紳堂助教授の帝都怪異考
評判
紳堂助教授の帝都怪異考の評価:
4.00/5点 レビュー 4件。 - ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全4件 1〜4 1/1ページ
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紳堂助教授の帝都怪異考の評価:
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タイトルにもなっている紳堂助教授は東京助教授という肩書があるものの、第一話の事件の関係者が同じ職場の同僚だったという程度で、教室で教鞭を執るような場面はなく、学生たちに取り巻かれているでもなく、そもそもどんな研究をしているかも定かでなく、正直、大学の助教授という設定は必要だったのでしょうか? 助手でヒロインで男装少女のアキヲはまだ十四歳で、大学の教え子というわけではないですし。もっぱら研究室ですらない事務所で助手といちゃついているのが日常の高等遊民といったところであります。
シリーズ開幕の一冊なのですが、この本、紳堂とアキヲは初めから先生助手の信頼関係が出来上がっており、警察からも怪奇現象の専門家としてすでに頼られているという状況からのスタート。美形で完璧超人風の紳堂がどんな生い立ちを持ち、どうして特殊な能力に精通しているのか、アキヲと知り合うことになった馴れ初めやアキヲに男装させている理由なんかはまったく作中では説明がございません。これでは紳堂助教授、まるきり変態趣味でかっこつけの変人です。
また、怪奇現象との対決で引っ張るかと思いきや三話では事件らしい事件は起こらず、登場人物たちの日常のドタバタをコメディタッチで描いて終わってしまいました。何だか長期シリーズの中の、途中の一冊というのが素直な読後感であります。シリーズが安定してからの一冊としてならともかく、最初の一冊としてこの内容はいかがなものか。それとも、近頃の読者にはこうした安定した人間関係の中で事件が展開する方が読み心地がよろしいのでしょうか?
もう一つ難を上げるなら、大正時代を舞台に選んでいながら、海軍中尉の友人が登場する程度で時代色は感じられず、時代設定が現代でもそれほど変わらないような。いや、もしかして電話もインターネットも出さなくていいから大正設定に?
オカルトハンター小説としては薄味ながら、そんな中でも生き人形にまつわる事件を描いた巻末の『沙世』が出色。ストレートな怪奇現象との対決を期待するより、紳堂とアキヲを愛でる物語だと思ってお読みください。