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ムンディ さんのレビュー一覧

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レビュー数1

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No.1: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

読み方を間違った

分量的にそれほど長くなく、次々事件が起きるので退屈しない。しかし、人物たちの背景の掘り下げや演出も少なく深みに欠け、物足りないと思った。
サイコ風味なキャラクターや罪について内省する者など多様な人物が登場するが、一様にあっさり描写に終始する。
(ギミックの「兵隊さんの人形」という演出も中途半端で、状況を禍々しいものに彩るには不足だった)。
作者自身、小説としての深みなど元より眼中になく、シチュエーションの奇抜さにトライしていく事が楽しかったのだろう。
クリスティーの最高傑作のように喧伝されているので、間違った期待の仕方をしてしまった。これはまったくこちらの不明である。
読み方をわきまえていればもっと楽しく読めたかもしれない。
そういう意味でミステリーをはじめて読む人には最高のおすすめになると思う。
ただし翻訳は芯がなく、サスペンス、ミステリーの文章には向かないと感じた。
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)