッセーを読んだ時から感じていたが、劇的とか奇をてらうとか、そういう言葉とは程遠い作家ですごくいいっ。映画化とかされる作品とは一線をひくほどのゆるさ、(でもクドカンが書いたらすごく面白そうだけど)やる気のなさ。読んでいる最中はぷぷという擬音がついつい口からこぼれ出る。吉田修一作品の読後感の爽快さが好きな人、等身大の日常的娯楽感が好きな人にはぜひともお薦めしたい作品。さいこうっ | ||||
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元(?)自然派の売れっ子カメラマンで×2の父親と、妻とは上手くいかず書けない小説家でもある、その息子が北軽井沢の古い山荘で、ひと夏を過ごす話。 私は、不甲斐ない彼ら父と息子に好意を持った。そのスケールの小ささを喜んだ。昔「スケールが大きい」といいう褒め言葉をよく聴いたものだが、スケールとはモノサシだ。モノサシが小さいと、目の前のものや人の微かな変化やニュアンスを感じることができるのだ。万歳スケールの小さい人生。私は小さな話を愛す。最後まで、彼らの「へたれぶり」をうきうきと嬉しがり、ときどきヒヒヒと笑いながら読む。 物語としては、起伏の少ない話だ。『猛スピードで母は』で芥川賞を取った時には、「こんなのは小説じゃねぇ!」というような評を書いていた審査員もいた。。 小説中『話を聞かない男、地図を…』のことが出てくるが、そして、それは現実には反対じゃないかと主人公は言っていたのだが、長嶋氏は、いわゆる女性的感覚の持ち主なのではないだろうか。 男の人って、年表にまとめられるよな(あるいはちゃんとプロットが書けるような)大河っぽいスペクタクルな小説が好きな傾向が強いのでは?それは俯瞰の視点を彼らが持っているからで、だから地図が読め政治もスポーツも将軍になったように評し戦略を練る(たとえそれはシミュレーションで終わるとしても)。殿様願望だ。 逆に言えば、こんなとこが、今この瞬間のあのようす、というような具体的細部に鈍感な所以でもあるんじゃないかと思う。 そんな風な非男性的なディテールが長嶋さんの小説の魅力。事件とかなくても、細部に笑いと面白さとアイロニーがあって楽しい。生活ってそんなものだもの。 | ||||
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