賢者はベンチで思索する

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

賢者はベンチで思索するの評価:

4.11/5点 レビュー 18件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.11pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21〜32 2/2ページ
No.12
(3pt)

期待して読んでみたが、「サクリファイス」が図抜けた作品であることを思い知らされた

巻末で本書の解説をしている作家の柴田よしきが、近藤史恵がデビュー以来15年もかかって、遂に「サクリファイス」でブレイクしたことを我が事のように大喜びしつつ、「みんな、遅いよっ!!!」、「まったく、みんなはいったい何を読んでいたのだっ」といっておられる。実は、私もそんな読者のうちの1人であり、「サクリファイス」で初めて接した近藤史恵の高い筆力に感銘を受け、「この人の著作なら、他にも面白いものがあるのでは」と思い、「エデン」から本書と、読み進めていったのである。 

本書は、21歳のフリーター久里子と謎の老人、国枝を主人公とする連作中編ミステリ集であり、3話が納められている。しかし、このうち、第三章の「その人の背負ったもの」こそ水準以上のミステリとして読めるレベルにあるものの、前二章については、ミステリとしては拍子抜けするほど単純過ぎて、おおよそミステリ小説といえるほどのレベルにはないと思う。

たしかに、本書には、柴田よしきが「近藤さんは、女の子、を愛しているのだと思う」といっているように、久里子と同世代の女性が読んだら、「こんなこと、あるよね」、「そんな気持ち、わかるよね」と共感できる世界が描かれているとは思うのだが、それは、それ以外の読者層が格別共感できる世界ではないということの裏返しでもある。また、ミステリとしての魅力に乏しい前二章も、第三章の伏線になっていることは事実なのだが、本書がミステリ小説としての体裁を取っている以上は、前二章についても、単なる伏線程度の価値だけでなく、ミステリ本来のレベルをもう少し上げてもらわないと、ミステリ・ファンとしては物足りなさしか感じられないのだ。

柴田よしきは、同業者のよしみもあってか、「近藤史恵の作品は質が高く、読んで面白いものばかり」、「どの作品も秀作、傑作揃いでハズレがない」と、本人もこそばゆく感じるのではないかと思うほどの激賞振りなのだが、私は、少なくとも、「エデン」と、この「賢者はベンチで思索する」を読んだ限りでは、「サクリファイス」が図抜けた作品であることを思い知らされてしまったとしかいいようがないのである。 
賢者はベンチで思索する (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索する (文春文庫)より
4167716038
No.11
(3pt)

期待して読んでみたが、「サクリファイス」が図抜けた作品であることを思い知らされた

巻末で本書の解説をしている作家の柴田よしきが、近藤史恵がデビュー以来15年もかかって、遂に「サクリファイス」でブレイクしたことを我が事のように大喜びしつつ、「みんな、遅いよっ!!!」、「まったく、みんなはいったい何を読んでいたのだっ」といっておられる。実は、私もそんな読者のうちの1人であり、「サクリファイス」で初めて接した近藤史恵の高い筆力に感銘を受け、「この人の著作なら、他にも面白いものがあるのでは」と思い、「エデン」から本書と、読み進めていったのである。 

本書は、21歳のフリーター久里子と謎の老人、国枝を主人公とする連作中編ミステリ集であり、3話が納められている。しかし、このうち、第三章の「その人の背負ったもの」こそ水準以上のミステリとして読めるレベルにあるものの、前二章については、ミステリとしては拍子抜けするほど単純過ぎて、おおよそミステリ小説といえるほどのレベルにはないと思う。

たしかに、本書には、柴田よしきが「近藤さんは、女の子、を愛しているのだと思う」といっているように、久里子と同世代の女性が読んだら、「こんなこと、あるよね」、「そんな気持ち、わかるよね」と共感できる世界が描かれているとは思うのだが、それは、それ以外の読者層が格別共感できる世界ではないということの裏返しでもある。また、ミステリとしての魅力に乏しい前二章も、第三章の伏線になっていることは事実なのだが、本書がミステリ小説としての体裁を取っている以上は、前二章についても、単なる伏線程度の価値だけでなく、ミステリ本来のレベルをもう少し上げてもらわないと、ミステリ・ファンとしては物足りなさしか感じられないのだ。

