暗殺の冬

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評判

暗殺の冬の評価:

4.18/5点 レビュー 11件。 C ランク

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平均点4.18pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1〜9 1/1ページ
No.9
(4pt)

重くはないが話しは重い

読みやすく、内容も面白い。スウェーデン人は日本人に似ているかも。
暗殺の冬 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 暗殺の冬 (文春文庫)より
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No.8
(5pt)

特になし。
暗殺の冬 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 暗殺の冬 (文春文庫)より
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No.7
(4pt)

暗いけれど面白い!

読み始めは直近読んでいた英国ミステリーに比べると文体が若干固く感じ、また代名詞がやたらと多用されているため(翻訳上仕方ないのかもしれないが)読みづらく、少し退屈に感じた。しかし、後半から物語が展開していくにつれ引き込まれ、あっという間に読み終えた。北欧ミステリー、初めて読んだけれどはまりそう。作者の他の作品も英米で評価を得ているようなので、今後翻訳出版されることに期待。
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4167925141
No.6
(4pt)

ゆっくり読みましょう

長期の旅行のために購入.
じっくり読んで楽しめました.
レビューがすごく良かったけれど,それほどでもないような.
あと,タイトルが内容と合ってないと思いました.
暗殺の冬 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 暗殺の冬 (文春文庫)より
4167925141
No.5
(5pt)

人間に生まれたというだけで、

間違ったことをしても他者に許しを請えるのか。この部分にたどり着くのに延々と二日間で読み通しました。たんなる犯人当てであれば、最初目星をつけた人物が違うとなり、おやおやと次に不穏な気持ちで目当てをつけていた人物がまた違うとなり、とそれでしかない話なのですが、主眼はそこではない物語性に気づけばあれよあれよと休日潰して読了です。
ただの人間だと言うことは、言い訳にならない。まったくその通りだと思い当たるところの多い世相です。
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No.4
(5pt)

「10年に1度の傑作」という惹句はウソじゃなかった!ほんとに傑作!

1986年2月28日、ストックホルムで時のスウェーデン首相オロフ・パルメが暗殺された。これは史実である。犯人は特定されなかった。
その同じ日、田舎の村で1件の婦女暴行殺人事件が発生する。首相暗殺で騒然とする中、片田舎の警察官たちは犯人を追うが、やがた第二、第三の事件が起きる。
物語はそこから始まる30数年が描かれる。第一の被害者を救えなかった刑事スヴェン、その後を継ぐように警察官となった息子のヴィダル。この親子を軸に、警官たち、被害者の家族、村の住民たちなど、事件の波紋とそれぞれの人生。

まず、2つの構造が素晴らしい。1つはスウェーデンの現代史と地方の人々の人生との対比。もう1つはスヴェン、ヴィダルという視点の継承と「私」という第三の視点の設定である。この小説は、故郷に帰ってきた小説家「私」の記述で始まり、過去に戻ってスヴェンの視点、次の世代ヴィダルの視点へと移り、最後に再び「私」の視点へと戻る。この「私」の視点を加えることで、スケール感のある俯瞰的な物語となり、かつ、ミステリとしても展開の面白さが加わっている。

次に、描写が素晴らしい。村や森の描写もだが、なによりも人物描写が深く、鮮やかで、読むほどに登場人物一人ひとりへの感情移入が高まっていく。

派手な殺人描写があるわけではなく、華麗なトリックがあるわけでもない。ミステリとしては実に地味な事件だ。ところが、リーダビリティが強い。特に後半、真相への追究が加速していくとページをめくる手が止まらなくなる(Kindleだけど)。

これはミステリであると同時に、人間を描いた文学作品であります。この二つがこれほどうまく融合しているのはめったにない。傑作。年末のミステリベストテン上位ランキングは間違いないです。
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4167925141
No.3
(5pt)

北欧の不穏な時代の事件と、関わった人たちの心象風景が印象に残る推理小説

スウェーデンで首相暗殺事件が起こった頃、暴行事件が起き・・・というお話。

他の北欧の推理小説よりも、事件の謎解きを中心にするよりも、犯罪に関わった人たちの心象風景などに重点を置いた作品に思えました。首相暗殺事件も、他の作家なら、中心の事件と絡めて、謀略小説にすると思いますが、あくまで背景に止め、この頃の不穏な時代を象徴させる役割で使っていて、解決などはしないで、あくまで中心の暴行事件の謎ときに集中する感じでした。

