身寄りなし。写真付きIDなし。

高齢期のパート職員が必死に働く坂田パーキングエリア。

誰にでも青春があった。被害者にも犯人にも、そして刑事にもー。

バイト先の掲示板で見つけた奇妙な貼り紙「磁力と健康セミナー・無料開催」。それは地獄への扉だったー認めてほしい。

東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。

「或る、バイト体験者の話をインタビューしてきてください」 新作の執筆依頼でバイト体験者たちに取材をしていく一人の作家。

東京の町なかにひっそりと佇む「日比野豆腐店」。

イラストレーターの想一は、高校時代の友人でノンフィクション作家のミヤビから、彼女が受けた依頼の手伝いを頼まれる。

数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に―ー。

シングルマザーの美苗は、兄夫婦と両親、祖母が引っ越したばかりの家に幼い娘とともに身を寄せる。

里海町の町役場で働く由佳利は、二週間前に婚約破棄をされてしまい人生行き詰まり中。

亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹（「魂疫」）。縁切り神社で行われる、奇妙な“儀式”（表題作）。

江戸川乱歩『黒手組』風の暗号ラブレター、夏目漱石『こころ』みたいな三角(?)関係。

おしゃべりと食べることと仕事が大好きな33歳のひまりは、ある夏の日交通事故に遭ってしまう。 目が覚めると体が動かない。

日本の聾学校ではじめてできた理髪科を卒業した第一号であり、自分の店を持った最初の人。

救急医・武田のもとに搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。