サンクトペテルブルクの鍋



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    初公開日(参考)2025年12月
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    長編小説

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    サンクトペテルブルクの鍋

    2025年12月17日 サンクトペテルブルクの鍋

    日本文学の冒険はじまる 男たちの眼前で、トウシューズが煮えていく。靴の主は、マリー・タリオーニ。 十九世紀を代表する、ヨーロッパの名ダンサーである。 その伝説の靴を、愛好家たちは競り落としーー食べようとしていた。 えっ、本当に食べるの? 鍋をのぞき込みながら、牽制し合う男たち。 ぐつぐつ、ぐつぐつ。 気づくと中には、ピョートル一世、井上保三郎、高崎の観音像、そして令和の大学生まで。洋の東西、過去現在を超えた食材が投げ込まれていたーー。 異能の作家が、世界文学の門をくぐり、供した一皿。(「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (5pt)

    奇妙奇天烈な小説

    好き嫌いのわかれる作品でしょうね。物語の舞台は、18世紀初のロシア サンクトペテルブルグ、19世紀なかばのサンクトペテルブルグ、昭和初期の高崎、現代のとある大学の間をめまぐるしく入れ替わる。そのほかにも作中作のようなストーリーや劇中劇のようなシーンも挿入され、物語は発散して収束しようとしない。作品の地の文で 熱く語っていた作者自身と思われる人物が、いつのまにか作品中の登場人物に入れ替わっていたのには驚かされた。まさに暴走する小説、読者は置き去りにされる。
    この作品を通じて作者が描きたかったものはなんなのだろうか。単純に表層を読めば、学生たちの青春ストーリーということになるだろうが、学生たちの愚かしい諍いや、大北方戦争、高崎大空襲などの話からは争うことの愚かさ、反戦意識が垣間見られる。また、バレエシューズに大金を払う男たちや、女学生を意のままに動かそうとする学生たちの描写には、女性が男たちの道具として消費されることへの反発が込められているようにも受け止められる。作者自身が巻頭で暗示しているように、この作品は バラバラの物語や様々なメッセージが すべて一緒くたに投げ込まれた闇鍋ということなのだろう。
    非常に冒険的な小説で、ともすれば読みにくい作品ともなりかねないところであるが、軽妙洒脱な文体で意外に読みやすかった。終盤にかけて、文体から前半のような面白みが減少していったのは、真面目なメッセージを伝える段階に入ったということなのかもしれないが、できれば 最後まで前半のような調子で書いてもらいたかった。
    サンクトペテルブルクの鍋Amazon書評・レビュー:サンクトペテルブルクの鍋より
    4093867755



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