山河豊かな小舞藩、父代わりの兄を何者かに殺された林弥は友らに支えられ剣の稽古に励む日々を送るが、江戸から来た家老の息子・透馬との出会いから運命が動きだす。

小舞藩が大火に見舞われた。執政たちの対応が遅く、苛立ちを募らせた樫井透馬は、側近の新里正近らと人々の救済に奔走する。

石久藩で起きた政争で、かつての学友たちが惨殺され自裁してから２年。

石久藩の上士の子弟が通う藩学で虐げられ心身に深い傷を負った鳥羽新吾。庶民も通う薫風館に学舎を転じ、友を得た事で救われる。

江戸から遠く離れた田鶴藩。その藩主が襲われた。

小間物問屋『遠野屋』の主清之介は、生国嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。

嵯浪藩・西野家の一人娘・紀江は小太刀の名手。

山河豊かな小藩を舞台に、一途な愛を描く 仇討に出た男の帰りを待つ遊女、夫に自害された妻の選ぶ道、若き日に愛した娘との約束のため位を追われる男――傑作時代小説中篇集。

深川の縫箔（刺繍）屋・丸仙を訪れた町医者の宗徳は、職人の一居の姿を目にした瞬間「亡くなった知人に似ている」と取り乱し、直後に謎の死を遂げる。

藩の政が大きく変わる様を見届けるため、江戸から故郷に戻ってきた天羽藩上士の子・伊吹藤士郎と異母兄の柘植左京。

おれが必ず燦に逢わせてやるー遊女に堕ちた身を恥じながらも燦への想いを募らせる篠音に、伊月は誓う。

天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は藩政を揺るがす証文を発見するーそれは豪商と癒着した咎で切腹した父親が隠し持っていたものだった。

田鶴藩に戻った燦を不意に襲う、謎の飛礫。それはかつて共に暮らした與次の仕業だった。

物乞い稼業の少年・信太が、実入りの少なかった日、仲間のおみきに連れられて“えにし屋”を訪ねてきた。

江戸の町で女が次々と殺された。

「薮入りには帰っておいで。待ってるからね」母の言葉を胸に刻み、料理茶屋「橘屋」へ奉公に出たおふく。

小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。

おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父の仕事を手伝っている。

北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎の同僚で本勤並になったばかりの赤田哉次郎が女郎と心中した。

元服を目前に控えた伊吹藤士郎は、天羽販上士の嫡男として何不自由ない生活を送っていた。

浅草の油屋・利根屋の娘お玉に、本所随一の大店の主人との縁談が持ち上がった。

江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは十七歳。

「我慢しなくていいんですよ」　 天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。

手伝ってくれ、燦ー田鶴藩立て直しのため、燦に頭を下げる圭寿。

飲み屋で男二人が喧嘩をした。一人は大怪我、殴った男は遁走の果てに首を吊った。

胸を匕首で刺された骸が発見された。

江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。

不思議な能力を持つ娘おいちは、父・松庵のような医師になるべく、努力を重ねていた。

父のような医者になりたいと願う娘にぴったりの医塾が開かれることになり、おいちは希望に胸を膨らませる。

竹は女の樹だ。細く、風に容易くしなってしまう。

「きやぁぁっ」老舗の油問屋で悲鳴が上がる。大店で知られる東海屋の主が変死した。

橋の下で見つかった男の屍体の中から瑠璃が見つかった。

小間物問屋・遠野屋の元番頭が亡くなった。

燦、助けてくれ。頼む、燦。

胸を匕首で刺された骸が発見された。

この世に思いを残した人の姿が見えるおいちの前に、血の臭いをまとった男が現われる。

第６弾、奮闘篇。おいちの祝言の日に、ある商家で毒物混入事件が…。

悪夢を見た夜に必ず近所で起きる通り魔事件。

深川の縫箔（刺繍）屋丸仙の娘・おちえは「弟子入りしたい」と丸仙を訪れた若侍・吉澤一居に心を奪われる。

北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎が腹を刺された。

深川の縫箔（刺繍）屋・丸仙の娘、おちえの竹刀が盗まれた。おちえの父が大店のため縫い上げた花嫁衣裳にも不穏な影が忍び寄る。

地に埋められた私を救ってくれたのは、白兎と名乗る見知らぬ少年だった…… 心中間際に心変わりした恋人によって、土の中に埋められてしまった優枝。

「あたし、あの人がこんなにも好きなんだ」太物問屋『あたご屋』の一人娘・お八重はごろつきから助けてくれた“川獺”と名乗る男に想いを寄せている。

遊女たちの命を次々に奪う病の正体は！？-美濃屋の用心棒・甲三郎とともに、おゑんはその謎を追うが…。

戦国乱世を生き抜き、徳川の天下となったのちも、大名として、茶人として名を馳せた小堀遠州。

「闇神波は本気で我らを根絶やしにする気だ」。刺客、暗殺、陰謀。

江戸での生活がはじまった。伊月は藩の世継ぎ・圭寿とともに窮屈な大名屋敷住まい。

ホテルで行きずりの女を殺してしまった吉行は、車で逃げる雨の山中で不思議な少年と幼女に出会う。

天才絵師の名をほしいままにした兄・光琳が没して以来、尾形乾山は陶工としての限界に悩んでいた。

幕末の石見銀山。間歩と呼ばれる鉱山の坑道で生まれたお登枝は、美貌を見込まれ女郎屋に引き取られた。

「圭寿、死ね」。江戸の大名屋敷に暮らす田鶴藩の後嗣に、闇から男が襲いかかった。

ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。

中学入学直前の春休み、父の転勤で岡山県の山間の町に引っ越してきた原田巧。

真心を学び、患者と向き合う少女の感動の成長物語! 「お父つぁん、おっ母さん、もうすぐ私もいくからね」 流行り病で両親を亡くし、奉公先のいじめに耐えきれず、川に身を投げたお葉。

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。

直木賞作家の真骨頂! ほっこり笑えてじーんと泣ける江戸人情物語 巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛。