永遠の0

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評判

永遠の0の評価:

3.96/5点 レビュー 2,077件。 S ランク

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平均点3.96pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全319件 121〜140 7/16ページ
No.199
(3pt)

かなり読みやすいです。

児玉清さんの解説を合わせると600ページ近いボリュームですが、一気に読めます。
大戦ものを一度も読んだことも無い方には、ちょうどいいかも知れません。おすすめです。
戦記と考えるといかにもダイジェスト的で、細部は思いっきり省略しています。「F6Fヘルキャットやシコルスキー」とかのフレーズの反復が見られます。
それらはそれなりの理由があることです。戦後60余年という時間が経過しており、直接の証言者が極めて乏しい時点で書かれた書物の宿命でしょう。インタビューが現代に行われているはずなので、(その旨の注記もありますが)本来はもう少し違った表現になったはずでしょう。
また、昭和17年当時のニューギニアの空戦の戦記を読み漁ったものとしては、いささか違和感があります。B24(コンソリ)とかP38とかもあまり出てきませんし、1式戦(陸軍機)とか2式水戦とか、当時それなりに戦力であった機体も省略されています。他のレビューの方が記載している通り、有名な戦記物そのままの表現が頻出します。これも仕方ないことでしょう。

また、戦争とか、武器としての戦闘機の位置づけなど、著者とその上の世代ではまた違った感想があるのは当然のことでしょう。
作者の社会的な位置づけとか、立ち位置を批判して、当書を批判する論者もいるでしょう。
ましてや正面から某新聞社を真っ向から批判しています。当書が政治的にニュートラルかというと、若干疑問ではあります。
でも、作中に出てくる金髪の孫とか(私をふくめ)、誰かの犠牲のもとに繁栄と生存を享受していることを忘れている日本人達に「戦争とは何ぞや」と問いかける内容ではあります。実際に兵士だった父を持つ作者の言いたい事はそういうことでしょう。
戦記の著者で「逃げの○○○」と呼ばれたパイロットの存在は知っています。絶望的な戦いを生き延びた彼らの哲学は非常によく理解できました。そうするしかなかったことを知ることが出来ただけの意義はある書です。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.198
(3pt)

かなり読みやすいです。

児玉清さんの解説を合わせると600ページ近いボリュームですが、一気に読めます。
大戦ものを一度も読んだことも無い方には、ちょうどいいかも知れません。おすすめです。
戦記と考えるといかにもダイジェスト的で、細部は思いっきり省略しています。「F6Fヘルキャットやシコルスキー」とかのフレーズの反復が見られます。
それらはそれなりの理由があることです。戦後60余年という時間が経過しており、直接の証言者が極めて乏しい時点で書かれた書物の宿命でしょう。インタビューが現代に行われているはずなので、(その旨の注記もありますが)本来はもう少し違った表現になったはずでしょう。
また、昭和17年当時のニューギニアの空戦の戦記を読み漁ったものとしては、いささか違和感があります。B24(コンソリ)とかP38とかもあまり出てきませんし、1式戦(陸軍機)とか2式水戦とか、当時それなりに戦力であった機体も省略されています。他のレビューの方が記載している通り、有名な戦記物そのままの表現が頻出します。これも仕方ないことでしょう。

また、戦争とか、武器としての戦闘機の位置づけなど、著者とその上の世代ではまた違った感想があるのは当然のことでしょう。
作者の社会的な位置づけとか、立ち位置を批判して、当書を批判する論者もいるでしょう。
ましてや正面から某新聞社を真っ向から批判しています。当書が政治的にニュートラルかというと、若干疑問ではあります。
でも、作中に出てくる金髪の孫とか(私をふくめ)、誰かの犠牲のもとに繁栄と生存を享受していることを忘れている日本人達に「戦争とは何ぞや」と問いかける内容ではあります。実際に兵士だった父を持つ作者の言いたい事はそういうことでしょう。
戦記の著者で「逃げの○○○」と呼ばれたパイロットの存在は知っています。絶望的な戦いを生き延びた彼らの哲学は非常によく理解できました。そうするしかなかったことを知ることが出来ただけの意義はある書です。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.197
(3pt)

評判倒れ

みんなの声ほど面白いとは思えない本当に本好きには感動するとは言えない
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.196
(3pt)

