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明け方の夢



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【この小説が収録されている参考書籍】
明け方の夢〈下〉
明け方の夢〈上〉

明け方の夢の評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(6pt)

とてもわかりやすい愛憎劇でした

アカデミー出版の「超訳」は小学校高学年程度の文章になってます。軽いです。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:
(10pt)

続編も含めて傑作です。

それまでのシドニー・シェルダン作品は全て単発物だったが、本作は初めて続編だ。それも個人的ベスト作である『真夜中は別の顔』の続編であるから、これが出た時には「待ってました!」と快哉を挙げたものだ。
ちらっとネットで調べてみたが、シェルダン作品で続編が書かれたのは本作以外ではどうもないようだ。このことからも作者自身もこの『真夜中は~』には手応えを感じ、特別な思い入れがあったのではないだろうか。

さて本作では前作では影の存在として、さほど表立って描かれなかった大富豪コンスタンティン・デミリスが前面に出てストーリーが展開する。なんと前作でショックのあまり記憶喪失となったキャサリンを、自分に対する裏切りの復讐として殺そうと画策しているのだ。とにかくこのデミリスの黒さが全編に渡って描かれている。そしてこいつは本当に悪い!そして金が豊富にあるだけに恐ろしい。しかし悪は栄えず。その権力と財力とで封じ込めてきた復讐劇が、綻んでいき、デミリスの周囲を真綿で首を絞めるようにデミリスもまた窮地に陥っていく。それをたくみに交わすデミリスの奸智もまた見ものだ。

そして前作でも裁判でデミリスの策謀に一役買ったあの百戦連勝の弁護士(名前忘れた!)も登場場面が増えている。
特に冒頭でいきなり毒殺容疑で逮捕された妻の無実を晴らすために公判中、いきなり証拠物件として挙げられているその妻が飲ませた薬品を嚥下し、なんともないことをアピールし、無罪を勝ち取るのだ。もちろんそれは毒薬。そこからどうやって彼は助かるのかというのは本書の興を殺ぐのでここでは詳述を避ける。
ただこの裁判のくだりは後にトゥローの諸作を読んだあとでは、やはり想像の産物と云わざるを得ないほど細部が甘い。恐らく本当の裁判ではこのようなことをして、即無罪という判決には至らないだろう。
検事が出す証拠に対し、いくつも反証を挙げ、それを陪審員の判断に委ねなければならない。1つ1つがつぶさに検証されるわけだ。特にここでの裁判はそれまで弁護側は劣勢であり、最後の巻き返しの切り札であのようなパフォーマンスをせざるを得なかったようだった風に思う。
ただやはりこのシーンは今でもこのように感想に書けるほど鮮烈に残っていた。当時読んだとき、私は既に大学生であったが、実に単純にシェルダンマジックに引っかかってしまった。あれから15年。今この作品を読むと私はどういう風に思うだろうか。

しかし、私の記憶力もここまで。本作は面白かったという感慨は残ってはいるものの、詳細についてはもはや霧の彼方。ただ前作がアンハッピー・エンドだったのに対し、今回はハッピー・エンドだったのは覚えている。やはりそこはアメリカ人なんだろうね。巨悪は滅びないといけないのだ。
しかしあの結末から上下巻もの物語を紡ぎだし、しかも冗長さを感じさせないというのが素晴らしい(詳しく覚えていないけど)。ただ後から振り返ればこの頃、既にシドニー・シェルダンも一時の狂的な売り上げから比べると下り坂であり、人気の高い『真夜中は~』の続編の本書はその右下がり曲線を押し上げるための起爆剤として期待されていたように思う。そして私個人的にもシェルダン作品はここまでという思いがある。

Tetchy
WHOKS60S

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