ネオナチの少女
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
ネオナチの少女の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハイディ・ベネケンシュタインさんの本です。平野卿子さんの訳です。 表紙がこりゃまあ美人なパツキンのチャンネーで、「なに?ナチプレイとかすんの?」とか下半身がハーケンクロイツになりそうな勢いで読んでしまいましたが、 狂信的なナチを信奉する家庭に育ち、ひそかにナチの教育を受けて育った少女が、「なんかおかしくね?」とだんだんとナチから距離をとり、やがて恋人とともに「脱ナチ」をする、という展開でした。 いまだに、ナチを支持している人間が多く、かつそいつらがネットワークを緊密にしていたりして、すごいコワイですね。 日本の右翼も、さすがにここまでしないような…。 とはいっても、だんだんと右翼活動=ナチ活動がカジュアルになっていて、若者が支持しやすい地ができあがりつつあるらしいのが、不気味です。 日本の右翼は、ネトウヨやら日本会議やら、昨今は不気味に胎動している感じですが、それと同じようなものを感じました。 ナチの土着性っていうか、たちの悪さを感じましたね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父親によって「いわば正統派のナチとして純粋培養(訳者あとがきより)」されて育てられた1992年生まれのドイツ人女性が、家庭や学校での生活やその後の右翼共同体での活動と、そこからの脱却について綴った著書です。 本書のなかでは、著者自身も含めた右翼共同体に依存する人々についての言及が印象的でした。 ・父自身、絶えず反抗していたのだ。自分より知的な人、権力のある人、影響力のある人に。 勇敢だからではない、自信がないからだ ・自分は選ばれた人間なのだという確信、それはわたしにとって大きな慰め ・少数派で、敵で、のけ者で、敗者だ。でも敵の数が多ければ多いほど、団結はますます強くなる ・社会からドロップアウトしてしまった彼らは、不満のために右翼の世界にいっそうしがみつく ・彼らは自分も愛さないし他人も愛さない。いわんや自立した女を愛すことはない そして著者は自身が右翼共同体から脱出できた大きな理由として、同じく組織に属していた夫フェーリクスへの愛を挙げたうえで、次のように述べています。「チャンスは向こうからトントンとドアをたたいてはくれない、自分でつかむしかないのだ。情報を集め、努力するしかないのだ。」 ヨーロッパではベストセラーとありますが、そもそもネオナチの現状や社会背景、関連する現代的な著名人についての基礎知識がある程度は前提となっていることもあってか、私は本書からそれほど大きなインパクトを受けることがありませんでした。 また、ネオナチからの脱退を描く終盤を除いて、時系列ではなくテーマごとに構成されているため、扱われる事実の時間関係は前後するのですが、内容的には時系列での物語形式のほうが面白くなっていたように思えます。読み物はあまり魅力を感じませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ヴァイス『ドイツの新右翼』の副読本の位置付けか。ポストモダン的文化や左翼的手法(ユートピア村とか僻地での軍事訓練って左翼の手法ですよね)をとりいれつつ、実際は古いまま、子どもや低学歴者しか動員できない。上でも書かれているとおり、脱退の場面は全然納得行くように書けていませんね。普通の不良の世界程度の抜けにくさでしかなかったようで。ただ単にだめな連中の集まりだったから辞めている。親からやらされていたから感が強すぎ、そこに留まりたいと思わせるような魔力を感じさせるようなものがほとんどない。というか全体的に筆力が足りないというか、感覚・印象に基づいた記述が多く(といってもさほど印象的な叙述はできていない...)、まったく分析的な叙述になってませんね。経験した内容も、カルトや犯罪組織に捕らわれていたとかそこまでドラマチックなものではない(わけではないのかもしれないけれど筆力がない)。こんなんじゃ『レッド』は描けないな。中に書かれているとおり、著者が義務教育しか経験せず若くしてならず者の世界に入ったため、根本的に勉強が足りないせいではないかと思われます。わざわざ翻訳して出すほどの本ではなかったかもしれない。あまりにも内容が薄い。極右の知的空虚さを如実に示してくれる本ではある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は父親が極右思想の持主の娘として生まれた女性の半生記です 著者の父親は、ホロコーストはねつ造、アンネの日記は偽書、アメリカはユダヤ人に支配されており、家庭内で英語を使うことは禁止というかなり極端な極右思想の持ち主で、その思想を実の娘にも押しつけます 驚くのはこの父親が社会の落後者や犯罪者などではなく地域でも一目おかれている有力者なことです 著者が少女の時に、同じ思想グループの子供たちが集められてナチス式のキャンプが行われますが、そうした子供たちの親も裕福な家の子などが多く、極右思想を抱くのは決して貧困階級の落ちこぼれなどではないことが分かります 著者はそうした家庭で育ったことから、ごく自然に極右思想を身につけ、極右グループの連中とつるんでは、何度も左翼グループと街中で抗争したりします しかしながら、こうした極右グループに集まった連中の粗暴すぎる言動や、女性への扱い(著書は何度かグループの連中から性的関係を迫られる)に疑問を持ち、恋人と共に極右思想グループから脱会し、後には批判的な言論活動を行うようになります 国境を全てなくせ!みたいな極左思想も問題だとは思いますが、このような極右思想も問題であり、やはり中庸な思想を歩むのが最も大切ではないかと思います(それがなかなかできないから、難しいんですけど) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第二次世界大戦の敗戦国で、我が国より先に移民向け入れ政策をとったドイツがどのようになったかを調べるため本書を読んだ。恐らく日本も後10何年もすれば移民二世と共存する社会になっているだろう。その時日本人ながら格差社会で負けてしまった人々が、怒りの矛先を彼らにむけて来るかも知れない。本書に書かれたことが人ごとで済むことを祈る。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 8件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|