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珈琲相場師
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珈琲相場師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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届くのも早く、安くて、汚れもそんなに気にならず得した気分です。 | ||||
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珈琲が好きな人はぜひ読んで欲しい小説。 1659年のアムステルダム。商業が栄え、様々な商売人が競って物品の売買をしていた。そんな中、相場師のミゲルはコーヒーの存在を知り、これを使って大儲けする計画を立てるが・・・。 まず、アムステルダムの雰囲気を表す文章が良い。ユダヤ人、オランダ人、その他様々な人々が行きかう町の通りや貧民街の様子など。まるでそこに居るかのような感覚になる。 そして極めつけは主人公ミゲルに珈琲を紹介する未亡人の言葉。(以下引用) 『コーヒーはね、ワインやビールと違う。あっちは酔って浮かれたいとか、喉の渇きをとめたいとか、味がすばらしいとかいう理由で飲むもの。こっちは飲むともっと喉が渇くだけ、浮かれたい気分にはならないし、味は、正直に言いましょう、おもしろいけれどおいしくはない。コーヒーはなにか・・・・・・なにかもっとずっと重要なものなのよ』 こんな魅力的なセリフがたくさん出てくる。本当に読んでいてコーヒーが飲みたくなる本だ。 そんな私も無類のコーヒー好き。もちろんブラックで。 | ||||
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17世紀アムステルダムを、舞台に珈琲を巡るミステリー。 ミステリーとして十分面白いが、ヨーロッパにおける、コーヒーの普及・商品相場の形成・オランダにおけるユダヤの状況等雑学的な興味があれば面白さ倍増!さらには長崎出島でのオランダとの交易にまで想像は膨らむ。 | ||||
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~17世紀のアムステルダムと言えば、商品市場や株式市場が生まれつつあった時代。このころは情報を征する物が市場を征し、大もうけする事が出来た時代。そこで、大きな借金を背負った一相場師がちょっとつかんだ情報をもとに大もうけを企む話。その商品はタイトルでわかる通りコーヒー。この時代まだコーヒーはあまり知られていなかったが、これはいずれ大当たり~~するに違いないと考え、そしてその市場をアムステルダムに作りかつ大もうけしようとトリックを考え、実践する。しかし、ユダヤ人の彼は様々な制約がありそれがためなかなか上手くいかない。さらに彼を排除しようとする大物相場師や、彼に以前損をさせられ(たと思って)恨みを持つもの。などなど様々な人物が登場してくる。株であれ商品であれ、昔の相場~~ものはどうしてもインサイダーがらみで詐欺まがいのものがおおく、単調になってしまう。この小説もそれが中心ですが、300年も昔のヨーロッパが舞台なので様々な習慣が違うところがリアルに描かれていて、そのあたりも面白いです。ヨーロッパ各地の仲買人などへ情報伝達に苦労するというのもこの時代ならでは。ユダヤ人が生活や商売の上でも様々な制約があるの~~もしらなかった。コーヒーの魅力に取り付かれてしまった人たちもなかなか魅力的。しかしコーヒーを飲むとおしっこに行きたくなるって言うのは知らなかった。~ | ||||
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歴史ミステリブームが続きますが、その中で、デイヴィッド・リスのものはかなり地味です。おどろおどろしいところもなく、「めくるめく知的絵巻」みたいなものとは無縁だし、貴族も派手な恋愛話もない。そしてこの『珈琲相場師』は、前作『紙の迷宮』とは違って、主人公に特殊能力はなく、探偵でもなく、だいたい殺人事件も起こらず(あえてジャンルで言えば、これはコン・ゲームですね)、さらに地味です。でもだからこそ、だからこそ、『珈琲相場師』は並みいる歴史ミステリの中で際立っています。 ミステリに限らず、歴史を扱う小説の多くは、歴史的大事件やディテールが飾りのように使われていることがとても多い。あまり必然性がないのにやたらに描写が細かかったり、時代の雰囲気を出すためだけに無理矢理小道具を使ったり。そのくせ登場人物は、現代人と同じような考え方をしたりするのです(多分、その方が読む側が感情移入しやすいからでしょうけれど)。『紙の迷宮』には少しそういうところがありました。でも、『珈琲相場師』はその点がすばらしい。巻末参考文献を読むと、リスがとてもよく調べているのがわかりますが、その調べたものがきちんと消化されて、アムステルダム全体がとてもよく書かれています。説明臭さがほとんどない。これこそ歴史小説!!だと思うのです。 『紙の迷宮』同様、相場が社会全体の中でどのようなポジションに置かれているのかが書かれているのもよし。次作も楽しみです。 | ||||
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「碗の中でそれはとろりとしたさざなみを立てた。黒く、熱く、まずそうだった。」 この書き出しから最後まで一気に読ませる。17世紀半ば、まだヨーロッパにコーヒーがそれほど流通していなかった頃の話だ。主人公のユダヤ人相場師、ミゲル・リエンゾがなんとも魅力的。聡明さ、潔癖さ、勇気。そして裏腹の、抜け目無さ、好色さ、野心。ヒーローとしての資質を兼ね備えた人物である。彼を存分にあばれさせる舞台装置としての“17世紀オランダ”もまた魅力的である。人とモノのダイナミズム。舞台を過去に置く歴史小説の意味はこういうところにある。 主人公の資質をコーヒーになぞらえる箇所もあるが、小説の終わりもコーヒーに似てほろ苦い。主人公ミゲルの打った手がズバッと決まりハッピーエンドと思いきや、実は影の主人公の手のひらで踊らされていただけだった、という結末。とは言え、読み手としては主人公はやっぱりミゲルである、と確信出来る終わり方でもある。主人公のポジティヴさが、小説のどんでん返しに負けていないのだ。この小説では、勝ち負けも、裏切りも、人生のダイナミズムとして肯定的に捉えられている。そこがとても素晴らしい。 | ||||
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一攫千金にかける相場師ミゲル・リエンゾ。取引所で繰り広げられる騙し合いと情報戦。激しさを増す駆け引き。敵か見方か。裏切り、思惑、策略、熱気。大興奮させられる。思わずニヤリ。 | ||||
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