評判倒れ

みんなの声ほど面白いとは思えない本当に本好きには感動するとは言えない
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.195
(3pt)

小説と割り切って

小説と割り切って読めばまあまあ面白かった。登場人物の書き分けがあっさりしているので途中で間違えることもある。また長々と続く海戦シーンはもう少し減らしていたらここで挫折する読者を防げたかも。参考文献をまねて書いているところも多いようで、作者自身が消化しきれてないのかと思う箇所もある。後半涙を誘う場面がしばしばだが金髪だった孫が話を聞いて急に更生するのは唐突でありがちな展開。戦争に行ったものにしかわからない苦悩や悲しみをもっと掘り下げて欲しかった。高齢者がすらすらと昨日のことのように戦争時の話をするのには違和感があった。一番謎は主人公がなぜ死ななければならなかったのか主人公はどういう人物だったのかを探しに出たはずなのに最後まで明白な答えが出ていないのにむりやりお涙頂戴場面に移ったこと。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.194
(3pt)

エンターテイメントであり、啓蒙書

話題の書という事で読んでみたが、正直微妙な内容。
この本の骨格は主人公の宮部をめぐるヒューマンドラマ。そこが全体の3割ほど。
あとの7割は坂井戦記などからの流用による肉付けなので、どこかで読んだことのある内容ばかり。
その上、著者があまり戦史に詳しくないせいか、「仏印で戦った(明号作戦のことかもしれないが)」なんて書かれると、
ガクッと来てしまう。
 なのでこの作品はオリジナルの3割のところの出来次第なのだが、全体としてそんなに悪くはないと思う(★×4)。
ポイントは主人公の孫を登場させ、現代的な視点や価値観から戦争や特攻について語らせていること。
そのため今の若者の共感を得やすくなっている。

 戦史の部分では、やたら主人公を美化し、海軍の上層部を完全悪者扱い(例外は美濃部のみ)したのはどうかと(−★)。
実際、特攻については上層部でも意見が割れていたし、かの源田実ですら消極的であった。
特攻をエンターテイメントとして描くならどうしてもこうなってしまうのも理解できないではないが、
もう少し正確で突っ込んだ描写ができなかったものかと思う。
 それから最後の52型から21型に乗り換えるところは何度読んでも唐突な気がするので、
もっと主人公の心の葛藤などに切り込んで欲しかった。ここが凄く惜しまれる(−★)。
 ただ若者に戦史や特攻に興味を持たせるという意味で、現代的な価値観から戦史を語った意味合いは大きいだろう。
本書の啓蒙的な価値は認める(+★)。
 
 ということで★×3。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.193
(3pt)

がっかり

映画にもなりレビュー評価も高く読んでみました。
戦時中の背景や描写が事細かにあるのは歴史が苦手な
私には不向きでした。

先が気になり夢中になって読める小説ですが、
純愛を貫き通してほしかったのと、
最後が残念でなりませんでした。

後味は私としては今一つです。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.192
(3pt)

小説と割り切って

小説と割り切って読めばまあまあ面白かった。登場人物の書き分けがあっさりしているので途中で間違えることもある。また長々と続く海戦シーンはもう少し減らしていたらここで挫折する読者を防げたかも。参考文献をまねて書いているところも多いようで、作者自身が消化しきれてないのかと思う箇所もある。後半涙を誘う場面がしばしばだが金髪だった孫が話を聞いて急に更生するのは唐突でありがちな展開。戦争に行ったものにしかわからない苦悩や悲しみをもっと掘り下げて欲しかった。高齢者がすらすらと昨日のことのように戦争時の話をするのには違和感があった。一番謎は主人公がなぜ死ななければならなかったのか主人公はどういう人物だったのかを探しに出たはずなのに最後まで明白な答えが出ていないのにむりやりお涙頂戴場面に移ったこと。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.191
(3pt)

エンターテイメントであり、啓蒙書

話題の書という事で読んでみたが、正直微妙な内容。
この本の骨格は主人公の宮部をめぐるヒューマンドラマ。そこが全体の3割ほど。
あとの7割は坂井戦記などからの流用による肉付けなので、どこかで読んだことのある内容ばかり。
その上、著者があまり戦史に詳しくないせいか、「仏印で戦った(明号作戦のことかもしれないが)」なんて書かれると、
ガクッと来てしまう。
 なのでこの作品はオリジナルの3割のところの出来次第なのだが、全体としてそんなに悪くはないと思う(★×4)。
ポイントは主人公の孫を登場させ、現代的な視点や価値観から戦争や特攻について語らせていること。
そのため今の若者の共感を得やすくなっている。

