ラブ@メール



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初公開日(参考)2010年02月
分類

長編小説

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ラブ@メール (光文社文庫)

2010年02月09日 ラブ@メール (光文社文庫)

七夕の日、突然、世界中のカップルがバタバタと死に始めた。お互いを貪るように求め合った後に悶死するのだ。さらに、相手がいない者は、狂わんばかりに「愛」を求めて街を彷徨う。その姿は、ゾンビのようだった。伝染病?それとも細菌テロ?“発症”を免れた裕也と妊婦の唯は、自衛隊員の大熊と出会い、驚くべき事実を知る―。新鋭が放つ、異形なる愛の物語。 (「BOOK」データベースより)




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No.1:
(5pt)

異形の愛の物語

本レビューは結末まで言及しています。一読後に読まれることをおすすめします。 

 いやはや、参った!
 見事なまでの異形の愛の物語だ!
 人間とは求め合う動物である。他の動物も同じであるが、高度な知性を有するが故に様々なものを求めている。
 ある者はドラマを、ある者は財を、といった具合だ。
 そんな人間も基を辿れば野生動物なのだ。野生動物にとってはドラマなど二の次三の次で、生き抜き、子孫を残すことが目的だった。ここに愛があるのか否かはレビューの筋を大きく変えてしまうため、触れずにおく。
 七夕の日に始まった狂ったような愛の求め合い。人々は求め合い、バタバタと倒れていく。
 今まで数多の作家が恐怖を題材に人間の本質を見つめる作品を発表してきた。そこで描かれるのは残酷で無慈悲、それでいて獣である我々自身を人間という檻の中に閉じ込めてもがく、我々自身の姿であった。
 本作で発症する「愛」は病的である。死ぬまで性愛を欲し続ける作用を持っている、と言っても過言ではない。
 では主人公たちはどうか。
 病的な「愛」には感染しないが、相手を思いやる「愛」を持っている。これは危機的状況のみならず日常的に人間が持つ「優しさ」から表出するそれだ。
 作者はここで、性愛と思いやりがごちゃ混ぜになった現代を風刺したかったのではないだろうか。優しい言葉の裏には「やりたい、誰かと繋がりたい、一人ではいたくない」という欲望が溢れかえっている。都市部のクリスマスイブや七夕に本作で描かれた事件が起きても不思議ではない。孤独は人を狂わせ、誑かし、道を踏み誤らせるのだ。
 ラストも黙示録的である。あのハートマークだらけのメールは母親の感染を示しているのか、それともただ単に興奮で我を失っているだけなのか。はたまた感染したが故にこちらに来るなと言っているようにも思える。
 読み手の想像力を試す結末をあえて選択したのには、踏み絵的な効果を考えてのことなのだろう。ここで我々は突きつけられるのだ。あなたにとっての愛はどんなものですか? 我を忘れるほどの激しい性愛を伴っているのか、はたまた穏やかに愛する人を守る「優しさ」や「思いやり」を伴っているのか。
 現代に溢れかえった「愛」へのアンチテーゼを突きつける恐ろしい小説だ。
ラブ@メール (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ラブ@メール (光文社文庫)より
4334747272



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