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神なき世界のトーメンター



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【この小説が収録されている参考書籍】
神なき世界のトーメンター (電撃文庫)

神なき世界のトーメンターの評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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(6pt)

神なき世界のトーメンターの感想

デビュー作の『罪色の環』が個人的にツボだったので2作目はどうなるのだろうと楽しみにしていた所、作風が一気に変わった装いに驚きました。表紙からミステリなのか判別つかなかったのですが、とりあえずファンタジーも好きなので手に取り読書。
ライトノベルが好きな読者に対しては、本書は綺麗にまとまった内容なのでお薦めですが、ミステリ志向な方にはそぐわない内容かと思います。一応ファンタジー×ミステリです。

著者は元警察官という経歴であり、留置場での看守時代、留置人との会話の実体験が本書に活きていると述べていまして納得。
階級が烙印として体に刻まれており、上の者からの指示は絶対で逆らうと烙印の影響で死んでしまうという世界観。今回は被疑者や身分が違うものとの関わりが強く感じる物語でした。

数年前の『執事×お嬢様ブーム』の影響か、本書もその手の会話がありまして序盤は楽しめましたが、終盤のシリアスな佳境においては雰囲気が崩れてしまった気がします。ちょっと狙い過ぎかなと。
ミステリとしては、オカルト実験のスクエアで起こる殺人の謎が提示されます。暗闇の中、四隅に人を配置して、壁伝いに前の人をタッチして周る定番のやつですね。
このネタは有名過ぎて、不可解な状況が起きても仕掛けが思いついてしまうのが難点で、ファンタジーの怖さやミステリの謎に魅力が弱かったのが正直な感想です。

ただ、本書の魅力は設定が全てなわけではなくて、王女アリシアと拷問官ジグの絆の物語が楽しめます。
王女のアリシアは我儘だけど脆くて可愛いし、ジグは暗殺者の過去と現在の優しき二面性があり、キャラ物として安定して好み。無実の王女を、命令だからという理由で意志のない人形のように行動した序盤とは違い、段々とジグの思いの変化が感じられました。

世界観や話の伏線も丁寧なので個人的に新作が楽しみな作者さんになりました。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
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