■スポンサードリンク
夢の国から目覚めても
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夢の国から目覚めてもの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
百合が好きな理由は各々あっても良いがそれ以上、つまり「百合好きは現実の同性愛に関心や配慮を持つべき」とか「現実の女性への差別問題へ声を上げるべき」等の現実で起こっている問題を百合好きや百合界隈に持ち込むべきではない。 腐女子や男女恋愛を好んでる人達も自ジャンルは現実とは切り離して考えているのでは? 作中の男性作家が「僕達は当事者の人達からみて相談できるような人間ではなかった」と後悔してる描写があるけど、これも後悔するような事柄ではなく現実と創作ジャンルは別けて考えるべきではないのか。 百合ばかりが現実の当事者や女性問題に配慮や関心を持たなければいけないというのは納得がいかない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レズビアンと百合好き同人作家の恋愛機軸の現実路線の話としては面白かったが、ラストがご都合主義すぎて萎えた。 せめて数年同人活動頑張った結果スカウトされましたよ、とかなら納得できなくないのだが。 めちゃくちゃあっさり成功しすぎて、「あ、これフィクションだったんだ」と拍子抜け。夢の国から目覚めてないじゃん……。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は女性同士で恋愛をするということへの悩みや社会的な障害が非常にリアリティのある文章で綴られていて、私が普段読んでいる百合作品からは出てこないようなテーマをたくさん知ることができてとても良かったです。 私が百合を求める理由、百合に対してどんな夢を見ているのか。改めてそれを明確に思い出させてくれる機会にもなりました。 普段まともな文章を書かないいのでうまく読了後の感想を伝えられないですが、とにかく百合好きさんは一度読んでみて欲しい1冊です。 最後に。体験を元にしたものなのかフィクションなのかどうかはわかりませんが、30年先でもずっとずっとお幸せに。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最高でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
当方23才女、百合にハマって8年、さまざまな百合漫画、アニメ、小説を読んできました。 この作品はその中でも最高傑作だと思いました。自分の中で「百合」とはなんだったのか、「百合が好き」というのはどう言うことなのか。それらが全て整理されて、ストンと心に落ちました。 本当に素晴らしい小説だと思います。どのレベルでもいいので、百合が好きな人は一度は読むべき本だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「百合」――、ごく狭義の意味合いで言えば先に成立した男性同性愛を象徴する花「薔薇」の対義語。 すなわち対をなす女性同士の友情、愛情を描いた創作の一ジャンルを意味します。 もっとも近年のジャンル「百合」は愛から反転した憎悪、嫌悪、嫉妬などの負の感情を含むそうです。 女性同士が巨大な自意識をぶつけあい、時に反転するさまを描くことで生まれる喜怒哀楽怨、感情のうねりがもたらす感動へとその範囲を広げているようですがそれはさておき。それも一説に過ぎません。 ここで注目しておきたい観方は百合はあくまで「創作」の一カテゴリであるという点でしょうか。 もちろん、「百合」も現実の女性同性愛「レズビアン」と重複する部分もあります。 とは言え、フィクションと割り切って良くも悪くも客観視、理想化、偶像化などして楽しむための線引きとして捉える向きが強い。 そういった点を踏まえたうえで、本作について続いて述べるとします。 本作では「百合」という創作に向き合う現実、わかりやすい二項対立を前にした主人公を務めるふたりの女性が、苦悩と葛藤を経てから回復、調和していく流れを描きます。 その中でタイトルにもある「夢」を絡め「百合」という命題に挑む――という構成を取っているのです。 「夢(ゆめ)」と「百合(ゆり)」。 一字違いでも五十音表からすれば隣り合える距離ではなく。 「有希(ゆき)」と「由香(ゆか)」。 主人公の女性ふたりは隣り合えていても理想を具現化した上記ふたつの概念とは隔たっている。 「ゆ」がつないだ、たったの二文字に込めた思いがこの上なく伝わってくる、かもしれません。これまた私見ですが。 そういったわけか、本作は二幕構成となっているのですが。 前半は同性愛者である有希が煩悶し、苦悩する内向きの視点。 後半はパートナーとして有希の思いに応えた由香が社会と折合っていく外向きの視点となっています。 簡素な表現でこのふたりを言い表すことをお許しいただけるのならば。 表紙の左半分を占めるボーイッシュで物憂げな有希がその印象を裏切らないほどには繊細で、ひるがえって右半分を占めるガーリッシュで物怖じをしなさそうな由香が、ささくれ立つほど臆病だからこそ強い。 と、言った風でしょうか。 孤独に自身の胸中を腕で抱きながら、必死に言葉を飲み込む有希。 一足先に社会の荒波に挑んだからこそ、戦いの言葉を胸中で泡立たせる由香。 もちろん、片側の視点に立てばもう一人の視点は見えません。 この構成がまた、もどかしくもいとおしいのです。 有希の視点からすれば、能天気にはしゃいでいるように見えた由香の姿は本人が抱える「女性」という性が潜在的に抱える不安の裏返しだったりで、外見と一見正反対だったので驚かせられました。 それと同時に由香の視点に立てば、今度は実家の無理解という巨大な問題を潜在的に抱えながら、その先に、社会に挑んでいこうとする有希の姿が見え隠れするのに、力になりきれないのがもどかしい。 そういったままならない現実を明け透けにしながらも、彼女たちは「百合」という創作(虚構)を愛し、微妙に噛み合わない双方の関係を、自身の言葉でかけがえのないものだと定義していきます。 