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とかげ さんのレビュー一覧
とかげさんのページへレビュー数4件
全4件 1~4 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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メフィスト賞を受賞した、殊能将之のデビュー作。
次の獲物である美少女の周辺を調査していた主人公は、死体となった彼女の第一発見者となる。美少女の首にはハサミが突き立てられていたのだが、これはマスコミから「ハサミ男」と呼ばれている殺人犯の手口にそっくりだ。しかしそんなはずはない。「ハサミ男」は自分なのだから―― 模倣犯自体はさほど珍しい要素ではないが、『ハサミ男』では殺人犯が主人公で、自分の手口の模倣犯を探すという設定が目新しい。 また、その主人公自身の性格もなかなか面白い。淡々とした語り口で、「医師」と呼ぶ人物と不思議な会話をし、自殺未遂を繰り返し、何事もなかったかのように仕事をこなし、そして推理を働かせながら模倣犯を探すのだ。 このシリアルキラーに共感はできないのだけれど、なぜか応援したくなってしまう。 本文では主人公視点の他、警察視点でもこの事件を追っていく。 警察側も個性のある面々で、若い刑事の目線から、事件の情報や警察の捜査状況が徐々に判明していく。 アンフェアな表現やあからさまなミスリードなど、少し引っかかる点はあるものの、模倣犯探しを純粋に楽しむことのできる作品だと思う。 ネタバレ被害に遭いやすい作品でもあるので、早めに読んでおくことをオススメする。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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詐欺師の中年二人は、それぞれ暗い過去を抱えていた。ひょんなことからそこへ少女が加わり、更に増えて結局5人と1匹の不思議な生活が始まった。平穏な毎日を手に入れるため、彼らは驚きの計画を実行する。
オッサン二人にあまり惹かれず、最初だけ読んで放置してしまっていた本だった。 最近また続きを読み進めていたのだが、少女が登場してからは展開も速くなり、面白い方向に転がりそうだぞと中盤からは夢中になって読めた。 ところどころで登場する詐欺の手口もなかなか見事で、なるほどなあと感心してしまう場面もあった。 詐欺と借金が題材で、登場人物達は様々な事情を抱えているのだけれど、主人公の語り口が軽いせいか、そこまで暗い雰囲気はない。 「謎を探って推理していく」というザ・ミステリな形式ではないが、エンターテイメントとして「次はどんな展開になるのか?」とわくわくしながら読んでいける作品。 最後にはオッサン二人も好きになっていた。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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十角形の不思議な館がある孤島へ、ミステリ研究会のメンバー7人がやってきた。半年前に殺人事件が起きたその島で、1週間を過ごすつもりだ。
一方、殺されたはずの島の主人の名前で送られた怪文書を、本土に残っていた会員が受け取り、その謎を追って調査を始める。 書かれたのが80年代ということで、時代が違うなと感じてしまう。しかし、文章自体は読みやすく、ストーリー展開も淀みないので、読み始めてしまえばすんなり最後まで読み切ってしまえるだろう。 次々に事件が起こる「島」と、謎の手紙の真相を探っていく「本土」の2つの舞台が交互に展開され、今度は何が起こるのだろうとわくわくしながら読めた。 そこに謎があり、その謎に対して解決を試みるという、昔ながらのミステリ的展開――これぞミステリ、と思わせてくれる作品だ。 登場人物の名前については、正直とっつきにくい印象を受けたが、そこでこの作品を食わず嫌いしてしまうのはとても勿体ない。 ただ、あまりに有名な作品ゆえ、ネタバレ情報が多いのが難点だ。未読の方は、もうこれ以上の情報は仕入れず、本書を読むことをオススメする。 しいて言えば、『十角館の殺人』を読む前にアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を読んでおくと、より楽しめると思う。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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1939年に発表された、アガサ・クリスティの代表作。
10人の老若男女が孤島に招待されたが、招待状の送り主は姿を現さない。やがて招待客は一人、また一人と何者かに殺されていく……。 70年以上前に書かれた海外作品であるため、作中の時代背景は古く、最初はなかなかこの世界観に入り込めないかもしれない。 しかし、しばらく読んでいけば、次々と起こる殺人事件、疑心暗鬼に陥る登場人物達、テンポよく進んでいく物語にどんどん惹かれていく。 良くも悪くもシンプルなつくりなので、ミステリを読み慣れている人には物足りないかもしれないが、ミステリ初心者には安心しておすすめできる作品だ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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