自白の風景
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
自白の風景の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
自白の風景の総合評価:
9.50/10点 レビュー 4件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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何年も後、遠く離れた場所でひき逃げ死亡事件が発生します。被害者は、菊山事件を裁いた元裁判長滝川実、加害者として拘留されたのは、同じ事件で捜査の中心だった元警部堀内利勝でした。堀内は一旦は犯行を自供するものの、後に無罪を主張、そうする中で、自分は計略に嵌り、自らの強引な捜査で有罪とされた菊山事件の矢代と同じ立場に立たされていることを知ります。
この本のテーマは冤罪です。自白を後に翻す容疑者に対し、やってもいないことを自供するはずがない、あれは最後のあがきだなどと私たちは思いがちですが、作者は本の題名の通り、虚偽の自白に導かれる風景を説得力を持って描いていきます。証拠を捏造したり、自白を強要したりする捜査官に、罪の意識はほとんどありません。それは彼らが非人間的だからではなく、彼らは状況から被疑者の有罪を確信していて、運悪く決定的証拠がないだけだと考えているからです。自分たちの行為が正義だと思っている以上、彼らの良心が暴走を止めることは期待できないでしょう。
この本はミステリーなのですが、作者にはまず描きたかった題材として冤罪の構造があり、ミステリー作家である以上、それをミステリーを通して表現した、私にはそんな風に感じられました。だからといって娯楽性が低いわけでは決してなく、人間の挫折、偶然事件に巻き込まれる理不尽さ等を考えながら、最初から最後まで飽きることなく一気に読めます。結末も、先を読むのが得意でない私には意外でした。社会派のミステリーの傑作であり、お勧めの本です。