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クルーザー殺人事件
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クルーザー殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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評論家の千街晶之氏は、より正確には「百人中百人・・・とは言いませんが、百人中九十九人は犯人を当てられないと思います」と本作を評していた。 いかに読者の意表を衝くか、その点だけに作者の意図が絞られており、読む人を選ぶ作品だと思う。 全体の半分まで進んだところで、いったん最有力容疑者が逮捕され、起訴される。 ところが、警察は重要な証言の一つを見逃していた。 あと残り約30ページの終盤で、被告の無実が明らかに。 捜査は、一からやり直しになってしまうが、残り少ないページ数で、どうやって結末をつけるのか? ここで掟破りの荒業が意表を衝いて炸裂し、読者は「こんなのアリかよ!?」とビックリして終わり。 つまり、作者の力点は、クルーザーの扉に鍵をかける物理的トリックの解明にも、動機の追及にも置かれていない。 最も強い、当たり前の動機を持ちながら、他の人物に容疑を押し付け、捜査圏外に逃れるという策略の方が、メイントリックである。 しかも、最後に明かされる犯人は、「物盗りの線」「怨恨の線」といった常識的な捜査線上に存在しておらず、動機の面からもアリバイの面からも物理的トリックの面からも、正攻法では犯人像に迫りえない。 その意味では極めて意外な、というよりブッ飛んだ犯人であり、まさに「百人中九十九人は犯人を当てられない」作品である。 言わば、意外性を狙いすぎたあまり、ホームランではなくファールに終わっている。 決して名作や傑作ではない。むしろ、一種の怪作、トンデモ本なのだ。 それでも、作者の稚気や良し、と思える人には楽しく読めるが、そうでない人は、お怒りになって当然である。 | ||||
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