解説で池上さんが「一行一行、文章を味わう喜びがある。主人公の行動と思索の思いを重ね、自分の人生を振り返らせつ深々とした人生観照がある」と指摘してらっしゃる様に、印象に残る文章が結構ありました。

決して派手な感じの大風呂敷を広げる感じの作品ではないですが、印象に残るいい作品でした。他の作品も読んでみたいです。

北欧の不穏な時代の事件と、関わった人たちの心象風景が印象に残る推理小説。是非ご一読を。

因みに、作品に使われている首相の事件ですが、ネットで検索したら、実際にあったそうで、犯人が判らず、迷宮入りの事件だそうです。スウェーデンの事はよく知らないですが、この辺の不穏な事情をネタにした謀略小説が書かれたり、すでにありそうで、そういう意味ではまた北欧のミステリの隆盛に繋がるかも(暗殺された首相には申し訳ないですが)。

あと、印象に残った文章を抜きだします(読まないでいいです)。

「人は世の中でいろんな醜いものを見て、それがどんなにつかみどころのないものかを理解している。どの店にも現金があり、自暴自棄のろくでなしにいつ襲われるかわからない。自分の妻や息子が牛乳パックやパンを持って通路に立っているような店でも、ひとつ間違えたら、そのろくでなしが発砲してくるかもしれない。酒や麻薬に酔った運転手がどの道路にいて、いつそれと遭遇するかわからない。側溝の中で煙を上げている残骸の中で押しつぶされているのは、ヴィダルやピッピや、マルベックに住む大切な隣人かもしれない。駐車場のスペースの夏至祭のキスをめぐって人々が殴り合い、死に至ることもある。永遠に続くものなどどこにもない。彼は毎日、その事実を目の当たりしていた。最愛の人をいつうしなってもおかしくない。スヴェンは毎日、この事実と闘っていた。まるで人生の早い段階から『信仰を失うな』という使命を課せられていたかのように」

「みんなパルメとスヴェア通りの銃撃戦の話をしていた。罪を犯した命には命を。秩序を取り戻す必要がある。それが彼らの心情だった。寡黙な林業家や、従順な職人、おだやかな機械工など、普段ならこの土地の平和的な労働者であり、日々の仕事で世の中を回しながらもその努力が見過ごされがちな人たちだ。彼らは夜になると自宅の食卓で食事を取り、新聞の見出しを読み、テレビのニュースを見、ソファで眠りこけるまでビールを飲み、翌日も起きて同じことを繰り返す。そんなごくふつうの実直な人たちが、彼らの子どもたちが聞いたこともない言葉や欲望を口にしていた」

「父親であること、エヴィのこと、ティアルプの怪物のこと、スティナ・フランセンのオペル・レコルトのこと、吐血と咳、暴力と死、自分が送ることになった人生、息子が送ることになるかもしれない人生について。なぜ息子はあえてそんな人生を送ろうとするのか。何があって、自分の父親にそんなひどいことを言うのか?ヴィダルはそろそろ誰かに出会う時期ではないか?彼らにとっての良き伴侶、そう、それこそ彼に必要なものだ。自分の人生を冷静に見つめ直し、警官になったりすべきではないと気付かせてくれる女性が必要なんだ。ちくしょ。私にとってピッピはいつもそばにいてくれた。私を裏切ったことは一度もまない」

「しかし、自分は終わった。安堵の思いが波のように押し寄せてきた。何事にもそれにふさわしい時がある。そんなふうに言うが、終わりを迎えるまでに人はどれだけの時を耐えなければいけないのか。どれだけの人を傷つけなければならず、どれだけ自分を苦しめなければいけないのか」
暗殺の冬 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 暗殺の冬 (文春文庫)より
4167925141
No.2
(4pt)

上質な文学系犯罪捜査小説

舞台はスウェーデン。親子二代と主人公の「私」が時を超えて連続殺人事件を捜査していく物語である。

ストーリー部分はきちんとサスペンスで先を読ませない展開なのだが、それより物語の持つ文学性が大きな特徴となっている。あとがきで書かれていたようにザリガニやミスティックリバーなどに連なる系譜の優秀な跡取りであるので、ああいった作品のファンには強く刺さる名作だろう。故に、しっとりと、ゆっくりと文章を味わいながら読むと主人公の親子二人の苦悩が真に迫ってくるはず。

