電索官エチカと群衆の見た夢: ユア・フォルマIII
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あらすじ
過ちと分かってなお手放せない感情には、どんな醜い名がつくだろうか――。★第27回電撃小説大賞《大賞》受賞のSFクライムドラマ・第3弾★!――あの日、自分は選択を間違えた。エチカ自らの意思で抱えた、ハロルドの敬愛規律にまつわる秘密。その重圧からか、電索能力が突如急低下してしまう。電索官としての復帰が絶望的な状況の中、一般捜査員として新事件の捜査に臨むエチカ。そこで目にしたのは、新たな「天才」と組むハロルドの姿で――。エチカとハロルドが別々の場所で追うのは、「思考をのぞける人間」を自称するハッカー〈E〉。ネット掲示板に国際刑事警察機構の秘匿事項を次々書き込み、【真実を追求せよ】とユーザーを扇動する〈E〉の真の標的とは――!?(「BOOK」データベースより)
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評判
電索官エチカと群衆の見た夢: ユア・フォルマIIIの評価:
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電索官エチカと群衆の見た夢: ユア・フォルマIIIの総合評価:
9.50/10点 レビュー 4件。
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使われている――すなわち本来アミクスに刷り込まれているはずの人間に対する敬愛精神に背き、
アミクス自身の判断で人間に刃を向ける可能性があるという、明らかになれば世界を揺るがす
大問題になるだけでなく、決定の如何によってはRFモデルのアミクスであるハロルドの存在が
危うくなると知ったエチカはこの秘密を自分の中にしまうことにするが、その代償として
自身の精神が不安定となり、ノルウェー・カトウケイノに住むバイオハッカーの一族の娘で
電子犯罪捜査局の民間協力者でもあるビガから精神を安定させる非合法のカートリッジを
定期的に入手していた。
そんな中、『E』と名乗る者が偶数日の正午にネット上の匿名掲示板で
『イライアス・テイラーがユア・フォルマを使って人々を洗脳しようとした事実を
電子犯罪捜査局が隠蔽している』というICPOの最高機密をリークしたり、
一見すると荒唐無稽な『E』の陰謀論が事実であることが次々と明るみになることで
ユア・フォルマに懐疑的な人々の嫌悪感を煽り、多くの信奉者を生み出していった。
そんな中、別件である電子ドラッグの売買ルートの摘発により逮捕された容疑者に
電索を試みたエチカだったが、『原因不明の情報処理能力の低下』により電索ができなくなり、
エチカとハロルドのコンビは解消。エチカは捜査支援課へ異動となり電索官から捜査官に、
ハロルドは新しいパートナーであるフランス人女性ライザ・ロバンと組むこととなる。
『E』が次々と電子犯罪捜査局の隠蔽を明らかにするにつれ、扇動された信奉者たちは
劇場でライザを襲ったり上司のウイ・トトキのアパルトマンを強襲したり、
革命記念日の夜にリヨンの本部を襲うようになっていった――が前半のあらすじ。
第1巻ではイライアス・テイラーという明確な『悪役』が存在していたが、以降は
『善対悪』という単純な対立構造ではなく、第2巻ではレクシーによる天才故の純粋な
限界突破に対する意欲と好奇心の強さによる副作用のような倫理観の欠如、
そしてこの第3巻でエチカはハロルドを守るべくRFモデルのアミクスに関する重大な秘密を
背負うこととなり、結果的に『正しさ』を求める世間と乖離することとなったエチカと
彼女が属する電子犯罪捜査局、技術の発達により伝統的なライフスタイルが奪われ、
糧を得るために非合法な活動に手を出すビガたちバイオハッカーのコミュニティ、
世間に対するフラストレーションを抱く『E』の信奉者たちが『各々が考える善および正義』
あるいは『ベストではないがベターな考え』をぶつけ合わせることで物語に厚みを
持たせていることが分かる。、
視点がハロルドに切り替わり、『人間に対する敬愛精神に反する行為』に対する警告が
自身に発せられるシーンはおそらく同じく電撃文庫の人気シリーズである
『ソードアート・オンライン』の『アリシゼーション編』における、アンダーワールドの
掟を破ると右目が破滅する『コード871』という設定から着想を得たものと推察できる。
また、物語に登場する都市や建物、道路はユア・フォルマや電索に関すること以外は
基本的には実在するが、冒頭においてエチカがユーロスターや高速鉄道HS1の駅がある
ケント州アシュフォードを訪れ、レクシーが収監されている刑務所を訪れる描写があるが、
ケント州にはアシュフォードはおろか、州内に刑務所が無い一方、作中で『私立刑務所』と
呼称していること、隣のサリー州にある同名の街であるアシュフォードには民間運営の
刑務所であるHMPブロンズフィールドがあることそして同刑務所が重犯罪者の成人女性と
年少者(女性)を収容していることから、作者が『二つのアシュフォード』を合成したものと
推察できる。