 戦史の部分では、やたら主人公を美化し、海軍の上層部を完全悪者扱い(例外は美濃部のみ)したのはどうかと(−★)。
実際、特攻については上層部でも意見が割れていたし、かの源田実ですら消極的であった。
特攻をエンターテイメントとして描くならどうしてもこうなってしまうのも理解できないではないが、
もう少し正確で突っ込んだ描写ができなかったものかと思う。
 それから最後の52型から21型に乗り換えるところは何度読んでも唐突な気がするので、
もっと主人公の心の葛藤などに切り込んで欲しかった。ここが凄く惜しまれる(−★)。
 ただ若者に戦史や特攻に興味を持たせるという意味で、現代的な価値観から戦史を語った意味合いは大きいだろう。
本書の啓蒙的な価値は認める(+★)。
 
 ということで★×3。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.190
(3pt)

がっかり

映画にもなりレビュー評価も高く読んでみました。
戦時中の背景や描写が事細かにあるのは歴史が苦手な
私には不向きでした。

先が気になり夢中になって読める小説ですが、
純愛を貫き通してほしかったのと、
最後が残念でなりませんでした。

後味は私としては今一つです。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.189
(3pt)

戦争がどんなものだったかを学ぶ

若い世代にとっては、戦争がどんなものだったかを学ぶためにはちょうどよい。
戦争は遥か昔のことで、ピンとこない若者は多いのではないでしょうか?
かといって、ぶ厚い歴史書など読む気になれない方にとっては興味深く読み進められる本。
(若干無理矢理な部分も感じましたが)
先人の方々が切り開いてくれた現在を精一杯生きなければいけないと改めて思った一作。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.188
(3pt)

戦争がどんなものだったかを学ぶ

若い世代にとっては、戦争がどんなものだったかを学ぶためにはちょうどよい。
戦争は遥か昔のことで、ピンとこない若者は多いのではないでしょうか?
かといって、ぶ厚い歴史書など読む気になれない方にとっては興味深く読み進められる本。
(若干無理矢理な部分も感じましたが)
先人の方々が切り開いてくれた現在を精一杯生きなければいけないと改めて思った一作。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.187
(3pt)

体験の共有

体験を共有することは、難しい。とりわけ価値観が多様化し、共通の体験から共通の価値を見出すことが難しい現代、こうした書に基づいて、世代を超えた体験をすることは大切なことだと思う。しかし、この書についても、様々な評価がなされることだろう。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.186
(3pt)

体験の共有

体験を共有することは、難しい。とりわけ価値観が多様化し、共通の体験から共通の価値を見出すことが難しい現代、こうした書に基づいて、世代を超えた体験をすることは大切なことだと思う。しかし、この書についても、様々な評価がなされることだろう。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.185
(3pt)

惜しい、本当に惜しい

着想や素材、すなわちストーリーや人物設定は素晴らしいのにそれを生かしきれていないと感じました。
命が惜しくて、そしてその命を惜しむ理由はそれぞれであろうが、戦場で安全なところに逃げようとする兵士は、いっぱいいたはず。そしてそのような兵士に興味がわかないはずがないのに多くの作家はそれを描いてこなかった。しかし、百田さん、余計なものを書きすぎて、主人公である宮部久蔵が埋もれてしまいました。伴奏の音がいっぱいあり過ぎて旋律が聞こえない音楽のよう。ゼロ戦や太平洋戦争のことをたくさん勉強したのにその成果を発表しないのはもったいないとでも思ったのでしょうか?
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.184
(3pt)

惜しい、本当に惜しい

着想や素材、すなわちストーリーや人物設定は素晴らしいのにそれを生かしきれていないと感じました。
命が惜しくて、そしてその命を惜しむ理由はそれぞれであろうが、戦場で安全なところに逃げようとする兵士は、いっぱいいたはず。そしてそのような兵士に興味がわかないはずがないのに多くの作家はそれを描いてこなかった。しかし、百田さん、余計なものを書きすぎて、主人公である宮部久蔵が埋もれてしまいました。伴奏の音がいっぱいあり過ぎて旋律が聞こえない音楽のよう。ゼロ戦や太平洋戦争のことをたくさん勉強したのにその成果を発表しないのはもったいないとでも思ったのでしょうか?
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.183
(3pt)