本作の前提として、主人公ふたりを繋ぐのが二次創作系同人サークルの共同執筆者という縁も大きい。 ふたりは複数の劇中作、それから方向性は違えど、同じく「百合」を愛する男女問わずな、ほかの同人サークルの皆様とのゆるやかな連帯と対立を経て、答えを導き出していきます。 ちなみに、劇中で取り上げられる作品としては創作三点、現実一点と順を追っての形。 夢は夢だと知った上で、現実に穏やかに溶け込ませていくこの作品らしいですね。 リアルに則し、互いに傷つけ、許し、最後は微笑みを向けられるはずの「凪と詩子」たちの物語。 超越者になったからこそ誰よりも自由闊達に奔放に愛を囁けるようになった「まゆらとラァラ」の物語。 ゆるふわで、だけど、だからこそマイノリティのそしりもなく互いを認め合える「おかしぶ」の物語。 それらを受け、最後に紹介されるのは現実の百合の歴史を語る上では絶対に外せない、あの超有名作品。 タイトルを出さずとも、あのフレーズだけで悟っていただけるはずの、あの作品です。 作風は違えどこれらの作品を通して、百合が愛おしいものであるというメッセージを伝えてきます。 その一方で、だからこそ、百合は大切なもので、傷つけたくないからこそ触れたくない――という相反する感情も頂点を極めるのですけどね。 それを受けてのクライマックスを間近にし、視点に立たずとも同じく百合を愛する同好の士である男性の創作者が抱える煩悶も吐き出されるわけですが、ここで一つの答えが出たのだと、私は思いました。 もちろんこれがすべてではないのだろうけれど、百合という名の理想に向き合う人々にはそれぞれの言葉が必要なのだろうけど、ほっとすることもできました。 きっとこのレビューを書いている私自身、許しの言葉が欲しかったひとりになるのだと思います。 ちなみに読者層としては、著者である宮田先生の紹介を見てもわかる通り、青い鳥のアイコンでおなじみのSNS「Twitter」文化圏に属し、「Pixiv」などの画像、小説投稿/閲覧サイトの文化に親しみ多少の知識を得ている方向けといえるのでしょう。もっとも、その辺の断りを今言っても詮無きことですが。 時に2021年昨今、「新型コロナウィルス(COVID-19)」のために人と人とのつながりが絶たれ気味になりました。作中で重きを為す即売会もまた大きな影響を受けており、今後は不明にせよ僅かばかりの郷愁はあるのかもしれません。 ただ、それらを抜きにしても本作は間違いなく「百合」という概念に向き合い、最前線を駆ける「最新」の作品です。最新が多少なりとも更新される日があろうとも、この最新は早々に揺るがない。 なんなら、それを抜きにしても、その時の、たった今この時の、最新であることは絶対だと言い切ってしまってもいいです。答え抜きに大切だからこそ、どう向き合うか? という疑問は不動でしょうから。 それと余談ながら、気まぐれで誰得な仕様変更を繰り返す、どこにいるやら青い鳥ですが「星(☆)」のアイコンを「いいね(ハート)」にしたことに感謝する日が訪れるとは思いませんでした。 手に届かない星より、ぎゅっとしたい心と考えれば花弁の見立てと合わせこの作品に似合い過ぎていて。 それでは最後のまとめも兼ねて少々思うことを述べさせていただきます。 本書が二部構成というのは先に申し上げましたが、幕間からの転換は劇的な「夢」の実現という形で行われます。一度まぶたの帳を下ろしてから……、などと洒落込んだ言い方をしてもいいでしょうか? それから、少々はしたない言い方をお許しいただけるなら……。 ひとつめは眠るときに見る「夢」――、寝屋での愛をささやくふたりの睦言を彩るためとして。 ふたつめは現実に挑むためにぎゅっと胸の内に抱きしめる将来の展望や理想を具現化した「夢」です。 そういった、夢の示唆として本書の表紙/挿絵を担当されるイラストレーター「切符」先生の筆による有希と由香、繊細ながらに、確かな存在に根差した美しいふたりにもまた注目しました。 どちらの目が閉じられているか? もしくは、その逆か、目を閉じてゆっくりと、もしくは目を見開いてからじっくりと考えてみてもいいかもしれません。 そうした上で、最後にもうひとつ。 『夢の国から目覚めても』、タイトルにもあるこの言葉を、最も効果的なタイミングで引き出した、この作品ですが、あなたならどんな言葉を続けたいか? もしくは、言葉にしたくないか? そういった問いを投げかけてきてくれるように思えてなりませんでした。 さいわい、夢見る時も目覚める時も代わる代わるにやってきます。 問いかけ自体が貴いとして、言葉紡ぐなら私はきっと、あわいを選ぶのでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的な事情もあって、まるで自分のことを書かれているようだったというのもありますが、自然な文章運びや巧みな心情描写に一気に心を持っていかれました。 私の方はまだこの素敵な夢からは目覚められそうにないです。でもそれでもいいような気もしています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ヘテロの子の話に強く共感しました。 素敵な物語です。 生きてる人みんなが読めばいいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
百合の創作に携わるヘテロの女の子、ビアンの女の子、男の人…さまざまな立場での百合の捉え方、人はなぜ百合を描くのか…考えさせられる素晴らしい「百合作品」でした。私自身、百合の創作活動をしていることもあり、刺さる部分も多かったです。特に由香の心理描写は多分社会人の女子なら多くの人が感じてる部分だと思いますし、だからこそ百合が救いになる…というのもまんま自分と重なる部分があって胸にきましたw 現実と夢と狭間で生きる人全てに対するエールのような作品です。未読の方は是非! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!