われは幻に棲む

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

われは幻に棲むの評価:

4.25/5点 レビュー 4件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.25pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1〜13 1/1ページ
No.13
(5pt)

MIKA7

愛と性欲にまみれても生きなければならない3人・・・・。
現代小説ではないのに、こんなにワクワク、ドキドキする小説は久しぶりだった。
女優の中根が犯されてる場面は、誰もが1度は妄想したことがあるだろう。
最後がまた悲しくて素晴らしい。
われは幻に棲む (ケイブンシャ文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (ケイブンシャ文庫)より
4766931645
No.12
(5pt)

MIKA7

愛と性欲にまみれても生きなければならない3人・・・・。
現代小説ではないのに、こんなにワクワク、ドキドキする小説は久しぶりだった。
女優の中根が犯されてる場面は、誰もが1度は妄想したことがあるだろう。
最後がまた悲しくて素晴らしい。
われは幻に棲む (徳間文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (徳間文庫)より
4195872723
No.11
(5pt)

MIKA7

愛と性欲にまみれても生きなければならない3人・・・・。
現代小説ではないのに、こんなにワクワク、ドキドキする小説は久しぶりだった。
女優の中根が犯されてる場面は、誰もが1度は妄想したことがあるだろう。
最後がまた悲しくて素晴らしい。
われは幻に棲む (西村寿行選集 28) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (西村寿行選集 28)より
4191522000
No.10
(5pt)

MIKA7

愛と性欲にまみれても生きなければならない3人・・・・。
現代小説ではないのに、こんなにワクワク、ドキドキする小説は久しぶりだった。
女優の中根が犯されてる場面は、誰もが1度は妄想したことがあるだろう。
最後がまた悲しくて素晴らしい。
われは幻に棲む (1978年) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (1978年)より
B000J8KQS4
No.9
(5pt)

MIKA7

愛と性欲にまみれても生きなければならない3人・・・・。
現代小説ではないのに、こんなにワクワク、ドキドキする小説は久しぶりだった。
女優の中根が犯されてる場面は、誰もが1度は妄想したことがあるだろう。
最後がまた悲しくて素晴らしい。
われは幻に棲む (1979年) (西村寿行選集) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (1979年) (西村寿行選集)より
B000J8C9U2
No.8
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (1978年) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (1978年)より
B000J8KQS4
No.7
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (ケイブンシャ文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (ケイブンシャ文庫)より
4766931645
No.6
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (徳間文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (徳間文庫)より
4195872723
No.5
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (西村寿行選集 28) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (西村寿行選集 28)より
4191522000
No.4
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (ケイブンシャ文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (ケイブンシャ文庫)より
4766931645
No.3
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (徳間文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (徳間文庫)より
4195872723
No.2
(5pt)

超異色のヒロイン

登場人物は勿論、物語のイメージも鮮やかな変貌を経ていく作品だと思う。冒頭で、「ち一号」が銀行強盗を劇的に成功したり、この一部始終の奇妙な目撃談について、野心的な精神科医が大胆な解明説__結果的には間違いだったが__を展開した辺りまでは、むしろコミカルなアクション小説みたいに感じられた。やがて番犬殺しの続発と「鬼女」の登場によって、犯行側は少し不気味な集団__「ち一号」がまんまと逃亡した時に、「仙人」もいることを知っていたから__であり、これから起こるのも実は血腥い活動なのだろうと思えてくる(登場する、例の精神科医や警察関係者もそれを述べていたが)。そして大竹夫妻の惨殺事件によって、第四章以後は確かに残酷な物語__動機は絶対、復讐だよな、とすぐに勘付いたものだ__だったと証明される。でも、ここからが凄いのだ。「鬼女」=朱美(=則子)が、読んでいるこちらの頭の中でも変貌するのである。登場して暫くの間は、ただの恐ろしい殺人鬼にしか見えない。それが第六章で女優・中根恵子宅を襲った辺りから、冷酷で機械の如き殺人者ぶりに加え、良くも悪くも熱い人間的感情をも窺わせる面を見せ始める。これはやはり、育ての凶悪者・「仙人」を捨てたことがきっかけであろう。さらに井上美紀と出会い、女性同士の恋愛関係に入って以後の彼女は、ハッキリ言って一種のアクション・ヒロインであった(美紀を誘拐した者が、悪しき政財界の有力者だったから余計そう感じる)。だから最終第九章__『決戦』。題からしてそれらしい__の活躍は、ひたすらカッコいい。・・・ここでちょっと考えた。朱美は、肉体的には男性を知っている。でも、特定の男性を愛したことはなかったのだ。人間的な優しさを身に帯びだしたきっかけは、美紀との恋愛である。つまり精神的・本質的には処女同然ではないか?『修羅の峠』の越路津恵とか、『幻想都市』の里原真砂__彼女らは肉体的に穢れを知らなかった__と、ある意味共通した、寿行さん流”理想の女性”の面があったように思えてならない。だからあれほど多くの人命を奪っても、父の愛で再生への希望の灯がともる、という感動の小説風ラストを迎えることになったのではないか。本作品最後にして最大の、変貌あるいは逆転が可能になった理由は、この点にあったと考えてもよさそうだ。
われは幻に棲む (西村寿行選集 28) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (西村寿行選集 28)より
4191522000
No.1
(4pt)

人間の情

西村寿行の作品ですので、性描写に露骨なところもあります。
が、全編に描かれているのは親子の情で読後ホットします。
われは幻に棲む (1980年) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: われは幻に棲む (1980年) (角川文庫)より
B000J84T9Q