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ショボタン さんのレビュー一覧
ショボタンさんのページへレビュー数4件
全4件 1~4 1/1ページ
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元・警視庁エリートキャリアで一警察署長となった竜崎を取り巻く人々を描いたスピンオフ第二段。
単なる警察小説としてだけでなく、部下を持つ管理職、あるいはなにかのセクションのリーダーとしての心得を説いたビジネス書としても読める。 「できないことをやろうとするからうろたえるのであり、できることをちゃんとやればうろたえることはない」「人と人の間に立って何かをまとめようとする時、自分なりのアイディアを持っていないと失敗する」「理想を追求するのに、何をためらうことがあろうか」ってもはやビジネス書である。 何よりも、まじめ人間竜崎の仕事に向き合う姿勢がとにかく基本に忠実であり、一般的常識のフィルタを通して客観的に自己を見る、市民(顧客)に説明できないことはしない、私情は一切挟まないなど管理職のあるべき姿として描かれている。 もちろん警察小説としても面白いけど、随所にひょっこり現れる戸高巡査部長のスピンオフがないのが物足りないので減点。 |
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東大卒で国家公務員試験甲種に合格、警察庁総務課長という絵にかいたようなエリート、しかも「東大以外は大学じゃない」と私立一流大学を合格した息子に浪人させているうえに、「女は家庭で夫を支えるのが普通」と娘の就職には無関心。家の事は妻にまかせっきりで趣味もなし、深夜でも呼び出されれば背広にネクタイで赴く。それが主人公・竜崎。もうほんとうに嫌な人間のステロタイプのような主人公が、ある事件を通じて少しずつ変貌していく。といっても堅物であることには変わりないのだけど、この人の場合自分にまず厳しく、周りにも同じに厳しいところがよくいるクソ上司と違う。そして、清廉であれという信念がまったくぶれることがない。突き抜けちゃっているのだ。そのぶれない信念が、淀んで濁りまくった警察幹部の汚泥を文字通りひっかきまわし突き抜けていくさまは爽快。ただ、結末になんのほろ苦さも皮肉もない大団円なのがマイナスポイントか?
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作中、「因果応報」という言葉が数回出てくるが、これに尽きる。悪意を持って他人を傷つける者は、自分も傷を負う。そして人は傷つけられたことは忘れないのに、いとも簡単に傷つけたことは忘れてしまう。この作品に登場する少女たちは皆、可憐な見た目を装いながら、残酷さに満ちており、しかも無知ゆえか傷つけた自覚さえない。無邪気に人を傷つけ、そして自らが傷を負うと世の中を呪い、他人のせいにし、自分だけが被害者となる。こんな厄介な人種が現実に世の中にあふれかえっていると思うと、とにかくこの作品のような事件が起きないことを祈るばかりです。
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