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エンダーの子どもたち



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エンダーの子どもたちの評価: 3.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

『エンダーのゲーム』の延長ではない、その後の物語

オースン・スコット・カードの代表作『エンダーのゲーム』は、1977年に短編として発表され、1985年に長編化され、1999年に『エンダーズ・シャドウ』でエンダーの副官ビーンの視点で描き直された。2013年には実写映画化され、原作者カードもプロデューサーの一員としてプロジェクトに加わっている。このようにオースン・スコット・カードは40年近い作家生活を通して、『エンダーのゲーム』を磨き上げつつ、その周辺に幾つもの物語を紡いできた。

まずは『…ゲーム』の翌年に『死者の代弁者』で、地球を去ったエンダーのその後を語り始める。それは過酷なバトルスクール時代の話とは打って変わって、異種知性体と人類の対立と交流の物語となり、1991年の『ゼノサイド』 でそれを発展させ、1996年に本書『エンダーの子どもたち』を上梓して「エンダー・サーガ」に一区切りをつけた。そして前述の『…シャドウ』でビーンの視点による対バガー戦争に立ち戻り、2001年の『シャドウ・オブ・ヘゲモン』 からバトルスクール卒業生たちのその後を語り始める。本書『…子どもたち』は、このようなサーガ中の位置づけにある。内容は『…代弁者』『ゼノサイド』との連携が密で、それらを未読の場合は世界観を掴みにくいかもしれない。

それはさておき、『エンダーのゲーム』のファンにとって、その後のエンダーの贖罪の旅や家族との絆の物語は読みたい「お話」なのだろうか? 少なくとも私にとっては、6歳にしてバトルスクールに放り込まれ、過酷な訓練を強いられ、人類の生存を背負って戦場に送り込まれる中で成長する少年の、ある種のビルドゥングスロマンと勝利の苦いカタルシスが『…ゲーム』の魅力だった。確かに「エンダー・サーガ」はオースン・スコット・カードの筆力によって、十分に読み応えのあるSFに仕上がってはいる。だが、野球ファンが、贔屓のスター選手が引退後に開店した焼き鳥屋での奮闘記を読まされいるような「これじゃない感」が拭えない。せめて少年野球の監督としての奮闘記ぐらいにはしてもらえないだろうか、と思ってしまう。

更に本書において、カードは大江健三郎に妙な影響を受けてしまい、戦後70年談話を巡って問題になったような「日本の侵略」問題に首を突っ込み、敗戦後に占領軍が注入した民主主義によって日本が自力では為し得なかった近代化を達成できたと恩に着せ、遂には「日本人の祖先は全て朝鮮から来た」といったトンデモ史観まで開陳するに至った。ご愛敬と笑って見過ごす事もできなくはないが、『…ゲーム』に魅了された私としては、こんなカードの与太話は読みたくなかった。

エンダーのその後を追うよりも、私には地球に帰ったビーンのその後の方が面白い。
エンダーの子どもたち 上 (ハヤカワ文庫 SF カ 1-17)Amazon書評・レビュー:エンダーの子どもたち 上 (ハヤカワ文庫 SF カ 1-17)より
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