文章講談としての面白さ

僕は、この小説は、一言で言えば、非常に巧みな「文章による講談」だと思う。
そして、作者も、それを狙って、この小説を書いたのではないか?僕は、そう思っている。
本の売れない時代に、売れる本を書いてやろう!
放送作家出身で、エンターテインメントの酸いも甘いも味わってきた作者の、出版界への挑戦とも受け取れる。

小説の中の登場人物たちが、あたかも、彼ら彼女ら自身の肉声で語っているような、そう感じられることが、小説としての必要条件だと僕は思っている。
ところが、この小説では、登場人物全員が、作者の思いを語るための、道具としてのキャラクターになっている気がしてならない。
「文章による講談」と僕が考える所以だ。

この小説を読み始めて、僕が、一番最初に連想したのは、新聞の文化欄に載っている、大人が子供に、社会問題について、やさしく解説してあげるコーナーだ。

「お父さん、最近、TPPって言葉を良く聞くけど、どういうものなの?」
「それはね、多くの国々が関税などの障害を取り除いて、もっと自由に貿易をして、お互い、発展して行こうと言う、条約のことだよ」
「そうか、それなら、いいことだね。日本も参加した方がいいよね」
「それがね、いいことばかりじゃないんだ。この条約に参加した結果、色々な問題が起きる可能性があるんだよ」
このような問答が続き、社会問題を、読者にやさしく解説する、お馴染みのコーナーだ。
「永遠の0」では、司法浪人で人生の目標を失いかけている青年と新米のルポライターである、彼の姉が、その子供たちの役割を演じている。

この小説に書かれている、零戦に関する知識や太平洋戦争における海軍の作戦行動の全貌は、ヒストリーチャンネルの太平洋戦争特集を観ていれば、大方得ることが出来る程度のものだ。
作者が、小説を書くに当たって、参考にした文献が、巻末に上げられているが、それらの多くは、資料を基に書き上げられた戦記読み物だ。
パッチワークのように、それらをアレンジして、物語を構成したと言われても仕方がないと思う。

これは、僕のはなはだ勝手な推測で、的外れなことを覚悟で書くが、作者の百田尚樹氏の頭の中には、読者を泣かせることにかけては当代きっての作家、浅田次郎氏の存在があったのでないだろうか?

家族を残し、やむなく修羅場へと旅立つ主人公。抜群の腕を持ちながら、それを誇ることもない、寡黙で穏やかな人柄。それゆえに、周囲の荒くれ男達から浮き上がり、時として、軽んじられる。そして、家族への思いとは裏腹に、結果として、義のために自ら命を捨てる。真のサムライとして、人生を全うするのだ。

このような主人公、宮部久蔵から、僕は、どうしても、浅田次郎の小説「壬生義士伝」の吉村貫一郎を連想してしまう。

最後に、この小説を読んで、感銘を受けた読者の方々には、ぜひ、戦没学生たちの手記を収録した「きけわだつみのこえ」も読んでもらいたいと思う。

百田尚樹氏が書いているように、検閲ため書くことを許されなかった、行間に込められた、彼らの真実の声に、どうか、耳を傾けて欲しい。

更に、もう一つだけ。
昨今、人々は、小説、映画、ドラマに、「感動」「号泣」を、ひたすら求めているように感じられるが、それらが、最も、頻繁に、社会に存在した時代は、間違いなく、あの「戦争の時代」なのだ。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X
No.182
(3pt)

文章講談としての面白さ

僕は、この小説は、一言で言えば、非常に巧みな「文章による講談」だと思う。
そして、作者も、それを狙って、この小説を書いたのではないか?僕は、そう思っている。
本の売れない時代に、売れる本を書いてやろう!
放送作家出身で、エンターテインメントの酸いも甘いも味わってきた作者の、出版界への挑戦とも受け取れる。

小説の中の登場人物たちが、あたかも、彼ら彼女ら自身の肉声で語っているような、そう感じられることが、小説としての必要条件だと僕は思っている。
ところが、この小説では、登場人物全員が、作者の思いを語るための、道具としてのキャラクターになっている気がしてならない。
「文章による講談」と僕が考える所以だ。

