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クルーザー殺人事件



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クルーザー殺人事件の評価: 3.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

読む人を選ぶ怪作。こんなのありかよ

評論家の千街晶之氏は、より正確には「百人中百人・・・とは言いませんが、百人中九十九人は犯人を当てられないと思います」と本作を評していた。
いかに読者の意表を衝くか、その点だけに作者の意図が絞られており、読む人を選ぶ作品だと思う。

全体の半分まで進んだところで、いったん最有力容疑者が逮捕され、起訴される。
ところが、警察は重要な証言の一つを見逃していた。
あと残り約30ページの終盤で、被告の無実が明らかに。
捜査は、一からやり直しになってしまうが、残り少ないページ数で、どうやって結末をつけるのか?
ここで掟破りの荒業が意表を衝いて炸裂し、読者は「こんなのアリかよ!?」とビックリして終わり。

つまり、作者の力点は、クルーザーの扉に鍵をかける物理的トリックの解明にも、動機の追及にも置かれていない。
最も強い、当たり前の動機を持ちながら、他の人物に容疑を押し付け、捜査圏外に逃れるという策略の方が、メイントリックである。
しかも、最後に明かされる犯人は、「物盗りの線」「怨恨の線」といった常識的な捜査線上に存在しておらず、動機の面からもアリバイの面からも物理的トリックの面からも、正攻法では犯人像に迫りえない。
その意味では極めて意外な、というよりブッ飛んだ犯人であり、まさに「百人中九十九人は犯人を当てられない」作品である。
言わば、意外性を狙いすぎたあまり、ホームランではなくファールに終わっている。
決して名作や傑作ではない。むしろ、一種の怪作、トンデモ本なのだ。
それでも、作者の稚気や良し、と思える人には楽しく読めるが、そうでない人は、お怒りになって当然である。
クルーザー殺人事件 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:クルーザー殺人事件 (角川文庫)より
4041504260

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