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草の海 戦旅断想

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あらすじ

1986年05月01日 戦旅断想 草の海 (兵隊のエッセイ)

兵隊文学の第一人者が綴る感動の兵隊手帳。「振り向くとすぐうしろに戦場があった」痛切な戦争体験に根ざして、勇ましくも悲しき兵隊たちの鎮魂の戦記を営々と描きつづける兵隊作家の戦記エッセイ!「連隊一の金鵄勲章」「戦友会の仲間」「昔の仲間」の新作戦記3篇を併載する!(「BOOK」データベースより)

評判

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No.1
(4pt)

そこはかとない悲しみや親しみと尊厳、哀しさを感じる美しい日本語で書かれています。

伊藤桂一さんの文体は簡潔で、そこはかとない悲しみや親しみと尊厳、哀しさを感じる美しい日本語で書かれています。
美しい泉水を感じさせる文体と比喩したいと思います。
兵隊のエッセイ 戦旅・断想 「 草 の 海 」です。 
下高原千歳さんの挿絵も味わいがあります。

『戦場小説というのは、死生の間のできごとが材料になっているので、他のいかなるジャンルの作品も及ばないほど、内容はきびしくドラマチックである。

しかも戦争------というものについて、深刻に考えさせられる意味をも持っている。

戦場小説は、その性質上、戦中時代、ことに戦場生活の体験者に愛読熟読されるが、他世代の人たちも、戦場小説のもつ劇的な意味を理解すると、離れがたい牽引力を、その作品に覚えるようである。

内容が劇的であり、しかも空疎な作り物ではないのだから、当然、説得力もある』

『妻や恋人がいてもはるかに遠い存在だ。
おまけにそれに後ろ髪を引かれるものだから、つい心に隙ができて、人より先に弾丸に当たったりする。

死ぬまぎわに妻や恋人の名を呼び続ける兵隊を何人もみたが、きいているほうがつらい。

要するに自身が不毛不遇孤独の方がずっと楽だ、としみじみ思ったものである。

現世に執着を持たずに生きることの有利さ、について学んだのもこのときである、寂しいが、実に気楽なのだ(結局、この生の哲学が気に入って準棒したのだから、私も戦場で相当頭がイカれてしまったわけだろう)もっとも、虚心に戦場を生きたおかげで、私はかえって戦場の事象や風物を、冷静克明にみまもることができ、これがずっとのちに文学の仕事の上で、大いに役立ってくれることになったのである。

かりに、ひとりの女のことにでも拘泥していたら、ほかのことは眼に入らなかったかもしれない。

不遇'''というのは、ひとつのだいじな資産のようだ』

真実とは、何が幸いしているかわからないものです。
小宮山隆央
戦旅断想 草の海 (兵隊のエッセイ) Amazon書評・レビュー: 戦旅断想 草の海 (兵隊のエッセイ)より
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