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むすぶと本。 『嵐が丘』を継ぐ者
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むすぶと本。 『嵐が丘』を継ぐ者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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最後に、むすぶたちの過去とシリーズを通して語られそうなものが少し語られますが、今回も短編のつらなり。 単行本に比べて、軽く解決を目指しているのか、本に関わる問題発生、即解決くらいです。 昔はこの短編ネタで一冊の物語書くくらいだったと思うので、少し物足りないです。 まだ野村美月さんが、長編書けるほどの気力が戻っていないのか、最近の読者の傾向でインスタント解決のような速い展開にしているのか色々考えてしまいます。 今回はもうちょっと前回より、文学少女の登場人物に関わる話で、そこは過去ファンとしては嬉しかったです。 また第四話のネタ本が文学作品でない意表をついたものだったのに面白さと驚きがありました。ほんとうに美月さんは本が好きだと感じます。 ちなみに作中であがっていた三作は、タイトルでピンと来ましたが、一番目は「花と蛇」で有名な団鬼六さんの作品。 二番目は日活ロマンポルノの原作などで有名な宇能こう一郎さんの作品。 三番目は現役フランス書院作家で、最近はアダルトな漫画のノベライズなどもしている巽飛呂彦さんの作品。 まあ文学少女とバカテスのコラボで団鬼六さんの名前だしてはいたし、フランス書院はKindleunlimited では無料で見れるの多いから、今は読みやすいレーベルだけど、出てきたタイトルにビックリしました。 一応、タイトルにもなっている「嵐が丘」ですが、私はそれは本当に幸福なの?と感性的に合わないので、ちょっと苦手。 この端からみたら幸福と言えるのか?というカップルに関していえば、むすぶと夜長姫にも対応するので、そういう示唆も含まれているのでしょう。 あと私の感性の問題もありますが、前回の外科室でもですが、要所要所でのむすぶの感性が怖いと感じます。 書狂という言葉や、人形や絵画に魅入られる話はよくあるように、もし本に意志が宿るなら、それは書怪に魅入られていることになるでしょう。 人の世界の境界にいて、転げて落ちそうな危うさが怖いです。まあ精神的には図太そうなので、持ちこたえるかもしれませんが。 彼岸にいってしまいそうな不確かさが京極堂の関口を連想しました。繋ぎ止めるゆきえさんみたいな人と必要じゃないのかなと。 作中でピッピに例えられていましたが、ピッピも日常と非日常の境界にいるというか、ふつうの境界にいて、いつか非日常に消えてしまいそうな強さと危うさがあるキャラクターですから、そういう不確かさがあるように描かれているのかもしれません。 昔、ニトロプラスのゲーム「アザナエル」で、自分の創作した二次元キャラと恋愛関係成就させた登場人物もいたけど、あの力押しくらいの世界以外で果たしてハッピーエンドをむかえられるかは疑問です。 アニメ店の特典SSは英語ができないむすぶの勉強を見ていた先輩が伯母の文学少女の話をするというもの。 どうでもいいことですが、本を食べる文学少女て、本にとってはどういう存在なんだろうかと思います。 愛されるからといって、喜んで食べられるとしたら、本の感性もやはり通常の人とは異なるでしょう。それは存在の壁として当然かもしれないのですが、かなり情熱的な存在だといえます。 本はかなり読まれると汚れますし、傷んで、最後には破損してしまうでしょうから、そういう意味で死を人からおそれていないかもしれません。前回のピッピさんもわりとそういう傾向ありましたし。 とはいえ、あまりに違うものが交じるというのはどうかと思っちゃいますが。 | ||||
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