さて、タイトルに「暗殺」とあるが、これはちょうどスウェーデン首相が暗殺された時期に起きた事件であるためで、この事件による社会不安や警察関係者の苦しみは物語の重要なスパイスであるものの、暗殺事件そのものが本筋に関わるわけではないので注意。日本でもそのうち安倍総理暗殺の時期を切り取ったミステリが書かれるのかもしれない。

文春文庫は最近ディーバーくらいしか刊行しないのかな?と思っていたらいきなり本作のような骨太の作品を翻訳してくれて意外というか、とてもありがたいところ。しかもハヤカワ文庫に比べてえらい安い!昔よりは高いけど、この価格帯ならまだ十分読む価値ある作品であると言える。売れて欲しい!
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4167925141
No.1
(5pt)

圧倒的なリーダビリティを持ったスウェーデン・ミステリの傑作

ル・カレを背負ったニック・ハーカウェイの新作をゆっくりと読んでいましたが、本書を割り込ませました。圧倒的なリーダビリティを持ったスウェーデン・ミステリの傑作だと思います。それだけの価値がありました。
 舞台は、ハッランド県。小説家の「私」が故郷へ帰ってきます。知り合いで元警察官のエヴィ・カーレンが脳卒中で倒れ、話せるようになって語ったのは警察官、スヴェン・ヨルゲンソンのことでした。スヴェンもその息子で同じように警察官のヴィダルのことも知っていた「私」でしたが、発生から三十三年を経て<ティアルプの怪物>事件の正体が判明したとのニュースが伝わります。それは三件の殺人事件と一件の殺人未遂事件が解決したとの記事でした。解決したのはヴィダル。「私」はエヴィ・カーレンに話を聞いて、小説の素材にしようとします。
 そこから、事件が起きた1986年へと時が遡り、警察官・スヴェンの視点から<ティアルプの怪物>の事件が語られていきます。スウェーデン・ミステリで良く取り上げられる首相、オーロフ・パルメがストックホルムで射殺された日。警察に或る男から女性をレイプしたという電話が入り、スヴェンが現場に駆けつけてみるとレイプと殴打によって女性の命が失われてしまいました。そして、再度男から電話がかかり、もう一人の女性が失踪してしまいます・・・連続殺人事件か?犯人は誰?
 物語は、1986年を起点に、1988年、1991年、そして2019年へと変転しながら警官から警官へと受け継がれていくわけですが、その歴史が<私>へと手渡されることになります。国が異なるとは言え、佐々木譲の「警官の血」を想起したりもしました。何故なら、このスウェーデンの田舎町で起きたストーリーには、スウェーデンという「国家」のアイデンティティの揺らぎが表現されているからに他なりません。犯罪の影に蠢くノンフィクションの照り返しがフィクションを照射し続けています。
 パルメの事件といえば、直近では「スティーグ・ラーソン最後の事件」(ヤン・ストックラーサ)を真っ先に思い出しますが、レイフ・GW・ペーション、アルネ・ダール、ルイース・ボイイエ・アブ・イェンナスらのスリラーに於いても参照されていたかと思います。米国にとっての「JFK暗殺」に似て、時代を語る上でそのスターターとしてそれは最適な素材だと言えるのでしょう。
 少し話がそれましたが、本書は<Who-Done-It>としても優れた語り口を持っています。さり気ない日常風景が実は意味を持ち得ていてエンディングに向かって切れ味の良い伏線がまだらに収斂していきます。語りたいことが数多くありますが、ここでストーリーの詳細を明かすわけにはいきません(笑)。
 また、多くの登場人物たちが背負った<業>が絡まり合うことによってそのショットが、そのシーンが、そのシークェンスがカメラを切り替えるように幾度も再現される作者の筆力にも感心させられることでしょう。本書は「ハッランド組曲」と呼ばれるシリーズの第二作目だそうですが、他の作品もまた継続して訳出されますように。売れて欲しい。
 ◻︎「暗殺の冬」(クリストフェル・カールソン 文藝春秋) 2026/5/9。
暗殺の冬 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 暗殺の冬 (文春文庫)より
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