和菓子のアン
評判
和菓子のアンの評価:
3.79/5点 レビュー 193件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全258件 61〜80 4/13ページ
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和菓子のアンの評価:
3.79/5点 レビュー 193件。 B ランク
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主人公は、食べることが大好きでぽっちゃり体型の少女・梅本杏子。高校を卒業しても進路が決まらず、東京デパート地下食品売り場(デパ地下)にある和菓子店「みつ屋」でアルバイトを始める。目標があるわけでもなく、生活費を稼ぐぞという強い意志があるわけでもない(自宅暮らしだから)今時のアルバイトだ。「いつでも辞めてやる」という気持ちで働く杏子は、しかし、商店街で育ったために商売をする人の気持ちがよくわかってしまう。様々なクレームやトラブル、先輩や上司との軋轢も「商店街の人たちはこうだったな」という気持ちで乗り切れてしまう。そうしているうちに、和菓子の世界の奥深さに魅せられ(もともと食べることは大好き!)、もっと知りたいという気持ちが強くなる。
普通、こういう小説は主人公の恋愛感情が高まって物語を引っ張っていくものだが(『ビブリア古書堂の事件手帖』などがいい例)、主人公はぽっちゃり体型で男子とは縁がなかった杏子。相手役になるはずのイケメン和菓子職人の立花はおねぇ。なかなかそういう雰囲気にはなっていかない。だが、それだけに、お仕事小説としての濃度が高まっているのではないだろうか。
自らお仕事作家と称する三浦しをんの『神去なあなあ日常』や『愛なき世界』でも恋愛感情が物語を推進するエネルギーとなっている。しかし、『和菓子のアン』にはそれが見られない。(続編はまた別)と、なると、物語を進めるのは杏子(アン)の和菓子のことをもっと知りたいという欲求しかない。そういう意味でも貴重な存在になっているのではないだろうか。売れているライトノベルなのに恋愛がからまない小説って。
お仕事小説では舞台裏がどれほど描けているかということも重要になる。似鳥鶏『レジまでの推理』や原田マハ『モダン』など、お仕事小説とくくれる作品も仕事の種類も数限りなく存在する。原田マハのように、元キュレーター(学芸員)であれば舞台裏には詳しいだろうが、坂木司は取材して書き上げた。似鳥鶏もそうらしい。どれほど物語にリアリティを持たせるかは、取材の仕方と物語化の力量によるだろう。坂木司はそうした意味でも優れた作家だといえると思う。なぜなら、『ワーキング・ホリデー』では運送業、『シンデレラ・ティース』では歯科医、『ホテル・ジューシー』ではホテル業と、全く違う職業をリアリティを持たせて描いているのだから。