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欲望の街
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欲望の街の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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下巻を読み始めたら、保護観察官である主人公のボームが社会からドロップアウトしてゆく犯罪者を救おうとストイックに対峙するも、やがて限界を感じてしまう。 厚生してゆくかと期待していた少年や少女が自分を裏切ってゆく姿に自暴自棄になり最後に保護観察官としての冷静さを失いキレてしまうエピソードなどを著者は上手く描いていた。 が、読み進むうちに必要もないようなエピソードなどで多くのページを割いているから評者は冗漫に感じ「いらいら」してくるようなってしまった。 本書巻末の解説で香山二三郎氏が、麻薬、人種差別はもとより、少年犯罪、汚職、社会福祉などさまざまなテーマをブレンドした本書はオーソドックスな社会派ミステリーの流れを汲む正統的作品といえよう、と記述していた。 解説のなかで香山氏が、読者の中には、パズル趣味が希薄なぶん、本書に物足りなさを覚える人もいるかも知れないが、主人公たちが織り成すシリアス極まりない人間ドラマはそれを補って余りある、と評価していたのだが、評者には少々褒めすぎじゃないかと感じてしまったのです。 意外な結末も不自然な感を免れないだろうし、主人公ボームが予想どうりロースクールへ通い始めたことなどが、読者のカタルシスを多少は慰撫するかもしれないが・・・。 | ||||
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在庫を漁っていたらピーター・ブローナー著『欲望の街』を見つけて奥付を見た。 発行日が1992年10月30日初版と記してあり、最近読んでいたミステリ本と同じ時期の作品であるから興味を持って読み始めた。 この物語は、30歳をまじかにした男が、使命感と挫折との狭間で苦悩しながらも、なんとかもちこたえながら保護観察官という仕事をしてゆく話である。 ダリル・キングという18歳で麻薬中毒の黒人青年を担当をすることになったが、この男は、平気で警察官を銃殺するようなどうしようもない悪党であるが、なぜかそのような事件では逮捕されず、車の窃盗などで何度も逮捕されながら保護観察処分のまま野放しになってゆく。 アメリカの暗部を描くのは著者の履歴から納得できたのだが、本書が書かれた’90年代初めも世紀を超えた今のアメリカの現実も、犯罪が進化こそすれ、なんら改善されていないと感じながら本書『欲望の街』を読み進んだ。 本書は、MWA賞の処女長編賞を受賞した作品であるから、確かにそれなりのレベルの作品であると思ひながら読ませてくれる。 が、主人公のスティー・ボームの心理描写に隔靴掻痒を覚えるのは何故だろう。 弁護士にもなれそうな能力を持っているボームは、なぜ警察官より待遇の悪い保護観察官などになったかなどについての心理描写に物足らないものを感じたからかもしれない。 余談になるが、本書カバー裏の内容紹介で、「91年度のMWA最優秀新人賞受賞作!」と、記してありましたが、これは間違いです。 本書『欲望の街』が受賞したのは1992年であり、ちなみに1991年度のMWA新人賞は、パトリシア・コーンウェルの『検屍官 』です。 評者は、この頃からコーンウェルを何冊も読み始め、最初に読んだのが、この『検視官』であったから記憶が蘇り、少し調べみて分かったのです。 この物語の内容などすべて忘れているのに、どうでもよいような些末なことを思い出しながら上巻を読み終え、下巻を読み始めました。 | ||||
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