欲望の街
- 貧困 (21)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
欲望の街の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
下巻を読み始めたら、保護観察官である主人公のボームが社会からドロップアウトしてゆく犯罪者を救おうとストイックに対峙するも、やがて限界を感じてしまう。 厚生してゆくかと期待していた少年や少女が自分を裏切ってゆく姿に自暴自棄になり最後に保護観察官としての冷静さを失いキレてしまうエピソードなどを著者は上手く描いていた。 が、読み進むうちに必要もないようなエピソードなどで多くのページを割いているから評者は冗漫に感じ「いらいら」してくるようなってしまった。 本書巻末の解説で香山二三郎氏が、麻薬、人種差別はもとより、少年犯罪、汚職、社会福祉などさまざまなテーマをブレンドした本書はオーソドックスな社会派ミステリーの流れを汲む正統的作品といえよう、と記述していた。 解説のなかで香山氏が、読者の中には、パズル趣味が希薄なぶん、本書に物足りなさを覚える人もいるかも知れないが、主人公たちが織り成すシリアス極まりない人間ドラマはそれを補って余りある、と評価していたのだが、評者には少々褒めすぎじゃないかと感じてしまったのです。 意外な結末も不自然な感を免れないだろうし、主人公ボームが予想どうりロースクールへ通い始めたことなどが、読者のカタルシスを多少は慰撫するかもしれないが・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
在庫を漁っていたらピーター・ブローナー著『欲望の街』を見つけて奥付を見た。 発行日が1992年10月30日初版と記してあり、最近読んでいたミステリ本と同じ時期の作品であるから興味を持って読み始めた。 この物語は、30歳をまじかにした男が、使命感と挫折との狭間で苦悩しながらも、なんとかもちこたえながら保護観察官という仕事をしてゆく話である。 ダリル・キングという18歳で麻薬中毒の黒人青年を担当をすることになったが、この男は、平気で警察官を銃殺するようなどうしようもない悪党であるが、なぜかそのような事件では逮捕されず、車の窃盗などで何度も逮捕されながら保護観察処分のまま野放しになってゆく。 アメリカの暗部を描くのは著者の履歴から納得できたのだが、本書が書かれた’90年代初めも世紀を超えた今のアメリカの現実も、犯罪が進化こそすれ、なんら改善されていないと感じながら本書『欲望の街』を読み進んだ。 本書は、MWA賞の処女長編賞を受賞した作品であるから、確かにそれなりのレベルの作品であると思ひながら読ませてくれる。 が、主人公のスティー・ボームの心理描写に隔靴掻痒を覚えるのは何故だろう。 弁護士にもなれそうな能力を持っているボームは、なぜ警察官より待遇の悪い保護観察官などになったかなどについての心理描写に物足らないものを感じたからかもしれない。 余談になるが、本書カバー裏の内容紹介で、「91年度のMWA最優秀新人賞受賞作!」と、記してありましたが、これは間違いです。 本書『欲望の街』が受賞したのは1992年であり、ちなみに1991年度のMWA新人賞は、パトリシア・コーンウェルの『検屍官 』です。 評者は、この頃からコーンウェルを何冊も読み始め、最初に読んだのが、この『検視官』であったから記憶が蘇り、少し調べみて分かったのです。 この物語の内容などすべて忘れているのに、どうでもよいような些末なことを思い出しながら上巻を読み終え、下巻を読み始めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
保護司 一筋縄ではいかない職業の一つです 希望に燃えて 犯罪者を更生させよう、まっとうな道へもどそうと がんばる職業です しかし そんなろくでもない犯罪者を見続けていると・・・ 私も上しか読んでないです。 どうなるんでしょう? こんなお話しを見ていると (犯罪者の)人権って必要なの? それは (被害者の)人権を踏みにじって成り立つ物なのでは? と考えてしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
重厚。ストーリーよりは人物重視。ブローナーの特徴とも言えるアメリカの腐敗社会の描写が圧巻の一冊。 主人公は刑事でも探偵でもなく、一介の保護観察官。そして手のつけられない黒人不良少年が彼の前に立ちはだかる……というと、何だか軒上泊のアメリカ版か、と思われ る。しかし、さすがアメリカの不良は、日本の同世代のようには一筋縄では行かない。それどころか主人公の保護観察官を含め、市民を恐怖に落とし入れるほどの迫力を備えており、血と殺意に満ちた短い生涯をめざそうとするデカダンスな姿勢を見ていると、まるで現代版ビリー・ザ・キッドである。 主人公の保護観察官は、街の若者たちの多くの問題を抱えているが、そこに客観性を持ち込むというよりも自分自身をより深く関わらせ!てゆく独自の動きをしてゆく。少女に惚れ込み、不良少年の威嚇にはビビる。だからこそこの腐敗の街には特別な物語が流れてゆくのだろう。変化を求めないごく普通の市民たちは、物語をあまり作り出さな いだろうけれど、ここでは積極的に関わり動いてゆく主人公、そして彼に憎悪を燃やし対決を迫る一人のティーン・エイジャーという構図が光り、徐々にだが緊迫感を高めてゆく。 物語がこれ以上もない沸点に達したとき、街は燃え盛り、物語は終わりを告げてゆく。何かの救いとか良心といったものはここにはなく(ブローナーはいつだってそうだ)、ただあるがままのアメリカの病んだ現実がぼくらの中に冷たい風を吹かせる。「社会派問題作」という形容が最も似合うような小説と取っていただいていいかもしれない! | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 4件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|