■スポンサードリンク


ムンディ さんのレビュー一覧

ムンディさんのページへ
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

レビュー数2

全2件 1~2 1/1ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.2: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

残念な作品

様々出してくる奇怪な道具立ては楽しい。だがその扱いは児戯に類する。執筆は30代と思われるのだが、高校生が書いたような腰の据わらない脆弱な文章・凡庸な連載マンガのごとき緩い展開。「あれほど恐ろしいものに遭ったことはない」という見世物口上の過度な多用。この時代(昭和5年)に猟奇なビジョンを展開しようとする心意気は讃えたい。だが、文章家としての剛毅さに欠け、本来、暗黒の美学を生むような可能性を有しつつも、残念ながら結局こけおどしに終わった。
孤島の鬼 (創元推理文庫)
江戸川乱歩孤島の鬼 についてのレビュー
No.1: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

読み方を間違った

分量的にそれほど長くなく、次々事件が起きるので退屈しない。しかし、人物たちの背景の掘り下げや演出も少なく深みに欠け、物足りないと思った。
サイコ風味なキャラクターや罪について内省する者など多様な人物が登場するが、一様にあっさり描写に終始する。
(ギミックの「兵隊さんの人形」という演出も中途半端で、状況を禍々しいものに彩るには不足だった)。
作者自身、小説としての深みなど元より眼中になく、シチュエーションの奇抜さにトライしていく事が楽しかったのだろう。
クリスティーの最高傑作のように喧伝されているので、間違った期待の仕方をしてしまった。これはまったくこちらの不明である。
読み方をわきまえていればもっと楽しく読めたかもしれない。
そういう意味でミステリーをはじめて読む人には最高のおすすめになると思う。
ただし翻訳は芯がなく、サスペンス、ミステリーの文章には向かないと感じた。
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)