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No.13
ユニット
佐々木譲
徹底しきれなかったサスペンス
No.12
制服捜査
正義はどこにある?
No.11
緑の毒
桐野夏生
毒が薄められて・・・
No.10
密売人
密売人は、何を売ったのか?
No.9
深追い
横山秀夫
組織人の再出発物語
No.8
猫は忘れない
東直己
〈俺〉も五十代になって変わったか・・・
No.7
デス・コレクターズ
ジャック・カーリイ
まさに全方位的エンターテイメント
No.6
百番目の男
舌を巻くデビュー作
No.5
未練
乃南アサ
まっすぐな音道
No.4
夜明けのパトロール
ドン・ウィンズロウ
サーフ・ノワール、ねぇ?
No.3
アンダーワールドUSA
ジェイムズ・エルロイ
エルロイ・ワールド全開
No.2
晩鐘
重い本でした
No.1
花散る頃の殺人
音道シリーズのガイドブック
少年犯罪の被害者と加害者、DV、生き甲斐がすれ違ってしまった中年夫婦の悲哀など、今の社会状況を反映した奥の深い問題を背景にした3つのストーリーが重複しながら展開される構造となっている。これらの問題は、ひとつずつが何度も小説の主題に取り上げられているものばかりで、問題が三重に絡まった本作はきわめて社会性の濃い内容となっている。作者は、これを良質なエンターテイメント(サスペンス小説)にして見せてくれる。
加害者が犯行時に18歳未満の少年だったことから7年で仮出獄になったことを知った被害者が、報復のために加害者を殺害しようとするストーリーは、殺されかけた加害者が逆に被害者に報復しようとするところから、がぜん面白くなる。また、執拗に妻の行方を追いかけるDV警官の夫が徐々に狂人となって行くところもサスペンスがあって面白い。
しかし、最後の最後、関係者が集合して一気に問題解決になだれ込むクライマックスシーンが、残念ながらちょっと弱い。社会正義を貫くにはこの方法が一番妥当だろうなという方法で話が終わるし、かなりご都合主義的な話の持って行き方が、そこまで続いてきたサスペンス性を弱めてしまった気がしてちょっと物足りなかった。作者は、こういうシーンがあまり得意ではないのかも知れない。