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断弦



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【この小説が収録されている参考書籍】
断弦 (1957年)
断弦 (1967年)
断弦 (文春文庫 137-3)
断弦 (文春文庫)

断弦の評価: 5.00/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

綺麗でした

破損や汚れなどほとんど無く、梱包もしっかりしておりとても満足しました。
断弦 (文春文庫 137-3)Amazon書評・レビュー:断弦 (文春文庫 137-3)より
4167137038
No.2:
(5pt)

デビュー作とは思えない筆力

有吉佐和子さんがこの作品を書かれたのはまだ若き22,3歳の頃だったそうです。伝統芸の世界を見事に表現しているその筆力には驚愕させられます。
物語の核となるのは伝統芸継承の断絶、地唄の大検校菊沢寿久と弟子でもある娘邦枝の確執です。米国人との結婚を反対された娘は父と距離を置きますが、父を慕う思いは変わりません。一方の父も心の底では娘のことを深く案じています。そんな父と娘の心の葛藤が胸に迫ります。
父は美貌の新弟子瑠璃子に娘の影を追います。底抜けに明るい瑠璃子の現代感覚が地味な伝統芸の世界と混合するところはこの物語のもう一つの面白さです。
やがて病身になり余命が限られた父は二人の前で命を込めて地唄を歌い上げます。その姿が心の深奥に響きます。
断弦 (文春文庫 137-3)Amazon書評・レビュー:断弦 (文春文庫 137-3)より
4167137038
No.1:
(5pt)

これが著者最初の長編小説とは。20代前半の若書きだが、傑作。

別の文庫に入っている短編「地唄」がそのまま一章となった長編小説です。

日本の息苦しい伝統芸の社会(お能、お茶、歌舞伎などでは今も生きている世界ですが)を、内部(家元の娘で、米国人と結婚し、父から勘当され、愛と芸の確執に悩む邦枝)から、そして外部(大学生で、趣味で地唄を習い、因習に囚われることなく客観的に物事を見ることのできる瑠璃子)から、という二つの異なった視点から描いていきます。

今となっては、馬鹿馬鹿しいまでの息苦しく、堅苦しく、全く創造性のないような縦社会の地唄の流派ですが、著者は、その良い点と愚かしい点とをドラマチックに描きます。家族の愛情よりも、芸が優先する世界。創造性、新奇性を完全否定し、師匠の芸の再生だけを目的とする流派と、苛め、潰しの構造。一方で、そうした因習があってこそ辛うじて成立しているのかもしれない師匠の至芸。伝統文化の奥深さ。美しさ。

これが著者の最初の長編とは、驚きました。驚愕。なんてすごい作家なんだろう。今ではそれほど読まれず、評価もされていないみたいだけれども。惜しい限り。
断弦 (1967年)Amazon書評・レビュー:断弦 (1967年)より
B000JA6S0W

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