この小説を読み始めて、僕が、一番最初に連想したのは、新聞の文化欄に載っている、大人が子供に、社会問題について、やさしく解説してあげるコーナーだ。

「お父さん、最近、TPPって言葉を良く聞くけど、どういうものなの?」
「それはね、多くの国々が関税などの障害を取り除いて、もっと自由に貿易をして、お互い、発展して行こうと言う、条約のことだよ」
「そうか、それなら、いいことだね。日本も参加した方がいいよね」
「それがね、いいことばかりじゃないんだ。この条約に参加した結果、色々な問題が起きる可能性があるんだよ」
このような問答が続き、社会問題を、読者にやさしく解説する、お馴染みのコーナーだ。
「永遠の0」では、司法浪人で人生の目標を失いかけている青年と新米のルポライターである、彼の姉が、その子供たちの役割を演じている。

この小説に書かれている、零戦に関する知識や太平洋戦争における海軍の作戦行動の全貌は、ヒストリーチャンネルの太平洋戦争特集を観ていれば、大方得ることが出来る程度のものだ。
作者が、小説を書くに当たって、参考にした文献が、巻末に上げられているが、それらの多くは、資料を基に書き上げられた戦記読み物だ。
パッチワークのように、それらをアレンジして、物語を構成したと言われても仕方がないと思う。

これは、僕のはなはだ勝手な推測で、的外れなことを覚悟で書くが、作者の百田尚樹氏の頭の中には、読者を泣かせることにかけては当代きっての作家、浅田次郎氏の存在があったのでないだろうか?

家族を残し、やむなく修羅場へと旅立つ主人公。抜群の腕を持ちながら、それを誇ることもない、寡黙で穏やかな人柄。それゆえに、周囲の荒くれ男達から浮き上がり、時として、軽んじられる。そして、家族への思いとは裏腹に、結果として、義のために自ら命を捨てる。真のサムライとして、人生を全うするのだ。

このような主人公、宮部久蔵から、僕は、どうしても、浅田次郎の小説「壬生義士伝」の吉村貫一郎を連想してしまう。

最後に、この小説を読んで、感銘を受けた読者の方々には、ぜひ、戦没学生たちの手記を収録した「きけわだつみのこえ」も読んでもらいたいと思う。

百田尚樹氏が書いているように、検閲ため書くことを許されなかった、行間に込められた、彼らの真実の声に、どうか、耳を傾けて欲しい。

更に、もう一つだけ。
昨今、人々は、小説、映画、ドラマに、「感動」「号泣」を、ひたすら求めているように感じられるが、それらが、最も、頻繁に、社会に存在した時代は、間違いなく、あの「戦争の時代」なのだ。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.181
(3pt)

どんでん返しのアイディアは良いのだが

旧軍に関する記述は、どこかで見知った事実や論評が多く、目新しさに欠ける。「えっ」と思ったのは、海軍パイロットは、落下傘の袋の中に小便をしたというお話ぐらい。読みやすく、素直な構成だが、もっと創作的な要素を期待していた。確かに、泣かせどころはあるのだが、新奇さに欠ける物語を読むというのは、ちょっと忍耐がいる。最後のどんでん返しは、予想できないものだったが、そこに至るまでがやや冗長に感じた。
文献を読み込み、エピソードを紡ぎ合わせた小説がここまで売れるベストセラーになりうると証明したことは、後進を勇気づけるかもしれない。
永遠の0 (ゼロ) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.180
(3pt)

どんでん返しのアイディアは良いのだが

旧軍に関する記述は、どこかで見知った事実や論評が多く、目新しさに欠ける。「えっ」と思ったのは、海軍パイロットは、落下傘の袋の中に小便をしたというお話ぐらい。読みやすく、素直な構成だが、もっと創作的な要素を期待していた。確かに、泣かせどころはあるのだが、新奇さに欠ける物語を読むというのは、ちょっと忍耐がいる。最後のどんでん返しは、予想できないものだったが、そこに至るまでがやや冗長に感じた。
文献を読み込み、エピソードを紡ぎ合わせた小説がここまで売れるベストセラーになりうると証明したことは、後進を勇気づけるかもしれない。
永遠の0 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 永遠の0 (講談社文庫)より
406276413X