知り合いの染色デザイナー久子が“自殺村”出身と知った商社マン室谷は、古事記由来の地名を持つ村の秘密と死に魅力を感じる自らの出自の謎に導かれ、黄泉の国へと足を踏み入れていった…表題作の他、ユニークで破天荒な民話研究「庄ノ内民話考」、多元宇宙SF「二都物語」等

現代日本SF第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。

嘘をつかずにはいられない、その上その嘘が天才的にうまい。

編集者津野田のもとにスポンサーの名指しで邪馬台国特集の大きな仕事が舞い込んだ。

夢を買っていたはずの宝くじが当選した瞬間から、岩井栄介の人生は奇妙に歪みはじめていった。

アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭して商品の説明をしていた。

本所六間堀で夜鷹蕎麦屋の老爺が斬り殺された。

貧農の子亥吉と捨て子の千造は青空寺子屋で読み書き躾を習い、十一歳にして江戸に発った。

総理大臣が外遊する際、随行医も務める大町が新宿の高層街にクリニックをオープン。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

粋なやつ、不器用なやつ、土地っ子、よそ者…、色とりどりの人間模様が見られる東京浅草。

吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。傍には引き裂かれたジュラルミン製トランクの破片。

市助には８人の子がいた。その子らが夜ごと寝間を抜け出して、朝まで箪笥の上に坐っている。