柴田よしきは、同業者のよしみもあってか、「近藤史恵の作品は質が高く、読んで面白いものばかり」、「どの作品も秀作、傑作揃いでハズレがない」と、本人もこそばゆく感じるのではないかと思うほどの激賞振りなのだが、私は、少なくとも、「エデン」と、この「賢者はベンチで思索する」を読んだ限りでは、「サクリファイス」が図抜けた作品であることを思い知らされてしまったとしかいいようがないのである。 

賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.10
(4pt)

悪意はどこにでもある

サクリファイスで近藤さんの本が気に入ったので買いました。
日常の謎、と呼ばれる作品で久しぶりの当たりでした。
探偵役の老人が老人なのに(失礼)魅力的で、彼のことが気になり、読み
終わってからもまた彼とクリコの物語が読みたくなりました。
上記作品とは内容こそ異なれ、読みやすさ、という点では共通しており、
殺人なども起きないので、万人にお勧めできる一冊だと思います。

賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.9
(4pt)

悪意はどこにでもある

サクリファイスで近藤さんの本が気に入ったので買いました。
日常の謎、と呼ばれる作品で久しぶりの当たりでした。
探偵役の老人が老人なのに(失礼)魅力的で、彼のことが気になり、読み
終わってからもまた彼とクリコの物語が読みたくなりました。
上記作品とは内容こそ異なれ、読みやすさ、という点では共通しており、
殺人なども起きないので、万人にお勧めできる一冊だと思います。

賢者はベンチで思索する (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索する (文春文庫)より
4167716038
No.8
(5pt)

温かい気持ちになります

人が死なないミステリーが好きな私には
とてもツボでした。
主人公の気持ちの描写も過去に自分が体験した気持ちとリンクしていたりするので
昔を思い出しつつ読みました。
主人公とおじいさんとのやりとりもなんだかほんわかとしていたし
好きになった彼との会話も「この感覚懐かしいな」なんて思ったり。
ラストの章の真相がわかったところもとてもよくて
ほんとうにあったかい気持ちになりました
続編があるということなのでそれも読んでみたいし
この方の作品は読んだことはなかったので
他の作品も読んでみようと思います。
賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.7
(5pt)

温かい気持ちになります

人が死なないミステリーが好きな私には
とてもツボでした。
主人公の気持ちの描写も過去に自分が体験した気持ちとリンクしていたりするので
昔を思い出しつつ読みました。
主人公とおじいさんとのやりとりもなんだかほんわかとしていたし
好きになった彼との会話も「この感覚懐かしいな」なんて思ったり。
ラストの章の真相がわかったところもとてもよくて
ほんとうにあったかい気持ちになりました
続編があるということなのでそれも読んでみたいし
この方の作品は読んだことはなかったので
他の作品も読んでみようと思います。
賢者はベンチで思索する (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索する (文春文庫)より
4167716038
No.6
(3pt)

すぐそばにもありそうな感覚

05年05月の単行本を文庫化,3編の連続短編集です.
『日常の謎』と呼ばれるジャンルになると思いますが,
人の持つ『小さな悪意』というものが描かれているため,
ちょっと重ための事件や話題が多いような印象を受けます.
またそれらは,なにげない会話などからも伝わってくるため,
身近に思いあたる節があったりと,苦々しさをおぼえることも.
反面,主人公の心が晴れていく終盤は心地のよい読了感で,
謎解きがわかりやすく,やや物足らないところもあるものの,
せつなさから一転するラストには,つづきを期待させられます.
ただ,同じ著者の別シリーズと似ているところが気になり,
主人公の性格や役割など,ハッキリとした違いはあるにせよ,
特定の場所を中心に,日常の謎と小さな悪意が描かれる展開は,
今ひとつ,この作品だからこそというものが見えづらかったです.
賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.5
(3pt)

すぐそばにもありそうな感覚

05年05月の単行本を文庫化,3編の連続短編集です.
『日常の謎』と呼ばれるジャンルになると思いますが,
人の持つ『小さな悪意』というものが描かれているため,
ちょっと重ための事件や話題が多いような印象を受けます.
またそれらは,なにげない会話などからも伝わってくるため,
身近に思いあたる節があったりと,苦々しさをおぼえることも.
反面,主人公の心が晴れていく終盤は心地のよい読了感で,
謎解きがわかりやすく,やや物足らないところもあるものの,
せつなさから一転するラストには,つづきを期待させられます.
ただ,同じ著者の別シリーズと似ているところが気になり,
主人公の性格や役割など,ハッキリとした違いはあるにせよ,
特定の場所を中心に,日常の謎と小さな悪意が描かれる展開は,
今ひとつ,この作品だからこそというものが見えづらかったです.
賢者はベンチで思索する (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索する (文春文庫)より
4167716038
No.4
(5pt)

事件の真相は関わった人の思いの数だけあるのかも

学校を卒業してから、思うように就職できず、ファミレスでアルバイトをする主人公。表向きは浪人生、実際はひきこもりに近い生活をする弟。主人公が働くファミレスで日常の大半をぼーと過ごすおじいさん。
主人公のまわりでは、衝撃的だけど、犯罪として裁くことができないような事件が起きる。
なにもかも、どこか身に覚えのあるはなしでした。おじいさんの正体は衝撃的でしたが…。
賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.3
(3pt)

自分が定まらない時期に読む本

21才の主人公は希望の会社に就職できずアルバイト中弟は二浪中家族と同居しているが両親の心配な思いが重荷で、自分も不安が混在そんな主人公久理子にベンチであう時だけ賢者になる不思議な老人国枝さん久理子のバイト先ファミレスではもたもたのおじいさんになる国枝さんでも公園では賢者なのだ久理子が悩み困っている問題を解決してしまう自分が定まらない21才の女の子が、社会へ向けて自分の足を踏み出すまでの間、年齢が大きく離れた老人と友人になり、自分の本音を語れたことで本当の自分が見えるようになる。そこにミステリーがからむので読み易いと思う
賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.2
(4pt)

少しだけ「賢者」になれそうです

「いつだって悪意はすれちがうほど側にいる」ファミレスで働く、21歳の久里子、そしてファミレスでいつも同じ席に座る国枝老人。少し痴呆の症状が出ているらしい国枝老人だが、ファミレス以外の場所で会うときは痴呆だなんて信じられないくらい、鋭いところを見せる。そんな2人を探偵役に、「人の悪意」が引き起こす事件を、鮮やかに解決する。少しほっとするものの、なんだか悲しさが残る解決の結果は、「悪意」というものが、周囲を巻きこんで悲しみを生むからかもしれません。いつも身近にある「悪意」がテーマの本だけれど、悪意だけではない例えば信頼や、友情や、絆や・・・・・・そんな泥臭いものも多分に詰まった物語。読み終わると、少しだけ「賢者」になれそうです。
賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X
No.1
(4pt)

優しい気持ちになれます

ファミレスに勤める21歳の久里子と、そのファミレスでいつも同じ席に座る国枝老人。しかもこの老人、少し痴呆の様子も見受けられる。はっきり言って、探偵役としてはあまり絵にはならない2人です。けれど、そこを面白くしてしまうのが近藤さん。2匹の犬もいい味出してます。とにかく、あっというまに物語に引き込まれてしまい、一章だけ読んだら寝るつもりが、気づいたら全章読破してしまっていました。もうちょっと味わって読むべきだったかも・・・?帯の「いつだって悪意はすれちがうほど側にいる」のフレーズが、この本のテーマであることは間違いないでしょう。でも、絶対に悪意以外のものも存在するはずです。読んだ後、ほっとして優しい気持ちになれました。
賢者はベンチで思索する Amazon書評・レビュー: 賢者はベンチで思索するより
416323960X