(短編集)

ガリレオの苦悩

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評判

ガリレオの苦悩の評価:

3.96/5点 レビュー 180件。 B ランク

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全41件 41〜41 3/3ページ
No.1
(3pt)

作者の苦悩

 「ガリレオの苦悩」というより、東野圭吾の苦悩、という感じが強い作品。
 やはり、無理をするとこういうことになる。
 というのは、本作は「探偵ガリレオシリーズ」としては4冊目ということになるが、3冊目の「容疑者Xの献身」で、「理系エンタテイメントとしてのミステリー」という基本路線を踏み外し、「情念の力作」みたいになったからだ。
 結果として、ガリレオこと湯川助教授(本作から准教授)は、警察とは距離を置くようになってしまった。
 本作から内海薫刑事(ドラマでは柴咲コウ)が登場するのも、ドラマ絡みという面もあろうが、まずは、「容疑者X」の経緯を知らない彼女なら、湯川に協力依頼しやすい、という作者の都合だろう。
 湯川を事件に巻き込むためには、かつての恩師や同窓生まで湯川を利用しようとするし、無謀にも湯川に挑戦する元科学者まで登場する。
 そうまでして、「事件に係わりたくない湯川を、何とか事件に巻き込む」という構図を作らなければ、小説として成立しない状況になっているのは、東野圭吾自身の責任とはいえ苦しい。作品を楽しむより前に、作者の苦悩が先に見えてしまう。
 この本は5作の短編集だが、このシリーズ本来の楽しさがあったのは、4作目の「指標す(しめす)」だけだろう。
 この短編が最後に書かれたようだから(この本のための書き下ろし)、苦悩を経て、ようやくシリーズの本筋に戻る足がかりを得た、というところか。
 余計な一言かもしれないが、警察に協力した結果、どんなに辛い目に遭ったとしても、それで、条件反射のように警察と距離を置こうとする湯川の態度は、本来の彼のキャラクターとは違うような気がする。過去にどんな経緯があろうと、科学者として興味を覚えれば、その謎を解こうとする、それが湯川という人間ではないのかなあ。私は率直にそう思うのだが。
ガリレオの苦悩 Amazon書評・レビュー: ガリレオの苦悩より
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