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とかげ さんのレビュー一覧
とかげさんのページへレビュー数3件
全3件 1~3 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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「今かけ直そうか届けようか
でも残りは小銭だけだから、もう郵便局に駆け込むしかないのか」 偶然耳にしたこのなんてことはないフレーズから、驚きの真相が導かれる。 ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』が好きで、似た系統の小説はないか探していたとき、小説家・青崎有吾氏の過去のツイートを見かけた。九マイルオマージュの作品をいくつか挙げられていたうち、著者名もタイトルも全く聞いたことがなかったものがこの『ロジカ・ドラマチカ』だったので、試しに読んでみた。 『九マイルは遠すぎる』は、そのフレーズから可能性が高そうなことを推論し、そこからさらにまたあり得そうなことを⋯⋯と積み上げていくので、最終的な結論はさほど蓋然性は高くないように思われる。だからこそ思いも寄らない真相となって面白いのだが、もう少し厳密な推論の方が好きな人もいるだろう。 その点、『ロジカ・ドラマチカ』は恐ろしいくらいに同値変形にこだわっている。そのくらいはみんな納得しそうだが、というような解釈についても、容赦なく根拠と可能性を並べ、しつこく検討する(このしつこさが苦手な人もいるだろうけれども)。 4章からなり、それぞれで最初に挙げたようなあるフレーズから真相を導くというスタイルをとっている。 独特な言い回しや、登場人物2人の関係性については、好みが分かれそう(自分は正直、あまり好きではないタイプだった)だが、目指す方向性は興味深い。 先に『九マイルは遠すぎる』を読んでおくと、より楽しめるのではないかなと思う(特に『九マイル』が気に入った人は)。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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探偵の経験を持つ主人公が、悪徳商法の調査を頼まれた。悪徳商法どころか、保険金殺人の可能性があるのだという。同じ頃、女性が自殺しようとしているところに鉢合わせ、彼女を救う羽目に。事件に恋愛に、自称「何でもやってやろう屋」が挑む。
一部とはいえネタバレを食らったことで、手を出せていなかった作品。 思いきって読んでみたら、エピソードも仕掛けも多く、意外と楽しめた。 大きく分けて3つのストーリーが同時に展開していく複雑な構成なので、他の本と並行して読んだり、毎日数ページずつ読んだりするよりも、時間をとってじっくり読み進めた方がいいかもしれない。 気まぐれにあっちこっち話が飛ぶような感じで、ある意味飽きずに読んでいける。 本筋の事件の他にも推理を楽しめる事件があったし、主人公の恋愛観や人生観も興味深かった。 少々アンフェアな部分があること、詰め込みすぎな印象があることから、点数をつけるとあまり高くはならないが、細かいことは気にせず、エンターテイメントとして楽しむのが良さそうだ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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謎を解かずにはいられない男子高校生が出会ったのは、全身白ずくめで一言もしゃべらない、不思議な女子生徒。
ふとしたきっかけで彼女に触れたら、世界が暗転し、「天使」が支配する奇妙な空間へひきずりこまれた! 空間から脱出するには、天使の問う謎の「状況」を解明しなくてはいけない―― 「ウミガメのスープ」に代表される水平思考クイズとは、簡単に言えば「出題者が謎を含む問題を出題し、参加者がYES/NOで答えられる質問を重ねることで、真実を推理するゲーム」である。一発で答えを導くのではなく、質問・回答のやりとりがあるのが特徴だ。 『ラテラル』では白ずくめの謎の少女に触れると、水平思考クイズを解かなくてはいけない状況に陥るという設定になっている。作者オリジナルの水平思考クイズがいくつか登場し、本を読みながら自分でもクイズの真相を推理していくことができる。 この「ウミガメのスープ」を題材にするアイディアが面白い。ゲームの進め方や、質問の仕方など、物語の中でさりげなく説明されていくため、水平思考クイズを知らない人でもルールを確認しながら読み進めることができる。作者のウミガメ愛が伝わってくる。(作者は昔、インターネット上でウミガメのスープを遊んでいたようだ) 作中作として登場する水平思考クイズの他、もちろん物語全体を通して存在する謎も楽しめる。 ただし、文章表現やキャラクタはいまひとつ。いわゆるライトノベルっぽさがあって、苦手な人もいるだろう。 生かし切れていない設定も多く(続編を書くつもりで残している部分が多いのだろうか?)、プロットも惜しいなあという印象。 「ウミガメのスープ」に興味がある人、どんなものか知りたいと思っている人にはオススメだ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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